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財政(予算・公共事業), 金権・腐敗政治, 景気回復 (道路特定財源, 機密費)

2001年06月05日 第151回 通常国会 財務金融委員会 【131】 - 質問

塩川財務大臣「道路特定財源の見直しと一般財源化」を表明、機密費でおとぼけ証言を繰り返す

 2009年6月5日の財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、公共事業のなかでも占める割合が大きい道路事業費とそれを支える道路特定財源の見直しを要求しました。
 また、佐々木議員は、機密費でおとぼけ証言を繰り返す塩川財務大臣を追及しました。

塩川財務大臣「道路特定財源の見直しと一般財源化」を表明
 道路特定財源といわれるなかで、揮発油税とガソリン税は、戦後直後は一般財源であったものが、1954年に故田中角栄議員の提案で「暫定的、緊急的措置」として特定財源とされたものです。
 また、1971年につくられた自動車重量税は、「もともと使途を特定しない一般財源」であったにもかかわらず、田中角栄氏の一声でその8割を道路にあてることが決められ、以来30年間も続けられています。
 佐々木議員は、このような経緯を指摘し、「一般財源にするのは当たり前ではないか」と、塩川財務大臣に迫りました。

 塩川大臣は、「暫定的というのは暫定期間がきたらぷつんとやめてしまうという意味の暫定ではなく、これからも継続するがとりあえずの制度として発足したもの」「平成14年度までは法律によって使途が特定されているので(一般財源化は)できない」と答弁したうえで、道路5ヵ年計画が新しい段階に入る平成15年度以降においては「特定財源のあり方を変えていって、でき得れば一般財源にしていきたい」と一般財源化の意向を明らかにしました。

 佐々木議員は、法律によって道路に使うと決められていない自動車重量税については「その気になれば来年度から直ちに一般財源化できる」と重ねて追及。塩川氏は、「2割は一般財源にあてることができる」とした国会の合意を「有効に利用したい」と表明しました。

「公共投資基本計画」の見直しに「私も賛成」と塩川財務大臣
 佐々木議員は、「630兆円に上る公共投資基本計画はムダと浪費の公共事業を膨らます大きな要素となっている。全体の公共投資縮小という方向であれば、基本計画そのものを見直すべきだ」と塩川財務大臣にただしました。

 公共投資基本計画とは、アメリカの対日要求を受け入れて策定されたもので、現在の計画は、1995年度から13年間で630兆円の公共投資を行うものです。国民の必要から事業計画を積み上げてつくられたものではなく、“総額先にありき”で決められた、ムダと浪費の公共事業の自動拡大装置と言えるものです。今日の財政破たんのみなもとになっています。

 塩川大臣は、佐々木議員の追及に対し、「おっしゃるような趣旨は私も賛成でございます」と、基本計画の見直しに賛同。そのうえで、経済財政諮問会議の結論を待って「公共事業ならびに福祉事業のバランスの変更を考えてみたい」と述べました。この質問は、新聞各紙で大きく取り上げられました。

大臣就任後のインタビューを「覚えがない」 機密費でおとぼけ証言を繰り返す塩川財務大臣
 機密費を“野党対策に使った”というみずからの証言に知らぬ存ぜぬを通す塩川正十郎財務大臣。佐々木議員の質問に対し、1週間前に放映された民放のインタビューの発言を再び「覚えがない」「記憶がない」と言い逃れました。

 この日の委員会で佐々木議員は、塩川大臣が財務大臣就任後のテレビ朝日系番組「ニュースステーション」(5月28日放映)で、機密費に関するテレビでの証言を否定している理由を、「僕は、政府の一員になったんで、もういっさい言えません」などと語っていることを問題にしました。
 佐々木議員は、番組中の塩川発言をテープから起こし、活字にして委員会資料として配布しました。
 塩川大臣は資料に目をおとしながら、「私はインタビューには応じてませんよ」「これ、いつ撮ったのでしょうか。私は覚えてませんよ」と繰り返す始末。とぼける姿に野党席から怒りの声が飛び交いました。
 「あなたが大臣になってからの発言だ。これさえもおぼえていないのなら大臣として務まるのか」と迫る佐々木議員。結局、塩川大臣が同番組のビデオを見たうえで、6日の委員会で再び答弁することになりました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、塩川財務大臣にお聞きをしたいと思います。
