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雇用・労働 (非正規雇用)

2014年02月26日 第186回 通常国会 予算委員会第5分科会 【776】 - 質問

雇用促進住宅の民間売却は中止を、退去強要を批判

 2014年2月26日、佐々木憲昭議員は予算委員会第5分科会で、政府が雇用促進住宅の廃止と民間への売却を一方的に進めている問題を批判、「どこにも移れない住民を追い出すべきでない」と厳しく追及しました。

 雇用促進住宅は、国のエネルギー政策転換にともない、転職者、炭坑離職者を中心に入居していましたが、その後広く、職と住居を求める人々に提供されてきました。現在全国で5万7000戸、10万人を超える人々が住んでいます。

 佐々木議員は、雇用促進住宅がいまも派遣労働者や東日本大震災の被災者を受け入れるなど「駆け込み寺」として大切な役割をはたしていることを明らかにし、政府が新たな入居を受け入れながら、一方で「平成33年度までにすべての処理を完了する」との閣議決定を前提に、民間への売却と住民の退去を促進していることの矛盾を指摘。そのうえで「いま追い出されたらどこに行けばいいのか」という住民の切実な声を紹介しながら、「民間に売却したいから出て行け」というのが「正当な事由」にあたるかとただしました。
 岡崎淳一厚生労働省職業安定局長は、「法律(借地借家法)にのっとって対応するよう指示している」と、退去の強要が違法であることを事実上認めました。

 佐々木議員は、廃止を一方的に決められた住宅でコミュニティが破壊され、高齢者の「孤独死」や雨漏り・水漏れなどが続出している現状を告発、「廃止」の方針が形骸化している閣議決定を見直し、国がホームレスをつくるのではなく希望する人はすべて住めるようにすべきであると強調。
 田村憲久厚生労働大臣は、「そんなこと(追い出すようなこと)はしない。丁寧に対応したい」と答えました。

議事録

○佐々木(憲)分科員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょうは、雇用促進住宅の問題についてお聞きをしたいと思うんです。
 この住宅は、現在、多くの方々が住んでおりまして、生活の基盤となっております。まず確認をいたしますが、雇用促進住宅の現在の総戸数は幾らか、そのうち、現に入居されている戸数、入居者の数、これを示していただきたいと思います。
○岡崎政府参考人(厚生労働省職業安定局長) 25年12月末現在の数字でございますが、雇用促進住宅、住宅数としては1273ございます。戸数では12万1492でございます。そのうち、現に入居をされている戸数が5万6905でございます。
 ただ、借りられている戸数でしか把握していませんので、一世帯に何人入っているかまではちょっと把握しておりません。かつて調べたときでは、お一人の世帯もありますが、二人、三人入っておられるところもあるということでありますので、その状況を少し勘案して考えていただければというふうに思います。
○佐々木(憲)分科員 人数は正確な数字は把握していないそうですけれども、大体、2、3人が一つの世帯として入っている。そうしますと、十数万人が住んでおられる、こういうことになると思うんですね。
 これはかなり多い数でありまして、全体として、その中で高齢化が進んでいると思います。入居者のうちの高齢者の比率、これはわかりますか。
○岡崎政府参考人 少し前の調査で恐縮でございますが、平成18年に入居状況の調査をいたしました。その時点で、50から59歳が23・4%、60から69歳が10・8%、70歳以上が7%という数字でございます。
○佐々木(憲)分科員 かなり高齢者の方々が、この後も年を重ねているわけですから、いらっしゃるわけです。
 もともと、この雇用促進住宅というのは、戦後のエネルギー政策の転換ということで、石炭から石油へ、そういう政策転換に伴って、転職する方々の支援のために建設された住宅であります。当初は、石炭離職者を中心に入居をされていましたけれども、その後の制度改正などによって、幅広く、職と住宅を求める人々に提供されるようになってまいりました。とりわけ、2008年以降は、リーマン・ショックあるいは東日本大震災、これらへの対応として、多数の入居を認めております。
