2014年06月12日 第186回 通常国会 議院運営委員会 【792】 - 討論
秘密会設置法案に対する反対討論
2014年6月12日、衆院議院運営委員会で、衆参両院に秘密会(特定秘密の運用監視にあたる「情報監視審査会」)を常設する国会法改定案が、自民・公明・維新・みんな・結い5党の賛成多数で可決されました。日本共産党・民主・生活の3党は反対しました。議会制民主主義の根本に関わる法案を、与党はわずか2日間の審議で採決しました。
佐々木憲昭議員は、11日に引き続き、午前に開かれた参考人質疑、午後の対提案者質疑、反対討論に立ちました。
また、反対討論で、佐々木議員は、法案が戦後初めて国会に秘密会を常設する重大な内容でありながら、7時間で質疑が打ち切られたことに抗議。広範な国民の反対を押し切って昨年末に成立を強行した秘密保護法にしたがって、「監視機関」といいながら国会を政府の秘密保全体制に組み込むもので、「到底容認できない」と表明しました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、自公案、三党案、修正案、全てに反対の立場から討論を行います。
自公案は、戦後初めて国会に秘密会を常設する、極めて重大な法案であります。会期末になって自公両党が提出し、昨日から審議に入り、きょうの参考人を含め、わずか七時間で質疑を打ち切り、採決するなど、到底許されません。厳しく抗議するものであります。
反対する最大の理由は、この法案は、昨年末、広範な国民の反対を押し切って安倍政権が成立を強行した秘密保護法に従って、国会の委員会や国会議員が秘密を漏らさない厳格な仕組みをつくり、国会を政府の秘密保全体制に組み込むものだからであります。断固反対であります。
提案者は、政府の特定秘密を監視すると言いますが、国会がどんなに厳格な秘密保全の仕組みをつくっても、何を特定秘密にするかは秘密であり、国会に提出するかどうかも全て政府の判断次第というのが秘密保護法であります。
たとえ秘密が開示されても、情報監視審査会の審査は秘密会で、会議録は公開されず、委員ですら許可なく閲覧できません。秘密の開示を受けた議員は、その内容を国会の外で漏らせば刑罰に処され、国会質問で取り上げたら懲罰の対象となり、除名処分まで受けかねないのであります。
これは、憲法が保障する議員の発言、質問の自由を奪うものであります。
国会は、特定秘密体制にお墨つきを与えるだけでなく、政府の秘密体制にみずから取り込まれ、政府の秘密を国民の目から隠す、秘密の共犯者になってしまうのであります。到底容認できません。
国会は、主権者国民を代表する唯一の立法機関であり、国権の最高機関であります。
憲法は、国会に国政調査権を保障し、公開原則、議員の発言権保障を明記しております。国会は、国政調査権を行使し、政府に資料を要求し、日米安保の秘密を初め政治、行政の実態に迫り、政府監視の任務を果たすことが求められているのであります。
秘密保護法を前提にし、政府、行政の行為を国会の上に置いたのでは、国会はその憲法上の役割を果たすことはできません。
秘密保護法は、国民の知る権利を侵害し、日本国憲法の基本原則を根底から覆す希代の悪法であります。廃止を求める世論と運動は、成立後も広がり続けております。
今必要なことは、秘密保護法の廃止であります。国会を秘密保全体制に組み込むこの法案を強行することは、断じて許されません。
以上で反対討論を終わります。(拍手)