 5月16日の財務金融委員会での大臣所信に対する質問で、私は消費の問題を取り上げました。景気後退を食いとめて新たな拡大軌道に乗せていくという上で、GDPの6割を占める個人消費というのは非常に重要であるということで、これを支援するというのは決定的に大事な対策だというふうに思います。
 このことに関連して、個人消費を支援するという明確な御答弁はどうも余りお聞きしなかったんですけれども、そのとき大臣は、家計の問題について、従来は食料が家計の重圧だった、現在では食料とか衣料、生活の基本的な支出というものは安定した状態で推移しているというふうにおっしゃいました。しかし、食料や衣料の支出というのは安定しているというふうに言えるのかどうか。
 配付した資料を見ていただきたいのですけれども、総務省統計局の家計調査報告というのがございます。この家計調査報告によりますと、そこにありますように、全世帯をとりますと10年間で消費支出はマイナス5%であります。これに対して食料はマイナス12・5%、10年間ずっとマイナスなんですね。
 それから、被服及び履物、衣料の関係はここに入りますが、これは実に35・8%のマイナスであります。これに対して、水道・光熱、保健医療あるいは交通・通信、公共料金的な支出の負担の方はずっとふえている。これが現実の姿だというふうに思うのです。
 二枚目をあけていただきますと、総務省の統計局のコメントが下の方に載っておりまして、「一世帯当たりの消費支出のうち、「食料」と「被服及び履物」はそれぞれマイナス1・7%、マイナス6・8%の実質減少となり、いずれも現行の調査開始(昭和38年)以降で最長となる10年連続の実質減少となっている」、こういうふうに指摘をしているわけであります。
 ですから、塩川大臣が食料と衣料は安定した状態で推移していると御答弁をなさいましたけれども、これは事実と違っていると思うんですね。ですから、あの答弁はきちっと訂正をするというのが正確な対応だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩川財務大臣 食料、衣服等は下がっている、非常に結構なことだと思います。このように下がってきておるということは、やはりこれは物価が下がってきておることだと思っておりまして、その点におきましては、家庭の中では、むしろ、これは上がったら不安定ですけれども、下がってきているということは家庭も落ちついているという意味で、安定という言葉がいいかどうかはわかりませんけれども、家庭も安心しているという意味にとれる。
 そして、逆にこれを見まして、競争原理の働かない光熱・水道費とか医療というところは、医療はまた違いますけれども、まあ、別ですけれども、水道・光熱費、それに交通・通信、こういう競争の働かないところは異常に高いということは、やはりここらの改革が必要なところだろうと思っております。
○佐々木(憲)委員 私は、全然認識が違うと思うんですね。これは実質で出しているんですよ。ですから、消費支出全体として消費を実質的に減らしているという意味なのです。その中でも、食料の消費支出がずっと減り続けている、衣料の関係も大幅に減っている。ですから、家計が大変苦しいわけですから、当然、サラリーマンの背広、スーツはなかなか買わないということを示しているわけで、真っ先にそういう点にしわ寄せが行っているわけですよね。
 ですから、結構というふうにはなかなかこれはいかないんじゃないでしょうか。やはり、この点にしわ寄せが行っているというのが正確な認識だと思うのです。したがって、安定しているんじゃなくて、これは下がっている、そういうことだというふうに見る必要があるんじゃないでしょうか。
○塩川財務大臣 私は、この表から見ましたら、やはり食料なんかが過去10年、相当値段が下がってきておるように思いますし、それから、被服なんて、ユニクロなんというのが出てまいりましたから、我々も想像以上の値下がりがございまして、要するに、こういうふうなものが、物価の値下がりが家計支出の面においては非常に顕著にマイナスとして出てきておる。
 食料にいたしましても被服にいたしましても、それなりに生活に必要な分は十分に摂取しておるように思っております。消費支出の中で、この表の中に出ておりませんけれども、教育費だとか一般娯楽費、教養費というのが異常に上がっております。異常に上がっておることは、やはりこれが家計を苦しくしている一つの大きい要因だと私は思っておりまして、そういう点を総合的に見ましたら、1991年から2000年のこの10年の間に家計の構造というものが随分と変わってきたということの一つの実証ではないかと思うのであります。