 例えば、2008年のリーマン・ショックのときは、大手企業が派遣労働者に対して派遣切りを行う、こういうことがありました。多数の労働者が職を失うと同時に住居も失う、こういう悲惨な事態が発生しまして、それに対応して、2008年12月12日に厚労省は、「解雇等による住居喪失者のための雇用促進住宅の活用について」、こういう文書を発出しまして、雇用・能力開発機構に向けて指示をしているわけであります。
 そこに、こう書いてあります。生活基盤の根幹となる雇用と住居を同時に喪失するという極めて深刻な状況が生じている、第一義的に住居を確保することが喫緊の課題であることから、今般、貴機構の所有する雇用促進住宅を緊急に、短期間の定期借家契約によって提供することにより、住居及び安定的な就労の機会の確保の支援を実施することとした。
 こういう文書を出していると思いますが、これは間違いありませんね。
○岡崎政府参考人 今先生からお話しいただきましたように、最初は炭鉱離職者の住宅から始まりまして、ずっと続いてきた。本来は、移転就職をする方のためでございましたけれども、今先生から御指摘がありましたように、リーマン・ショックが起きた際に、職とともに住居を失われた、そういうことからその措置をとりましたし、その後、東日本大震災の際にも、被災者の方にも同じような考え方で提供する、こういうことにいたしております。
○佐々木(憲)分科員 今言われたように、東日本大震災が発生した直後の2011年3月12日、震災の発生の直後、次の日ですね、このときは、「東北地方太平洋沖地震による被害に伴う雇用促進住宅の取扱について」、こういう文書が出されておりまして、ここには、雇用促進住宅を被災者の当面の住居の場として提供し、関係機関と連絡、連携をとりつつ、被災者の支援に全面的に協力を行うこととしたところである、このように記されているわけです。具体的なその体制も指示しているわけです。
 これは、大臣、大変大事な、雇用促進住宅はいわば駆け込み寺のような役割を果たしているわけですね。
 改めてお聞きしますけれども、平成20年、2008年から昨年末までの間に、雇用促進住宅への新規入居の戸数は何戸あるか、そのうち、東日本大震災の被災者や派遣切りに遭った人の戸数、これは幾らか、示していただきたいと思います。
○岡崎政府参考人 平成20年以降、新規に入居をされた総戸数は4万4962でございます。そのうち、リーマン・ショック等で住居をなくされた緊急一時入居者が9866、それから、東日本大震災の被災者の方が7668でございます。
○佐々木(憲)分科員 大変多くの方がこの住宅を利用されているわけです。この数字を見ただけでも、大臣、雇用促進住宅というのは大変役割が大きいと思うんですけれども、どのような感想をお持ちですか。
○田村厚生労働大臣 今委員がおっしゃられましたとおり、もともとの歴史は、炭鉱なんかの、要するに、職業がかわる場合に、移転という形で、雇用福祉上といいますか、そのような観点からこのような雇用促進住宅を整備してきたわけであります。
 それに対していろいろな声もあったわけでございますし、いろいろな閣議決定もあったわけでありますが、リーマン・ショックの折、委員おっしゃられたとおり、それまで社宅等々もしくは借り上げの住宅の中でお住まいの方々が、仕事を雇いどめもしくは解雇とともに、仕事もなくなれば住居もなくなるということで、これはどうするんだというようなお声をいろいろといただく中において、この雇用促進住宅を緊急的、一時的な住居として使おうじゃないか、そして東日本大震災のときに、災害対応向けの住宅として使おうじゃないかということで、今なお多くの方々が入っておられるわけでありまして、それが必要だという声は我々もお聞きをさせていただいております。
○佐々木(憲)分科員 私は大変重要な役割を果たしていると思いますね。現に十数万人が住んでいるということでありますから、例えば居住環境の整備も大事だと思いますよ。
 安全で安心な住宅にしていく努力、これは非常に大事で、例えば雨漏りするとか、あるいは水漏れだとか、空き部屋の割れた窓の修理ですとか、手すりのペンキ塗りとか、住宅のメンテナンスというのは大変大事だと思います、現に住んでいるわけですから。あるいは草刈り、これも大変大事でありまして、こういうこともきちんと責任を持ってやる、これは当たり前のことだと思いますが、どうですか。
