金権・腐敗政治, その他 (電子化, 強行採決, 不信任案)
2007年06月15日 第166回 通常国会 財務金融委員会 【410】 - 討論
財務金融委員長と与党が強行採決 委員長不信任案に賛成討論
2007年6月15日、財務金融委員会・法務委員会連合審査の後、財務金融委員会を開いて、与党だけが30分の質疑を行い、その後の日程は理事会で協議することになっていました。
ところが、連合審査の質疑がおこなわれている最中に、自民党筆頭理事と財務金融委員長が突然、「午前中に採決したい」と、言い出しました。
野党側は、「それは認められない」と抗議しましたが、与党は「質疑打ち切り、採決」の一点張りで譲らず、委員長が職権で委員会を開き、野党が誰も質疑を行っていないのに採決を強行しようとしました。
野党側は、このような強権的な委員会運営に抗議し、「伊藤達也委員長不信任決議案」を提出しました。
ところが、与党は、各発言を「3分以内にする動議」を提案し可決しました。
このような不利な状況下でしたが、佐々木議員は、委員長不信任決議案に賛成する討論をおこないました。
委員長代理は、佐々木議員の討論の最中に、発言を打ち切り、不信任決議案を否決。委員長は法案の討論も省略し、採決を強行しました。
その後開かれた本会議で、電子記録債権法案は、与党・民主党の賛成多数によって可決成立しました。
議事録
【佐々木議員の討論から採決部分】
○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表しまして、今回提案されました伊藤達也委員長不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
きょうの理事会での採決強行という発言は、極めて驚くべき状況でございます。青天のへきれきと言っていいと思います。
伊藤達也委員長は、今まで、今国会冒頭から採決の強行を繰り返してまいりました。一度は、野党の抗議の前に、伊藤達也委員長は、理事会において、運営に不適切なやり方があった、このことを謝罪し、公正公平な運営に心がけたい、このように明言したわけでございます。
ところが、きょうのこの事態は、あの発言、あの謝罪が一体何だったのか、根本的に疑問と言わなければなりません。口先だけの謝罪であったのか。今この事態を迎えるに当たって、私は、その伊藤委員長の発言内容が野党に対して不誠実なものであったことをこれで証明されたと思うし、また、強引な運営のやり方というのは、この委員会の民主的な、与野党合意のもとで行われてきた運営を破壊するものであると言わざるを得ないのであります。伊藤達也委員長の運営は、余りにも強権的だと言わざるを得ません。
きょうは連合審査をやったばかりであります。法務委員会との連合審査は2時間行われました。しかし、その後、財務金融委員会としては独自の審査をやらなければならないわけであります。まず与党の質問から始めましょうと言ったのは、山本筆頭だったのではないでしょうか。まず始めましょう、それなら、続きが当然あるわけであります。
○山本(明)委員長代理 持ち時間が終了いたしました。
○佐々木(憲)委員 理事会で合意されていないままこれを強行することは、絶対に許せないわけであります。
○山本(明)委員長代理 佐々木憲昭君、持ち時間が終了いたしました。簡潔に願います。
○佐々木(憲)委員 しかも、今回の電子債権法の審議のために野党が要求しておりました資料についても、まだ提供されていないわけであります。
○山本(明)委員長代理 佐々木憲昭君、持ち時間が終了いたしました。簡潔に願います。
○佐々木(憲)委員 参考人の質疑も終わっておりません。当然、この電子債権によって影響を受ける金融機関、あるいはその融資を受ける中小企業、そういう方々がどういう影響を受け、どこにメリットを感じ、どこにデメリットを感じているか、このことをはっきりとするのが当たり前じゃないでしょうか。
○山本(明)委員長代理 持ち時間が終了いたしましたので、これで討論を終結をいたします。
○佐々木(憲)委員 私は、こういう強引なやり方に断固抗議をするものであります。
○山本(明)委員長代理 討論を終結いたします。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の……(発言する者あり)
○佐々木(憲)委員 ちょっと委員長、待ってください。まだ発言中です。まだ討論をやっているところですから。だめですよ、そんなやり方は。そんな強権的なやり方は、絶対に許すわけにはいきません。