○佐々木(憲)委員 確かに、教育とかあるいは公共料金関係、こういう点の負担は非常にふえているのです。しかし、衣料関係、食料関係というのは、いわばずっと抑えられてきている。そういうふうに見ないと生活の実態というのは正確につかめないんじゃないか。そういう点で、大臣の感覚にどうもずれがある、どうも庶民性が感じられないというふうに私は思うわけであります。そういう実態を正確に踏まえないとなかなか議論が成り立たないと思うわけです。そこで、家計消費というのはGDPの6割を占めているわけで、この点は大変重要だという認識はされていると思うんですね。
 今回の緊急経済対策、この緊急経済対策にはどのように書かれているかといいますと、
 生産・企業収益が回復し、民間設備投資も持ち直しを示すようになった。
  企業部門のこのような復調は、本来ならば家計部門の回復をもたらし、自律的景気回復に向けた好循環の端緒となるはずであった。しかし、企業部門の復調にもかかわらず、所得・雇用環境の改善は遅れ、個人消費の回復は見られていない。
 このように指摘をされているわけですね。
 したがって、今は景気対策の上で個人消費の回復というのが非常に重要な役割を果たす、これはこの前文に書かれているとおりだと私は思うのです。
 そうしますと、この政府の緊急経済対策の中に、こういう前文の認識ですから、対策の内容としても、個人消費を支援する、家計を支援する、こういう内容が盛り込まれて当然だと思いますけれども、それはどういう形で盛り込まれていますか。
○若林財務副大臣 委員が御指摘のように、企業部門が元気が出てきたにもかかわらず、どうも消費の方が不活発だ、伸びない、それが全体の景気回復の足を引っ張っている、おくれている、そういう認識については委員のおっしゃるとおりでございますし、緊急経済対策における基本認識もそういう認識でございます。
 個人消費がなかなか伸びないということの原因としては、いろいろ言われますけれども、基本的には、厳しい雇用の情勢に加えまして、やはり国民の多くの方々が将来への不安を感じているということが影響しているものだと考えております。したがって、個人消費を拡大していくためには、雇用面の改善、適切な対応が必要なことはもちろんでございますけれども、同時に、各般にわたる構造改革を実行する、そして先行きについて明確な展望を持ち得るようにするということが必要だという基本認識に立っております。
 先般策定されております緊急経済対策におきましては、この雇用面のセーフティーネットを整備するための施策を各種織り込むことによりまして、その効果的な実施を図るということにいたしておりますが、同時に、構造面としては、金融の再生と産業再生を図りまして、また証券市場の構造改革を図るとか、あるいは都市再生を図っていくといったような解決策を盛り込むことにより、また、その着実な実行を通じまして我が国の経済の構造調整を推進する、そのことが今後の経済成長のもとを築くことになるという期待のもとに、このような諸対策を講ずることとしております。
 このような緊急経済対策による取り組みというものが雇用の改善に資するとともに、我が国の経済の見通しにつきまして、将来につきまして信頼の回復が得られ、そのことが家計マインドにも好ましい影響を与えていくんだろう、こんなふうに考えて策定をしたものでございます。
○佐々木(憲)委員 なかなかこれは苦しい答弁で、さっぱり要領を得ないわけですね。つまり、雇用の改善に資するといいますけれども、今度の対策は倒産、失業がふえるということをお認めになっているわけでありますから、改善に資することにならないんじゃありませんか。しかも、セーフティーネットというけれども、それは失業が生まれるからそれに対応するというものであって、私が聞いた質問に対しては全然答えていただいていないわけであります。
 塩川大臣、この緊急経済対策の中に、個人消費を直接支援する、刺激する、その中身はありますか。私はないと思うのですが、いかがですか。
○塩川財務大臣 個人消費を刺激する直接の対策は盛り込まれておりません。が、しかし、個人消費は、私は堅実に推移しておると思っております。ただ、統計上出てまいりますものと実態とはかなり違ってきておる。