○岡崎政府参考人 雇用促進住宅も、住宅としてお貸ししている以上は、持ち主、家主として必要な対応はする。したがいまして、耐震診断等もやらせておりますし、それから必要なメンテナンス、これは日々の関係で御本人が負担されるものもありますが、構造損害に伴うものについては国というか独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の方で対応する、こういう形でやっております。
○佐々木(憲)分科員 これはなかなか要望があっても対応がうまくいっていないとか、そういう話も聞きますので、万全な体制できちっとやっていただきたいというふうに思います。うなずいておられるから、そうしていただけるんだと思います。
 ところが、雇用促進住宅の役割が終わったとか、あるいは廃止するという話がありますが、私はこれはとんでもない話だと思っております。
 5年前に私は予算委員会で、当時、舛添厚労大臣だったんですけれども、質問しました。舛添大臣はこういう答弁をしたわけです。一方で退去を進めながら、片一方で困っている人を入れます、この二つの方針の整合性はどうなのか、今のような二つの矛盾をどう解決するか、鋭意検討を進めています、閣議決定の見直しということも含めて、全て検討させていただきたい、このように答えておられるわけです。
 この答弁は事実でしょうか、確認をしておきたいと思います。
○岡崎政府参考人 そういう趣旨の答弁をしたというふうに理解しております。
○佐々木(憲)分科員 廃止という話が出ていますけれども、現に人が住んでいるわけですね。この5年間で4万5千世帯もの人々を受け入れているわけであります。この今住んでいる十数万人の方に、出ていけということが本当に言えるのか。大変不安な声が上がっているわけなんです。
 例えば、三重県四日市市の住宅、ここでお住まいの方はこう言っているんですね、男性の方ですけれども。
 ようやく見つけたのが雇用促進住宅、そこも追い出されると、どこに頼ればいいですか。私は低所得で住宅ローンも組めない年収です。県も市も助けてくれない、国にまで放り出されたら、どこが一体助けてくれるんですか。正社員ではないので、半年ごとの契約で65歳まで働かせてくれる保証もありません。今追い出されたら死ぬしかありません。こういう深刻な声ですね。
 それから、岐阜県恵那市の住宅の方はこう言っているんです。
 入居時、何の説明もなかった。私はたまたま普通契約でありましたが、5年前に急に廃止の話があった、そのため入居者の半数以上が慌ただしく退去してしまった。空き室ばかりで不用心で困る。今は退去の要請が延期されているが、いつ退去を求められるのか不安でたまらない。
 これが住んでいる人々の多くの気持ちではないかと思うんですね。大臣、この声をどういうふうに受けとめますか。
○田村国務大臣 今、安定局長からも答弁がありましたけれども、平成21年2月25日の予算委員会で舛添大臣の方から、平成23年度までにおおむね三分の一を譲渡、廃止するという目標を変更し、これは大臣の答弁を踏まえですよ、住居喪失者に対しては雇用促進住宅の活用を図っておるわけであります。
 でありますから、退去等々、促進の取り組みに関しましては3年間延長をさせていただいておるわけでございまして、そういう声もお聞きをさせていただきながら、特にリーマン後、緊急一時的とはいいながら、まだおられる方々もおられます。それから、震災の対応向け住宅ということもありますので、そういうことも踏まえながら、今、3年間延長をさせていただいておるということであります。
○佐々木(憲)分科員 大体、この廃止の方針というのはどこから出てきたのかということなんですね。
 もともと小泉内閣時代の構造改革で、官から民へという規制緩和の流れがありまして、もとをただせばそこなんですけれども、小泉内閣の最初の段階ではまだ、地方自治体に譲渡するというのが基本的な方針でありまして、そして住んでいる人は追い出さない、これが基本の考えでありました。
