税制(庶民増税・徴税) (消費税, 法人税, 社会保障・税一体改革)
2012年03月08日 第180回 通常国会 財務金融委員会 【661】 - 質問
「消費税増税を法人税減税の穴埋めに回すことになる」と批判
2012年3月8日、衆院本会議で、一部の大企業への優遇措置が盛り込まれた租税特別措置法案と東日本大震災復興特別会計の改定法案が賛成多数で可決。日本共産党は反対しました。
本会議に先立つ財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、政府への質疑、総理ヘの質疑、討論に立ちました。
二つの質疑で、佐々木議員は、消費税に頼らず社会保障を拡充させる道へ転換するよう求めました。
佐々木議員は、一方で法人税を恒久的に5%減税することに関連して、減税に必要な財源8000億円はどこから出るのかと追及。安住淳財務大臣は「十分な財源を確保してやっていない」と認めました。
佐々木議員は、法人税減税のために一般会計で負担すれば「消費税増税を法人税減税の穴埋めに回すことになる」と迫ると、安住大臣は「いろいろな税収の確保を図る」とのべるだけで、否定できませんでした。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
五分しかありませんので、ピンポイントの質問をさせていただきます。
昨年の国会で、法人税の減税、恒久的な形でこれが行われました。我々は反対でありましたが、この減税は実質的に年間8千億円になります。同時に、3年間に限りまして臨時的に復興のための増税を行う。したがって、3年間はプラスマイナスとんとん、こういうことになりますが、この増税分は復興特会に入るわけですね。そうしますと、減税分の財源、これはどこから出るんでしょうか。
○安住財務大臣 今の御指摘は、ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則からいったらどうなんだということなんですが、今回のこのことに関して言えば、必ずしも十分な財源を確保してやったということではありません。新成長戦略の一環、それから我が国の企業の世界的競争の中での優位性の確保とかが私どもとしての判断だったと思います。そうした点では、思い切った措置を企業に対してとらせていただきました。
この法人実効税率の5%引き下げの影響を受ける平成24年度の予算においても、ですから歳出の徹底した見直し等により、中期財政フレームで定められた新規国債発行額44兆円や、歳出の大枠68・4兆円は遵守をしているというところでございます。
○佐々木(憲)委員 何かいろいろなことを言いましたが、要するに一般会計、基本的にはそこから出るということですから、全体として財政負担がその分ふえる、したがって、大きく言えば国民負担になる、こういうことであります。
仮に消費税が増税になりますと、その一部が結果的に法人税減税の財源の一部になる、こういうことですね。
○安住財務大臣 そうリンクはしていないと思います。
○佐々木(憲)委員 なぜですか。
○安住財務大臣 5%は社会保障の財源になるわけですね。ですから、そういう点では、企業に回るということではないと思います。
○佐々木(憲)委員 それは違います。
これまで一般会計で賄われていた社会保障の財源、この一部が消費税増税で置きかわるわけですね。そうすると、それで浮いた分が法人税の減税の一部に回る。だから、結果として、全体として見ますと、消費税増税の一部が法人税減税に回る、こういうことになるんじゃありませんか。
○安住財務大臣 一般会計の中で押し出されてそうなるのではないかという御指摘ですけれども、そうとも限らないと思います。
つまり、それは先生の、総枠の中で予算を、そこがへこめばそこにしわ寄せが行くじゃないかということですが、これから歳出削減をやったり、さまざまな税収を上げる、いわば新成長戦略をやったり、いろいろな意味で組み合わせて、税収の確保というものを図っていきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 全然説明になっていないんですよ。
要するに、法人税減税で8千億円の穴があくわけです。それを一般会計を中心に穴埋めするわけです。どこからお金が出るんですか。当然、国民負担になる。今回、消費税の増税で社会保障の全体の中の一部は置きかえることはできるけれども、しかし、その分、浮いた分がほかの財源に回るわけです。その財源が法人税の減税の財源として使われる。これが全体の財政の流れであって、財務大臣ともあろうものがそういう財政全体の流れをわからないというのは全然信じられない。
したがって、消費税増税にも我々は反対であるし、法人税の大企業中心の減税にも反対である。財源は別なところから持ってきて、社会保障を充実させなさい。
時間が参りましたので、以上で終わります。