 私は、実は、消費者物価指数だとかそれから消費係数だとか、そういうようなものの統計のとり方が、この数年の間に物すごい世の中が変わってきておるから、やはりそのファクターも、考え直さなきゃならぬ点が相当あるのではないかと思っております。
 ですから、現在政府がやっております統計そのものは、数年前からのをずっと、いわゆる連続として見ておりますからそれなりの評価はしておりますけれども、私は、もっと新しいファクターの入れ込みをして、正確なものをとり直してもいいんじゃないかと思っております。
○佐々木(憲)委員 直接個人消費を刺激するものは盛り込まれていないと。私もそう思うのですよ、これは。ですから、本当に経済対策になるのかどうかという根本的な疑問を私は覚えるわけです。統計上も、どうも何か統計を信頼しないような御発言ですが、これはどうでしょうね、統計にはあいまいな点ももちろんあるわけですけれども……
○塩川財務大臣 いや、私は、統計を信用しないと言っていないんです。もっと現実的に、現在に合った統計のとり方があるのではないかと。例えばですよ、ちょっと待ってください、例えば流通の関係一つ見ましても物すごい変わってまいりまして、直接産地購入というのが出てまいります。そういうようなものは統計上どのように出てきておるのか、私はちょっと疑問に思うようなこともあるんです。
 それから、これだけ家計が苦しい、収入も伸びないということに対し、例えば飲食店等においては物すごいダンピングをやっておりますね。こういうようなものがやはり消費者物価の面でどのように反映していくのかと。御存じのように、ハンバーガーですか、あそこなんか半値にしましたね。これで利益があるというぐらいですから。
 ですから、ここ数年の間、そういう個々の物価の実態というものを見て、統計をもう一度、統計のファクターです、とり方じゃありませんが、見直す必要もあるんじゃないかと。そこに、政府の言っているのと私らの実際の生活の感覚とちょっと違うところがあるということ。そのことから、消費者対策を講じていないじゃないかとおっしゃるけれども、講じておるのが、ほかの点でその効果が出てきておるということは言えると思うのです。
○佐々木(憲)委員 どうも要領を得ないのですけれども。統計に基づいて緊急経済対策の前文の現状認識というのが出てきているはずであります。もちろん、統計をより精密にしていくというのはこれは当然だと思いますけれども、そこで、個人消費を拡大する対策は何もないわけであります、この政府の緊急経済対策には。
 それで、私は、どうもやっていることが逆ではないかと思うのですね。昨年からことしにかけまして、医療、介護あるいは年金、雇用保険など、こういう面で次々と負担がふやされたり、あるいは給付が削減される。そういうもので、合わせて約3兆円の国民に対する、いわば家計に対する負担を押しつけたということになります。これが政府の政策として実行されてきているわけであります。
 そこで、4月のサラリーマン世帯の家計調査によりますと、一世帯当たりの消費支出は4・4%マイナス、4月の失業率も4・8%になりました。悪化しました。重大なのは、こういうときに、不良債権処理という名で倒産、失業がふやされる。これが消費をますます冷え込ませるという方向に作用するわけでありまして、前文の「現状」で個人消費の拡大が重要だといいながら、実際には個人消費をどんどん冷やすことしかやっていない。
 私は、5月28日の予算委員会で、不良債権の処理によって何社が倒産に追い込まれるか計算をしてみましたところ、中小企業20万社から30万社倒産するんじゃないか、そういうことも想定されるわけであります。中小企業は平均5、6人の従業員を抱えていますから、これが倒産をするというふうになりますと、100万から180万の失業者が生まれるということになるわけですよ。
 塩川大臣は、4月26日に、初閣議後の記者会見でありましたか、緊急経済対策について質問をされまして、こういうふうに答弁されています。「急にブレーキを踏んで不良債権を処理するという、その処理の仕方が私は非常に難しいだろうと思うんです」「いたずらに不良債権を早期に、早くやれということのみには、私はあんまり賛同できない」こうおっしゃっています。これは記憶にあると思うのですけれども。
 この緊急経済対策を実行すれば、デフレ状態にある景気をますます悪化させる、当面の景気に対してはマイナス作用を及ぼすということになると思うのですけれども、大臣の御見解、御認識はいかがですか。