 ところが、2005年12月の、オリックスの宮内会長が議長を務めた規制改革・民間開放推進会議、ここが出した規制改革・民間開放の推進に関する第二次答申、これがその廃止を加速したわけですよ。この答申は、30年かけて長期にわたって実行するということについては撤回して、従来やってきた地方自治体への譲渡という方針に加えて、更地にする、それを前提に入居契約を解消し、速やかに跡地を民間等に一般競争入札で売却する、非常に荒っぽい方針を出したんです。
 この方向に沿って、2007年6月の閣議決定で、遅くとも平成33年までに全ての処理を完了する、民間事業者のノウハウを活用し、売却を可能な限り前倒しできるようにする、こういうふうにしたわけですね。
 大臣、この方針というのは、厚労省が主導して提案したものじゃなくて、規制改革会議からの提案だったと思うんですが、いかがですか。
○岡崎政府参考人 一番最初は、平成13年の閣議決定、特殊法人等整理合理化計画からでございます。その際に、規制改革会議等々、いろいろなところで議論がされてきております。
 私どもも、現に入居者がいるということについてはその中で主張しつつ、どういう形で対応していくか、そして、そういう中で、ただ、相当古い住宅もある中でどういう形でこれに対応していくかということで、これまでやってきたということであります。
 したがいまして、今先生御指摘になられたようなところでいろいろな議論があったことも踏まえながら、何回かの閣議決定の改定がされてきた、これが事実というふうに思っております。
○佐々木(憲)分科員 経緯からいうと、厚労省が今持っている雇用促進住宅から、人が住んでいるのに、出ていけ、更地にするぞという方針を出すわけがない、大体、もともとがですよ。そういう役割を果たす省庁ではないと私は信じておりますからね。
 ところが、規制改革という名目のもとで、何か民間の関係者がその責任者に座った途端に、極めて乱暴な、国の財産は全部更地にして売り出せと。あのとき私も議論したんですけれども、ともかく評価するのも民間人、そして買うのも民間人、売るのも民間人みたいな、そういう仕掛けをつくろうとした、これはとんでもない話だ、そういうことで批判した覚えがあります。それはやはりもう一度見直す必要が今の時点であると私は思いますよ。
 今、各地で説明会と意向調査というのを実施しているようなんですが、そのやり方もいろいろ現地の声が出されておりまして、説明会の持ち方やそこで配付されている資料を、今資料はお手元にあるかもしれませんが、見ていただきたいんですけれども、表題は、この一番上に、「雇用促進住宅の入居者付き民間売却について」と書いてあるんです。民間売却、これは頭から民間に売却するという前提なんですよね。
 この中には、民間売却可の場合は、売却後8年間は現在の家賃水準が維持されます、こういう巧みな案内がありますが、しかし、売却後は民間に渡るんですから、何の保証もありません。民間が勝手なことをやっても、ではどうするのか、これはペナルティーがあるわけでもありませんしね。
 それから、民間売却不可という場合は、売却の手続を行うには皆様のおおむね三分の二以上の同意が必要、だから意向調査に協力をお願いしたいと書いてあるんですね。これを見ると、意向調査といいながら、民間売却を進めるための調査ではないかと思わざるを得ないわけです。
 当然、この出席者から、こんなやり方はあるかと疑問や怒りの声が多数出されておりまして、何で退去しなけりゃいけないのか、入ったときには何の説明もなかったじゃないか、だったら、かわりのところを探してくれ、いつも相談なく進めるのはけしからぬ、こういう怒りの声が出ているんですけれども、実際にこの文書を配っているのは事実ですか。
○岡崎政府参考人 雇用促進住宅につきましては、必ずしも民間売却だけをしているということではなくて、地方公共団体にも依然として受け入れの打診はしております。
 ただ、地方公共団体もいろいろな御事情でなかなか受け入れていただけない。その場合に、入居できる状態のままで民間に引き受けていただくことが一つの方法ではないかということで対応をしているということでありまして、必ずしもこれを強制するとかそういうことではなくて、幾つかのやり方があるということを説明するものとして使っているんだというふうに思っています。
 ただ、これは、実際には、業務をやっております高障求機構の方で作成した資料であろうというふうに考えております。
