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金権・腐敗政治 (KSD問題)

2000年11月29日 第150回 臨時国会 大蔵委員会 【121】 - 質問

KSD会員を金融機関がノルマを設け組織的に勧誘 証拠を示した追及に、大臣も調査・厳正な対処を約束

 2000年11月29日、大蔵委員会で、佐々木憲昭議員は、独自に調査をして、金融機関がKSD(中小企業経営者福祉事業団)の会員を組織的に勧誘していたという証拠を明らかにしました。佐々木議員は、10月23日に倫理選挙特別委員会でもKSD問題を取り上げました。
 KSD汚職が社会を揺るがす中で、業者のみなさんから「金融機関からKSDの加入を勧められた」との証言が、たくさん寄せられています。本来金融機関は、法律で規定された本業以外の業務が禁止されています。KSDの会員勧誘は、違法行為です(他業禁止規定違反)。
 佐々木議員の追及に、相沢英之金融再生委員長は「初めて見る資料だ」と問題点を認め、実態調査を約束しました。

 佐々木議員が示した証拠資料の1つは、KSDの「会費預金口座振替届出書」。
 この用紙には「この届出書をもって財団法人KSD中小企業経営者福祉事業団加入申込書に代えます」と記載されています。口座振替を届け出たと同時にKSDに加入したことになるしくみです。
 もう1つの証拠資料は、「『KSD特別推進』の実施について」と題した信用金庫の内部文書。
 金融機関が支店ごとに会員獲得の「特別推進期間」やノルマを設けていること示すもので、この中には、「KSD側が口座振替届出書やハンドブックを用意し、直接全店に配ると書いてあります。

 「金融機関が本来の業務でない他団体の会員募集をするのは、銀行法や信用金庫法違反ではないか」とただす佐々木議員に対し、金融庁の高木祥吉監督部長は、「銀行の営業全体として総合的に判断する」と答弁。野党議員から「ひどい答弁だな」と声が上がりました。

 佐々木議員は、さらに「金融機関は『口座振替基本手数料』や『保有維持協力金』という名目でKSDから会員獲得の対価を得ており、事件が発覚した後に証拠隠しの文書まで出している」ことを明らかにし、実態調査を要求。
 相沢金融再生委員長は、実態調査を行い、「違反事実が確認できれば厳正に対処したい」と答弁しましました。