○塩川財務大臣 急にブレーキを踏んだらひっくり返ってしまうのは当たり前です。ですから、2年から3年にかけてと金融担当大臣が言っておられますが、私は、それがやはり正当だろうと思っておりまして、だから、そのぐらいの期間の間に不良債権の処理をするということは、一番真っ当なやり方だろうと思っております。
○佐々木(憲)委員 2年から3年という期限を切ってそれまでに不良債権をオフバランス化する、これが急ブレーキなんです。これは大変なことなんですよ。そのことが景気をますます悪化させる方向に作用する、もう失業、倒産がふえる、これはお認めになっているでしょう。
 ですから、今度の経済対策というのは、国民の生活に対する支援はない、逆に倒産と失業をふやす、私はこういう経済対策というのはかつてなかったんではないか、非常に問題があるということを指摘しておきたいと思うのです。
 次に、公共事業の問題について、塩川大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 公共事業の中で道路事業の占める割合、これはもう大変大きいわけであります。道路整備五カ年計画というのは、いろいろな長期計画の中でも最大規模のものであります。予算の一般公共事業関係費に占める道路事業費も約3割近い、それを支えているのが道路特定財源であります。
 資料の三のところを見ていただきたいのですけれども、道路特定財源というのは本当にどんどんふえているわけです。揮発油税、石油ガス税、それから国に入る自動車重量税の8割が道路財源に充てられております。一般会計の道路事業のほとんどがこの三つの財源によって賄われているという状況です。金額を見ますと、この10年間で約1兆円ふえております。
 塩川大臣にお聞きしたいのですが、もともと揮発油税、ガソリン税というのは、これは戦後直後、一般財源だったと思うのです。それが、昭和29年、大分古い話です、1954年でありますが、その段階から特定財源とされたわけです。そのときの提案者は故田中角栄議員だったという記録、私は昭和27年の議事録でそのことを発見いたしましたけれども、そのときの理由は、我が国の立ちおくれた道路を緊急かつ計画的に整備するためというもので、本来これは暫定的、緊急的な措置だったのではないかと思いますが、大臣はどのようにお考えですか。
○塩川財務大臣 私が承知いたしておりますのは、戦後、復興に精励いたしておりまして、サンフランシスコ条約が締結され、独立国家として経済の本格的な再生、発展を図るというときに、道路の整備がやはりその復興の一番根幹事業であるということから、私たちの先輩がアメリカの事情を調査されまして、道路の整備には特定財源が使われておることが欧米において常態であるということ、そこで初めてガソリン税のような特定財源が導入をされ、そして田中角栄総理がこれをさらに体系的なものにされたと。ちょうど自動車重量税も導入されたのはそのときでございますが、そのようにして整備されて、一挙に高度経済成長の牽引車となって道路整備を進めていった、それが今日の日本の経済基盤ができた根本の原因であったと思っておりまして、それは私たちも非常に高く評価しておるところでございます。
 しかし、現在になりますと、もう既に根幹的な、骨格的な道路の整備は終わってまいりまして、道路のこれからの整備の必要なのは、私たちの直接生活に関連しておるところなり、あるいは住居の環境を整備するための面整備によるところの道路の整備ということが必要になってくる。
 であるとするならば、道路財源をそちらの方に、いわば都市密集地域の再開発に思い切り使ってもいいんではないかという考えで私は道路特定財源の用途の拡大をまず図っていきたいということを提案しておるのは、その意味であります。
○佐々木(憲)委員 大分先の話まで答弁をされましたけれども、私がお聞きしたのは、もともと揮発油税、ガソリン税を特定財源にすることは、緊急かつ暫定的な措置ではなかったのか、当時の、決めたときの考え方はそうだったのではないかとお聞きしたのです。ですから、その一点についてお答えいただければ結構なんです。
○塩川財務大臣 それは一定の、暫定的というのは暫定期間が来たらぷつんとやめてしまうぞ、そういう意味の暫定ではなくして、これからも継続するであろうけれども、とりあえずの制度としてまずはこれで発足しよう、小さく生んで大きゅう育てる、そういうやり方がありますから、そういう意味もあると思います。