○佐々木(憲)分科員 大体こんな資料、何か民間売却だということを前提にしたような感じのものは、これはやはり手直しすべきだと思いますよ。厚労省は、そこまでちゃんと目を光らせてやらなければいけない。
 しかも、現地の説明の仕方がとんでもないんですよ。例えば、岐阜県恵那市のある住宅の場合は、こういう説明が行われた。
 アンケートの結果を踏まえて、7月ごろから専門業者に交渉や販売広告を出す、今後1年ほどかけて民間に働きかけていく、売れるかどうかはやってみなければわからない。売れない場合は空戸にして、平成33年には更地にして売却する。民間売却を了解されても売れない場合は退去してもらう、解体、更地などその手続に1年ぐらいかかるので、その所要期間を差し引いて空戸にするために、33年以前に退去してもらう。
 これは余りにも乱暴だと思うんですよ、こんな言い方をして。こんな言い方をするように厚労省は指導しているのか。誰がこんなことをやれと言っているんですか。
○岡崎政府参考人 説明の仕方そのものを指示しているわけではありませんが、これにつきましては、現に入居されている方々が大勢おられる、そういう中で、できるだけ不安に思われないような形で丁寧に説明するようにということで指導しているということでございます。
○佐々木(憲)分科員 つまり、今のようなやり方は厚労省が指示してやらせているわけじゃない、大臣、そういうことですよね。
○田村国務大臣 指示をしてやらせているわけではありません。
○佐々木(憲)分科員 現に住んでいる人に退去を求める場合は、借地借家法というのが一応ありますわね。正当な事由というのがなければ、そういうのはできないんですよ。
 現在の借地借家法では、正当事由というのは、一つは、貸し主、借り主が土地建物の使用を必要とする事情、二つ目、賃貸借に関する従前の経緯、三つ目、土地建物の利用状況、四つ目、立ち退き料の提供などを考慮して判断する、こうなっているわけです。
 正当事由がないと土地建物の賃貸借を終了することはできません。民間に売却したいから出ていけ、あるいは売却できるかどうかわからないけれども出ていけ、これは正当な事由には当たらないと思いますけれども、どう思いますか。
○岡崎政府参考人 仮に、民間売却に至らずに、その後どうするかということになった場合には、それぞれの時点におきまして、当然のことながら、法律に即した判断をしながら対応していくというふうに考えております。借地借家法等に違反するような対応は、要するに、言い方をかえますと、ちゃんと法律にのっとった対応はするようにというふうに指示をしているところでございます。
○佐々木(憲)分科員 売却できるかどうかわからないから出ていけというのは正当事由に当たりませんからね、どう考えたって。これははっきりしているんですよ。仮に、そういうことを説明して住民から集団的な訴訟がだあっと起こると、10万人もですよ、国は絶対に負けますから。ひとたまりもありません。
 一方的に廃止を決められた住民は結局どういうことになるのかというと、田村厚労大臣の地元、三重県にある住宅を紹介したいんですが、ここにはもともと五棟270戸あったんです。今では40戸まで減っているんですね。そのうち七戸は、派遣切りに遭った人が新たに住んでおります。
 ここでは、廃止方針のもとで大勢の人が出ていかざるを得なくなって、何よりもコミュニティーが破壊される。一棟は入居者が全くいなくなって、防犯上の都合から、窓側に一斉に板塀を打ちつけているんです。
 別の棟では、昨年、60代の男性が孤独死をしている、これが発見されました。何日も新聞がたまっているので配達の人が通報した、こういうことなんです。
 こういうような実情を御存じでしょうか。
○田村国務大臣 いや、直接は。今聞きました。
○佐々木(憲)分科員 現に、極めて深刻な状況になっているわけです。
 2年間の定期契約で入っている人はこう言っています。1年後か半年後か、いつ契約が解消されるのか心配だ、出ていけというのなら別の住居を保障してほしい、仕事もない、保証人もいない自分に新たに引っ越しせよと言われてもできない、死ぬまでここに住みたい、こう言っているわけです。毎年のように退去期限を先送りされて、あげくの果てに期限が来たら出ていけ、住民は強制的に追い出されるのか、今住んでいるところを追い出されるともう死ぬしかない、こう訴えているわけですよ。
