2007年06月15日 第166回 通常国会 本会議 【411】 - 討論
強行採決された電子記録債権法案 本会議で反対討論
2007年6月15日、財務金融委員会での強行採決の後、大幅に遅れて本会議が開かれ、電子記録債権法案が緊急上程されました。
この法案は、この日の午前中、財務金融委員会・法務委員会連合審査が2時間、財務金融委員会では与党のみが20分程の質疑を行っただけで、強行採決されました。
議長の提案で、反対討論が許可されることになり、佐々木議員は、日本共産党を代表して討論を行いました。
電子記録債権法案は、与党と民主党の賛成によって可決されました。
議事録
○佐々木憲昭君 法案の討論に入る前に、一言申し上げます。
本日の財務金融委員会で、理事会での合意なく与党が強行採決をしたことに、厳しく抗議するものであります。与党と伊藤達也君の委員会運営は、余りにも強権的であり、議会制民主主義を破壊するものだと言わなければなりません。
本法案は、本日から審議入りしたばかりであります。午前中、連合審査が2時間、財務金融委員会としての質疑は、与党議員が1名、わずか20分程度の質疑にすぎなかったのであります。野党はだれ1人として質疑を行っておりません。また、要求した資料も提出されておらず、関係者の参考人招致も協議中でありました。
このような状況下で採決を強行するなど、言語道断であります。厳しく抗議するものであります。(拍手)
提案された法案は、金銭債権の流動性を高めるために、電子記録債権という新しい債権を創設するものであります。保管・流通コストがかからず、譲渡しやすい債権という面では、中小企業の資金調達にも役立つ面があります。
しかし、本法案では、手形、売り掛け債権のみならず、通常の融資などすべての金銭債権が対象となっているため、金融機関の融資などの債権まで電子記録債権として譲渡が促進されるおそれがあります。これは、金融機関が借り手企業の経営者の資質や将来の事業の展望について判断し、長期にわたって融資を実行するという、政府が推進しているリレーションシップバンキングの精神にさえ反するものであります。中小零細企業、個人企業は、そのことによって不利な立場に立たされるにもかかわらず、本法案にはこのことへの対策が盛り込まれておりません。
以上、本法案に反対する理由を述べて、討論を終わります。(拍手)