 この調査結果は、01年1月30日に、金融庁から佐々木憲昭議員に明らかにされました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団と金融機関の関連についてお伺いをしたいと思います。
 KSDは中小企業経営者の災害補償共済制度として出発しながら、その資金の一部が不正に使われて自民党にも流れていた重大な事件であります。KSDの古関忠男前理事長は業務上横領で逮捕され、現在取り調べを受けております。KSDは会員100万人を超える大組織でございます。問題は、どのような方法で会員勧誘を行ったのか、ここに金融機関が深くかかわっていた疑いがあります。
 そこで、議論の前提としまして、銀行法や信用金庫法には本来の業務が定められておりまして、それ以外の業務を行うことは禁止されております。いわゆる他業禁止でありますが、これに違反した場合、どのような処分、罰則があるでしょうか。
○高木政府参考人(金融庁監督部長) お答え申し上げます。
 他業禁止規定に違反した場合には、罰則といたしまして、当該金融機関の役員等に対しまして、信用金庫の場合ですと過料100万円以下、それから信組の場合ですと20万円以下の過料が科され……(佐々木(憲)委員「銀行は」と呼ぶ)銀行の場合も100万円以下の過料でございます。
 それから、行政処分といたしまして、業務改善命令等の対象になるということでございます。
○佐々木(憲)委員 他業禁止に違反した場合の罰則の目的は、金融機関が本来の業務に専念する、そのことによって効率性を確保し、リスクを回避するということだと思うわけであります。
 金融庁にお伺いしますけれども、他業禁止規定の違反という場合、その判断基準、どのような基準で判断をされるのか、お答えをいただきたい。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 一般的には具体的な事実関係に即して判断する必要があるわけでございますが、一般論といたしましては、金融機関の勧誘が積極的に行われるものであって、組織的、集団的に反復継続して行われており、かつ、対価あるいは営利行為として対価を得て行っているということが明らかであるような場合には、他業禁止に違反する可能性が高いということでございます。
○佐々木(憲)委員 私どもは、いろいろと事実関係を調査してまいりました。中小企業、中小業者の方々にお聞きをしますと、多くの方が、KSDへの入会は金融機関から勧められたと言うわけであります。実際、KSDは、1979以来、金融機関と業務提携を結びまして、金融機関に会員勧誘を行わせております。KSDの広報部が明らかにしたところによりますと、自前の営業だけでは会員獲得に限界があるので、金融機関と二人三脚でやってきた、こういうふうに言っております。
 そこで、最初の資料を配っていただきたいと思うわけですが、ここにありますが、平成11年度のKSDの事業報告書でありますが、ここには、「会費の取扱い金融機関数は518」、内訳は「都市銀行九行、地方銀行45行、第二地方銀行41行、信用金庫232金庫、信用組合191組合となった。」と書いております。大変広範な金融機関と提携を結んでいるわけであります。
 そこで、お配りをしたのは「KSD会費預金口座振替届出書」というものであります。これは現物はここにございまして、こういうもので、KSDの入会御案内とセットになっているものであります。これはKSDの会費を預金口座振替という方法で払い込むための申込書でありますけれども、これを金融機関の店頭に置いたり従業員が持ち歩いて勧誘しているわけでありますが、問題はこの届出書にこう書いてある点であります。拡大をしたのが三枚目にございますが、「この届出書をもって財団法人KSD中小企業経営者福祉事業団加入申込書に代えます。」こうなっているわけですね。つまり、この届出書に書き込みますと自動的にKSDへの入会申込書を書いたことになる。
 そして、後で会員証というのが送られてまいります。皆さんにお配りしておりますけれども、こういうものでありますが、その会員証を送る際にこういうふうに書かれているわけですね。「このたび○○信用金庫○○支店より、ご加入いただきありがとうございました。」こういうふうになっているわけであります。
 つまり、金融機関が単独でKSD会員を募集しているということであります。これは明らかに本来業務ではない。ほかの団体の会員募集を行っている。これは他業禁止規定に違反しているのではありませんか。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 こういう申込書といいますか、こういうものも一つの参考資料ではございますが、こういうものを使ってどういうふうに勧誘したか等々具体的な事実に即して判断する必要があるというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 では、どのような方法でやってきたかについて示したいと思います。次の資料を配付してください。
 これは、今配付をいたしますが、ある信用金庫の内部文書でございますが、「発信者 営業推進部長」となっております。「内容」は「「KSD特別推進」の実施について」というものであります。「標記について、「平成11年度基盤商品年間推進計画」に基づき下記の通り実施しますので、特別増強期間として推進願います。」こういうふうに書かれております。そして、「特別推進期間 平成11年8月2日から9月30日」、こうなっております。「店舗目標 7月末日現在の営業課職員数×七件とします。」つまり、一人で七件拡大しなさいと。「ただし、テリトリーを持つ女子職員は、0・5人とします。」「カウント方法」、こういうふうに書いていますね。
 それから、問題はこの「募集ツール」のところでありますが、「KSDは次のツールを用意し、直接全店に送付します。」つまり、KSDから直接信用金庫に送られてくる。何が来るか。先ほど示しました「預金口座振替届出書」、これはパンフレットつき、「目標数×二部」。「お取扱いハンドブック 営業担当者数+二部」、「会員台帳」、「KSD十大メリット 十部」、こういうふうにして、これは組織的に行われているということは明らかであります。これは明らかに、どこから見ても処分対象になるんじゃありませんか。いかがですか。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 確かに先生御指摘のように、今ちょっとこれは初めて拝見したものですからあれなんですが、こういうことでやっているということであれば、ある意味では要件に該当する可能性はあると思いますが、いずれにいたしましても、個々のケースに応じて、さっきも申し上げましたように、営利の目的を持って組織的、集団的に反復継続しているか。例えば、営利の目的一つとっても、確かに理屈の上では営利であっても、そのトータルがその銀行の営業全体として意味あるほどの収入であるかどうかとか、そういったことをやはり総合的に、事実をきちっと見て判断する必要があるというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 こんなものを利益がないのにやるはずがないのです。
