2013年05月24日 第183回 通常国会 財務金融委員会 【739】 - 討論
金融商品取引法等の改定案に対して反対討論
2013年5月24日、財務金融委員会は、22日に引き続いて金融消費取引法等改定案について審議を行い、佐々木憲昭議員が質問に立ちました。
この日、金融商品取引法等の改定案は、日本共産党以外の賛成多数で可決しました。
採決に先立ち、佐々木議員は反対討論を行いました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、金融商品取引法等改正案に対して反対討論を行います。
本法案により創設される破綻処理制度は、本来、預金者を保護するために創設された預金保険機構の対象を、銀行だけでなく証券会社や保険会社にまで広げるものであります。さらに、その資金は、金融業界の自己負担を原則とはするものの、例外的な場合として、政府補助、つまり税金を投入する仕組みを法律上設けたことになるのであります。これは、何の責任もない国民に負担を転嫁するものであり、認められません。
そもそも、リーマン・ブラザーズの破綻等に端を発する金融危機は、規制緩和競争で投機的な金融商品を開発し、バブルをあおり、そのあげく、投資銀行等の破綻により国際的な金融市場を危機に陥れたものであります。それを規制せず、リスクが大きく自己資本比率規制などの規制が弱い証券会社などに過剰なセーフティーネットを用意することは本末転倒であり、金融機関にモラルハザードを生じさせかねないものであります。
2011年11月のG20カンヌ・サミットにおいて採択された報告書「金融機関の実効的な破綻処理の枠組みの主要な特性」で明らかなように、納税者負担を強いるベールアウトを廃止し、債権者や株主による損失負担、そして金融業界による破綻処理費用の負担を厳格にすることが国際的な潮流であります。
破綻処理費用について、イギリスは既に銀行課税を開始し、ユーロ圏は加盟国の合意形成の段階にあるとされております。このような制度こそ導入すべきであります。
公募増資インサイダー取引行為の規制強化、AIJ投資顧問事件を踏まえた規制強化など、不十分ながらも賛成できる内容もありますが、総合的に判断して、本法案に反対するものであります。