 公営住宅に移ればいいじゃないかという話もありますけれども、大変難しいんですね。
 例えば四日市の市営住宅の場合は、抽せんの倍率は25倍から33倍、しかも数が少ないんですね。一戸募集しますとか二戸募集しますなんて、そんな状況で20人、30人がわあっと殺到するわけです。
 しかも、ひとり暮らしの高齢者は、市営、県営住宅に希望しても、二人以上という規定があって入れないんですよ、対象にならないんです。ですから、高齢者住宅の募集もあるけれども十倍から20倍の倍率になる。八回申し込んだが全部外れた、こういう人がいるわけです。
 これは、どこにも行けない人は一体どうするんですかね、期限が来たら。強制執行でもやるんですか。あるいは、電気、ガス、水道をとめて、家財道具を部屋から放り出して、住んでいる人を引きずり出す、こんなことをやるんですかね。それは幾ら何でもひど過ぎるんじゃありませんか、国がホームレスをつくるなんというのは。現に住んでいるわけだから。やってはならないと思いますけれども、どうですか、大臣。
○田村国務大臣 平成33年までに譲渡、廃止する、これは閣議決定でございます。まだ閣議決定は生きております、当然のごとく。
 でありますから、この中長期的な方針というものは撤回しているわけではございませんので、そのもとではありますが、今住んでおられる方々に無理やり出ていけということはできるわけがないわけでありまして、そこは、公営住宅、なかなか入れないという話もありますけれども、それに対するあっせんでありますとか、また退去に関する費用のお支払いであるとか、こういうことを提示しながら御理解をいただいて、この33年の閣議決定、これに向かって我々は対応してまいるということでございます。
 あくまでも丁寧に御理解をいただきながら対応していくということであります。
○佐々木(憲)分科員 33年が来ました、そのときに大量にまだ住んでおられるわけです。もう行き場がない。そういう場合、どうするんですか。強制的にできないでしょう。御理解を得るといったって、どこに行くんですか。行くところがない、そこしかないと言っているんですよ。だって、家賃は民間はもっと高いですから、何倍も。収入がない人はそこしか住めないと言っているんですよ。
 それは、やはり閣議決定も含めて、舛添大臣も答弁されましたけれども、現状を踏まえてもう一度全体像を再検討する、そういう方向に今踏み出さないと、無理やり突っ走っていったら大変なことになりますよ。そういう方向で見直すというのが当然だと思いますけれども、大臣、見解を伺いたいと思います。
○田村国務大臣 これは、閣議決定は閣議決定でございますので、まだ見直してもいないわけであります、当然のごとく。
 でありますから、33年という目標に向かって譲渡、廃止、これを進めていく。場合によっては地方自治体に譲渡ができるということもこれからあるかもわかりません。その場合に、33年というのはどうするんだと。これはやはり、先ほど来申し上げておりますとおり、丁寧に御理解をいただきながら、我々としてもいろいろな条件を提示して、この閣議決定実現に向かって努力はしてまいります。
 ただ、一方で、被災地三県、ここにも雇用促進住宅はあるわけでありますし、先ほど来申し上げておりますとおり、被災対応向けの住宅という役割もあるわけでありまして、そういう観点はしっかり我々は認識を持ちながら、閣議決定に向かって対応していくということであります。
○佐々木(憲)分科員 大体、その閣議決定に向かってというのがおかしいんですよ。閣議決定そのものをもう一度見直さないと、路頭に迷わせるんですか、住んでいる人を。ホームレスを国がつくるんですかという話なんだ。だめですよ、そんな答弁では。
 我々は、閣議決定そのものの撤回を求めます。住んでいる方は、希望をする方には住み続けられるように、そして、退去せざるを得ない方には同じ条件で国が保障する、そういうことをこれからも要望を続けてまいります。
 きょうは、田村大臣と直接こういう形でやりましたが、引き続き、この点については交渉を続けていきたいと思っております。
 以上で終わります。

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