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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業), その他

2011年08月11日 第177回 通常国会 本会議 【631】 - 討論

特例公債法案 反対討論「自公に“魂”売り渡す」と批判

 2011年8月11日、2011年度予算の財源となる赤字国債発行のための特例公債法案が衆院本会議で民主、自民、公明などの賛成多数で可決されました。日本共産党、みんなの党は反対しました。

 反対討論に立った佐々木憲昭議員は、予算は大企業・大資産家に2兆円減税を行う一方、社会保障の抑制と後退に踏み出すものだと指摘。3党合意で子ども手当の廃止などさらに改悪されようとしており、そうした予算に赤字国債発行は認められないと強調しました。
 子ども手当は、所得制限を設け、年齢や出生順位で金額が異なる児童手当に戻ることは明らかであり、支給額減額で子育て世帯に負担増を押し付けるものだと強調。子ども手当を特例公債法案の取引材料にもてあそんだだけだと批判し、「魂の結晶」とまでいっていたマニフェストを投げ捨て、自公政権時代に戻るなら「魂」を売り渡したとしかいいようがないと述べました。

 自民党の石破茂議員は子ども手当が廃止されるから賛成だとのべ、高校無償化も見直しを要求。公明党の竹内譲議員も「子ども手当は廃止された」とし「3党合意の誠実な履行を強く求める」と悪政大連立の推進を求めました。

 特例公債法案は、前日の財務金融委員会で、菅直人総理が出席した質疑討論・採決が行われました。

議事録

○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、特例公債法案に反対の討論を行います。(拍手)
 もともと、本法案は、今年度予算の財源を確保するためのものであり、本予算と一体のものであります。
 本予算の根本問題は、一方で、新成長戦略に基づき大企業、大資産家に約2兆円もの減税を盛り込むなど大盤振る舞いを行いながら、他方で、医療、介護、年金、福祉などの社会保障分野について、総じて抑制と後退の方向に踏み出したものとなっていることであります。
 日本共産党は、国民本位の抜本的な予算組み替え案を提案し、本予算に反対の態度をとりました。本予算を支える赤字国債発行法案に対しても反対の態度をとるのは当然のことであります。
 重大なのは、民主、自民、公明の三党合意によって、子ども手当を廃止するなど、本予算が一層改悪されようとしていることであります。国民の暮らしの基本にかかわる問題を三党だけで協議し、その結論を国会に押しつけるというやり方は、国会の民主的運営を否定するものであります。初めに、この点を厳しく指摘しておきます。
 子ども手当の廃止について、民主党の岡田幹事長は理念は変わっていないなどと述べていますが、何の反論にもなっておりません。
 もともと、民主党の説明によると、児童手当は、家庭における生活の安定に寄与することが特徴とされ、そのため所得制限があり、年齢や出生順位により金額が異なっていたのであります。
 これに対して、子ども手当は、社会全体で子供の育ちを支えるものであり、所得制限をなくし、一人一人の子供に同額の手当を支給するものであります。
 民主党のこの説明から見ても、今回の合意は、子ども手当を放棄し、児童手当に戻したことは明らかであります。その上、現行の子ども手当の支給額1万3千円が1万円に減額される世帯が生まれ、少なくない子育て世帯に実質負担増を押しつけることになるのであります。
 日本共産党は、保育園整備などの現物給付と現金給付のバランスをとり、総合的に子育て支援に取り組むよう主張してきました。この議論こそ、やるべきであったのであります。
 ところが、昨日の財務金融委員会での質疑で明らかになったように、三党協議で子育て支援をどう総合的に進めるのかという議論をした形跡が全くなかったのであります。子ども手当を、特例公債法案の取引材料に使って、もてあそんだだけだったのであります。
 自民、公明両党は、民主党に対して、一つ譲れば二つ譲れと言い、二つ譲れば三つ譲れと言って、マニフェストの完全放棄を迫りました。マスコミは、三党合意を見て、民主党はついに白旗を掲げたと書きました。
 我々から見ても、民主党のマニフェストには無駄な部分もあります。しかし、子ども手当や高校授業料無償化などの生活関連政策も含まれております。これらが後退することは、容認できるものではありません。
 岡田幹事長は、前回の総選挙の際、民主党のマニフェストは魂の結晶だと言っていたのであります。
 民主党に問いたい。国民の生活が第一という理念は、一体どこに行ったんでしょうか。政策のすり合わせで自公政権時代に戻ったら、魂を売り渡したとしか言いようがないではありませんか。
 東日本大震災からきょうでちょうど五カ月であります。亡くなられた方は1万5689名、行方不明者が4744名も残されております。また、多くの被災者が、この猛暑の中で不自由な避難生活を強いられ、あすの暮らしが見えない状況にあります。
 求められているのは、地震、津波や原発事故で破壊された被災者一人一人の生活基盤を再建すること、そのために必要な支援を迅速かつ具体的に行うことであります。政府と国会は、そのために全力を集中すべきであります。このことを指摘して、反対討論といたします。(拍手)

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