○佐々木(憲)委員 そういうやり方でどんどんふえてきたわけですよ。揮発油税は、当初は暫定的、緊急的措置だった。しかし、それは延々と今まで続いてきている。道路がほとんどもう整備されても、まだ続いている。それだけでなくて、先ほど言ったように、石油ガス税あるいは地方道路税、こういう道路特定財源というのが次から次へと積み重ねられてきました。
 1971年に自動車重量税、約30年前であります、これがつくられました。もともとこの自動車重量税というのは、使途を特定しない一般財源だったわけです。ところが、田中角栄氏のツルの一声で自民党が8割を道路に向けるということを決定して、こういう形になっていったわけであります。これも暫定措置であった。恒久的には道路整備には使わない、こういうふうに決められたわけです。しかし、30年間延々とこれが続いてきている。
 ですから、これは見直すのは当たり前だと思うのです。特定財源は、先ほど見直すという話がありましたが、使途を広げると言いましたが、私はこれは一般財源にするのは当たり前だと思うのですが、そういう決意はございませんか。
○塩川財務大臣 この件に関しましては、私はこの委員会並びに予算委員会等において何遍も申しております。
 要するに、平成14年度までは、それぞれの特定財源が道路整備五カ年計画にきちっと予算と裏づけされて法律化されておりますので、この法律を改正してまでやるという時間的な余裕もございませんし、また、非常にこれは困難な問題でもございます。
 したがいまして、平成14年度においては、この五カ年計画の中で年次を延ばしてもいいとかあるいは執行をおくらすことによって生み出せる財源がつくれると思っておりますので、その財源を他の、いわゆる先ほど申しました面整備なり都市の過密対策等に適用し、そして平成15年度以降においてこの道路五カ年計画が新しい計画に入ります段階において、特定財源のあり方を変えていって、でき得れば一般財源にしていきたい。
 しかし、この問題を解決する場合に前提となりますのは、やはり税金を納めておる納税者の意向、つまりこれは国民の意向でございますから、ここをしっかりと踏んまえたことを政策の面に反映させていく、こういうことが一番大事なことだと思っております。
○佐々木(憲)委員 納税者の意向を尊重してとおっしゃいました。いろいろな世論調査がありますけれども、この税金は道路以外に使うなという納税者は非常に少ないんです。いろいろなところに使うようにしていいじゃないか、こういう方が多数なんですね。そのことを念頭に置いていただきたい。
 それからもう一つ、一般財源化は14年度までは法律によって使途が特定されているのでできないから、その後の検討課題というふうにおっしゃいました。
 しかし、この道路特定財源と言われるものの中で、自動車重量税というのは、これは法律によって道路に使うとは決められていませんね。つまり、税収の8割を回しますよという政府の意向によって決められているだけであります。ですから、これは来年度から直ちに一般財源化できる、その気になればすぐできる、何も法改正は必要ない。このぐらいは今すぐ決めるべきだと思います。いかがですか。
○塩川財務大臣 それは、2割は一般財源的に、そして8割は道路財源的に、的にと書いてございますが、に充てるということのいわば国会の中の合意であったと思っておりますが、その合意は私たちもこれを有効に利用いたしたいと思っておりまして、重量税で、先ほど申しました五カ年計画の中に組み入れられておる以外のものとして、これを十分に面整備とか地域整備の面に利用させてもらいたい、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 大体、もともと一般財源のものを、国に入った自動車重量税を無理やり8割道路整備に回すということ自体が異常なわけであって、外すと当然一般財源になるわけでありますから、それを別なものに、別な公共事業に使うというんじゃ全然改革にも何もならないわけで、私は、そんなこともできないで本当に何が改革なのかと言わざるを得ないと思うんです。
 塩川大臣は、この道路特定財源の見直しを含めて、国費としての公共事業は減らすとは言ってきましたけれども、日本の公共事業の大枠を決めてきた630兆に上る公共投資基本計画というのがありますね。これは、アメリカとの合意でそういうものをやるんだということでこの間やってきました。これが公共事業の規模を自動的に拡大していく大変大きな大もとにあったわけであります。これは、むだと浪費の公共事業を膨らます大きな要素だったと思うんですね。これを放置したままでは浪費を減らすということはできないと思うんで、この公共投資基本計画も当然見直すべきだと思いますけれども、これはいかがでしょうか。