○山本(明)委員長代理 討論の終結をいたします。
○佐々木(憲)委員 委員長、まだ発言中です。
○山本(明)委員長代理 討論を終結いたします。(発言する者あり)
○佐々木(憲)委員 今、委員長の不信任案を提出し、私は賛成討論をしているわけであります。まだ終わっておりませんよ、これ。勝手にそんなものを打ち切ることは許されません。(発言する者あり)
○山本(明)委員長代理 持ち時間が終了いたしました。
○佐々木(憲)委員 こういう委員長代理の強引なやり方は絶対だめです。まだやっているんですから。
今、参考人の問題も全くやられておらない。
○山本(明)委員長代理 佐々木憲昭君、持ち時間が終了いたしました。討論を終結いたします。(発言する者あり)
○佐々木(憲)委員 そういう中で、何が審議の終了なんですか。山本委員長代理、まだこれは審議が始まったばかりで、財務金融委員会としては、野党の質問はまだやっていないんです。これからやらなければならないわけであります。
○山本(明)委員長代理 討論を終結いたします。
○佐々木(憲)委員 これからやらなければならない段階で勝手に打ち切って、それを採決するなどというのは、絶対に認めるわけにはまいりません。
○山本(明)委員長代理 採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者、離席する者多し)
○佐々木(憲)委員 委員長、だめですよ、そんなやり方は。討論の途中じゃないか。
○山本(明)委員長代理 賛成の起立を求めます。(発言する者あり)
○佐々木(憲)委員 だめだよ、そんなのは。
○山本(明)委員長代理 終結を宣言しました。
○佐々木(憲)委員 だめですよ、そんなのは。まだやっていますから。
○山本(明)委員長代理 終結を宣言いたしました。
○佐々木(憲)委員 そんな勝手な、討論を打ち切るようなやり方は、絶対に私は認めません。だめですよ、そんなのは。それは与党の横暴というものであります。絶対にこういうやり方は許すわけにはいかない。
まだ、参考人として呼んで聞かなきゃならない、そういう議論が理事会で始まったばかりじゃありませんか。関係者は、銀行もいれば融資を受ける側もいる、あるいは証券関係の業者の関係者もいる。当然、そういう人の意見を聞かなきゃならない、当たり前じゃないですか。
○山本(明)委員長代理 佐々木憲昭君、討論を終結いたします。
○佐々木(憲)委員 何でこの討論を終結しなきゃならぬのですか。
○山本(明)委員長代理 終結いたします。
○佐々木(憲)委員 委員長解任決議案に賛成する理由、まだまだたくさんありますよ。まだ説明の途中ですよ。そんなもの、勝手に打ち切るということは絶対にできません。
○山本(明)委員長代理 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者、離席する者多し)
○佐々木(憲)委員 何ですか、その言い方は。委員長、だめだ、それは。
○山本(明)委員長代理 起立を求めます。(発言する者あり)
○佐々木(憲)委員 だめ、だめ、だめ。そんなのではだめですよ。まだ討論が終わっていないんですから。
○山本(明)委員長代理 起立、賛成ゼロであります。よって、本動議は否決されました。(発言する者あり)
委員長の復席をお願いします。(拍手)
〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○伊藤委員長 ただいま御信任をいただきまして、まことにありがとうございます。(拍手)(発言する者あり)
宮下一郎君。
○宮下委員 動議を提出いたします。
ただいま議案となっております本案に対する質疑は終局し、討論は省略し、直ちに採決されんことを望みます。
○伊藤委員長 宮下一郎君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)
〔賛成者起立〕
○伊藤委員長 起立多数。よって、そのように決しました。
電子記録債権法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)
〔賛成者起立〕
○伊藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(発言する者あり)
ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)
〔賛成者起立〕
○伊藤委員長 起立多数。よって、そのように決しました。(発言する者あり)