 二枚目を見ていただきたいのです。
 これは、推進項目の目標が書かれていまして、エリア、店番、店名がずっと書かれている、これは消してありますが。ここに各店ごとに目標の数字が出されております。まさに組織的にこれは行われているわけでありまして、毎年1、2回やっているという話もありますから、反復継続して行われていることは明らかであります。しかも、不特定多数、中小企業であればだれでもどうぞお入りくださいと不特定多数に勧誘をしているわけでございます。
 しかも、対価という面で申しますと、KSDからはっきりと対価を得ております。会員一人獲得すると報奨金3千円、口座振替基本手数料という名目で支払われております。KSDから支払われた報奨金は、3年間で9億9千万円に上っている。全信協、全国信用金庫協会の調査によりますと、信用金庫だけで、昨年度だけで1億4200万円がKSDから支払われております。その資料を我々はもらっております。それでもまだ足りないというので、KSDは、昨年度新たに保有維持協力金という名目の報奨金までつくって会員獲得を推進しておりました。このことは事業報告書にはっきりと書かれております。金融機関は明らかに対価を得てやっているわけであります。
 これはまさに、先ほどおっしゃいました、不特定多数を対象とし、組織的、反復的に行い、対価を得ていた、こういう証拠になるのではありませんか。処分の対象となるのではありませんか。いかがですか。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のような点も踏まえて、今いろいろ調査をしているところでございます。それで他業禁止規定に違反するようなことがあれば、法律に従って厳正に処分したいというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 相沢金融担当大臣にお伺いしますけれども、KSDと業務提携をしておりますのは、都銀、地銀、第二地銀、信金、信組、すべての業態にわたっております。そして、このすべての業態でこういうことが行われている、そういうふうに予測されるわけであります。したがって、実態調査を行っていただいて、その結果を当委員会に報告し、厳正な処分をする、こういうことをお約束いただきたい。
○相沢金融再生委員会委員長 きょう、こちらに拝見しました文書は、私は初めて見るものばかりでございます。
 今、佐々木委員の御指摘がございましたが、私は別に弁明するわけではありませんが、金融機関が預金の獲得の業務と全く無関係のことをしているわけではない。ただ、やり方が、おっしゃるように、他業禁止の規定あるいは考え方に違反しているかどうかということが問題だろうと思います。
 したがいまして、よく金融庁にも言いまして実態を調査して、もし他業禁止規定に違反するような事実が明らかになりました場合には、厳正に対処したい、このように思っております。
○佐々木(憲)委員 これは会員を拡大しなければできないものであります。つまり、会費の振替をする口座をつくるわけですから、会員に対して口座をつくってくださいと言っているのではないのですよ。全く会員でもない方に会員になってもらうということを前提として、つまり会員拡大を同時にやっているわけですから、KSDの会員拡大をやる、それをKSDの資料を使って、材料を使ってやっているわけですね。ですから、これは明らかに法令違反なのですよ。
 ばれた後にどういうことをやっているか。ここにありますが、KSD口座振替業務についてという指示が出ているのです。これはある金融機関のものですけれども、金融機関の店頭に入会の御案内、会費預金口座振替届出書、先ほど示したこれです。これがあることは勧誘活動と関連づけられる懸念があるので、カウンターを点検し、ないことを確認すること、営業係も同様である、こういう指示まで出して、金融機関が法令に触れていることをみずから自覚しているからこんなことをやるわけですよ。つまり、これは証拠隠しなのであります。こういうことが明確なわけでありますから、実態を調査し、厳正に処分するというのは、これは当たり前であります。
 こういう金融機関による会員勧誘というのは、KSDの会員勧誘の中で大変大きな位置を占めているわけであります。つまり、KSDがみずからやらずに金融機関に会員拡大をさせている。KSDの事業報告書では、これを見ますと、「銀行推進」、「金融機関推進」と明記をしまして、KSDの独自の推進と会員拡大とは区別して扱っております。平成11年度では、金融機関推進が加入者の9割を占めております。そういうことも事業報告書に書かれております。しかも、重大なのは、こういう点を金融庁はまともに今まで調べてもいない。
 私は、ここまで資料を出しましたので、直ちに実態を調査し、厳正処分をやっていただきたい。もう一回、大臣のはっきりした答弁をいただきたい。
○相沢金融再生委員会委員長 金融機関が預金を獲得するためにいろいろなことをするのは当然なことでありますけれども、今おっしゃるようなことにつきましては、いろいろと問題点があるように思いますし、先ほど答弁いたしましたように、この実態につきましては、よく調査いたしまして、他業禁止の法律に違反するような事実が確認できれば、厳正に対処いたします。
○佐々木(憲)委員 私はこれは非常に重大だと思っておりますのは、中小業者の皆さんは、労災という制度が以前にはなくて、こういう中小企業の災害を補償する共済制度としてつくられたわけです。中小業者の皆さんは毎月2千円という会費を払い、年間2万4千円、その会費が不当に使われる。会員拡大を銀行がどんどん独自にやって、その結果、いわば金融機関はKSDの手足に使われてきた。そして、本当に必死で納めている中小業者の会費の一部が不正に使われる。しかも、それが自民党に献金もされているなど、こういう状況が明らかとなっているわけでありますから、私は、この問題にとどまらない重大な問題になっている、徹底的に調査をして厳正な処分を行うということを、繰り返しになりますけれども要望して、質問を終わります。

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