○塩川財務大臣 おっしゃいます計画、これは古い話なんですね。実は、これは大分変わっておりまして、計画期間は10年で、平成7年から平成16年の10年間となっておりまして、それで、このことを実は13年間に引き延ばしまして、平成7年から平成19年といたしました。けれども、このときの規模は、確かにおっしゃるように600兆円から470兆円に圧縮しております。その投資額を縮めたわけであります。そして、さらに、平成9年6月19日にこれを改正いたしましたときに、実は――金額は、改正いたしましたのは、平成9年の6月に600兆円から470兆円に変更した、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 ちょっと不正確な表現だと思いますね。最初、たしか430兆ぐらいだったと思うんですが、それが、600兆、630兆というふうに計画の規模は大きくなってきておるんですよ。それを、10年間でやると言っていたのが、13年でやる、延ばすということになって、年間当たりは多少減るだろうというような話だったんですが、しかし、多少期間を延ばしても枠そのものは変わらないわけで、その間にどんどん公共投資をこなしていくということになるわけで、ですから、全体の公共投資縮小という方向であれば、計画そのものを見直すというのはこれは当たり前だと思うんですね。それを見直さなければ、どこか削ってもどこかふやさなければいけない、こんなことになるわけですから、見直すというのは当たり前だと思う。いかがですか。
○塩川財務大臣 おっしゃるような趣旨は私も実は賛成でございますね。
 そこで、それはやはり基本計画の改正ということにもなってまいりますので、これはやはり衆議を集めて合意を得なけりゃなりません。そこで、こういうことをやるといたしましても、整備水準が近年向上して、本格的な少子高齢化社会の到来を控えておるので、社会資本の整備を急ぐと同時に、そちらの方の民生の方も急いでいかなけりゃならぬ、こういうことがございます。そういう意味で、現在私たちは、経済財政諮問会議において、公共事業並びに福祉事業、そういうもののバランスをどうとっていくかということを審議しておりまして、その結論を待って実際に変更も考えてみたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 公共事業を全体として減らしながら福祉の方に重点を移していく、ぜひそういう方向で根本的に変えていただきたいと思うんですけれども、公共事業基本計画そのものをやはり抜本的に見直すあるいは撤回する必要があると私は思っております。
 さて、では次に、塩川財務大臣に続けてお伺いしますが、機密費の問題についての発言が大変話題になっております。大臣は、1月以降、テレビ、新聞などで、多くのメディアに対しまして、官房長官時代の機密費の扱い方について、繰り返し大変リアルな体験を語っておられます。例えば、野党対策に使っていることは事実ですとか、総理の外遊の費用は外務省の機密費から出させている、こうはっきり言っているわけであります。むしろ誇らしげに、私はそうしているんだというふうにおっしゃっているわけです。
 ところが、国会でこの点を確認いたしますと、忘れてしまいましたというふうに大変不誠実な答弁をされているわけですね。あなたは参議院の予算委員会で、あるいは衆議院の予算委員会でも我が党の穀田議員に対してこういうふうに答弁しているんですね。何か週刊誌にいろいろなことが書いてあったのが、何かさも自分が経験したようなつもりで錯覚に陥ってしまった、そしてああいうことを言ってしまったんだ、こういうふうにおっしゃっています。今もそういうふうに思っておられますか。
○塩川財務大臣 今も大体そのような感覚であります。
○佐々木(憲)委員 そこでお聞きしたいんですけれども、あなたは、2月23日付の読売新聞で、官房長官就任後、首席参事官、今の古川副官房長官でありますが、首席参事官に官房機密費の「出費の仕方を聞いた。そうすると「それはいつも出している」「初めてだ」などと教えてくれた」と述べておられますね。この発言は、どう考えても塩川大臣自身の体験でなければ話せない内容だと思うんですね。これはどこかの週刊誌に載っていて、それを自分の体験と錯覚したというならば、その週刊誌というのはどの週刊誌なんでしょうか。
○塩川財務大臣 それは思い出しませんが、私はそんな、古川参事官ですか、との話ということは言ったことないと思っておりますけれども、それはテレビ、ビデオに出ているんですか。私はそれは恐らく言ったことないと……(佐々木(憲)委員「新聞ですよ」と呼ぶ)新聞ですか、私は言ったことないと思います。それは私は何か記事が錯綜しておるように思いまして、私自身が個人の名前を挙げたことは絶対ございません。
○佐々木(憲)委員 個人の名前を挙げたのではなくて、首席参事官に出費の仕方を聞いた、そうすると、それはいつも出しているんだ、いや初めての出費だ、こういうことを教えてくれたとおっしゃっているんですね。
 先ほど最初に、どこかの週刊誌などで書いてあったことを自分がさも体験したかのように錯覚したんだとおっしゃいましたね。ですから、錯覚して言っているとすれば、そのもとになった週刊誌があるはずなんです。それを出していただかないと錯覚したことの証明にならないんです。つまり、その週刊誌がなければ自分の体験だということになるわけです。週刊誌があるなら出してください。
○塩川財務大臣 週刊誌という、一般的なものでございますから、いろいろな週刊誌を私も読んでおりますから、どの週刊誌という記憶は実はございませんし、週刊誌にそういうことが、直接言ったことはないと思っております。
○佐々木(憲)委員 つまり週刊誌にはそういうことは書いてなかった。ということは、塩川大臣が初めてそういう体験談をお話しになったということですよね。ということは、うそをついているということでなければ、これは自分の体験を初めてそこでお話しになった、どこにも書いてないわけですから。それを初めてあなたは体験として正直に述べたということになると思うんです。
 1月28日のテレビ朝日、サンデープロジェクトではこう言っているんですね。総理が海外に行くとき、その費用を外務省のある枠内から持ってこいよと、こうなる、こう言っているんですね。1月29日のTBSテレビでは、総理が外遊に行きますね、そのとき、おまえのところで、外務省に負担しろと、こうなるわけですねとおっしゃっています。持ってこいよとか、おまえのところで負担しろ、こういう言い方というのは、自分が体験したことじゃないとなかなかこれは話せない内容じゃありませんか。自分の体験談じゃありませんか。
○塩川財務大臣 まさにそう言ったとするならば、私は訂正させてもらいたいと思いますが、そう言ったのかどうかが私は今のところはっきりとした記憶には出てきておらないのでございまして、もしそう言ったとするならば、それは取り消してもらいたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 取り消してもらいたいって、あなた自身がマスコミで話をされているわけであります。そのマスコミに対してあなたは、取り消しますとは言っていないんですから。
 官房長官時代に宇野総理がアルシュ・サミットに出席したことはありますね。
○塩川財務大臣 パリ郊外のアルシュ、出席していると思います。
○佐々木(憲)委員 これは1989年7月のことですね。大変今はっきりと記憶を呼び戻されたようでありますが、このときあなたは国内に残って総理の臨時代理をやっておられたんです。外務省に負担しろと言ったのはそのときの体験ではありませんか。
○塩川財務大臣 そのとき、総理はもう既に準備して行っていますから、サミットといいますのはもう既に何カ月も前に準備しておりますので、そのとき直接私は言ったことがないと思います。
○佐々木(憲)委員 それはおかしな話で、宇野総理がサミットに出席したときに官房長官をやっておられるわけですから、当然、そのときの費用をどこが負担するか、これは外交だから外務省だ、そういう体験談を述べたに違いないとみんな思うわけであります。それ以外に考えられないんですね。
 あなたはテレビ朝日でこう言っているんですね。野党対策に使っていることは事実です、現ナマでやるのと、それからまあ一席設けて、一席の代をこちらが負担するとかというふうにおっしゃっている。また、TBSでは、国会対策とかあるいは勉強会の対策費用で使うのは3割ぐらいじゃなかったかなと。あなたはこのような発言を1月以後しばしば新聞、テレビで繰り返しているんですね。ところが、ある時点からそれを否定するようになったわけです。
 あなたは、国会で忘れたと言った答弁の後、テレビ朝日、テレ朝のインタビューを受けたと思いますけれども、その記憶はありますか。
○塩川財務大臣 いや、ビデオはあったということですけれども、その後のインタビューは、私は一切どこともインタビューは応じておりません。
○佐々木(憲)委員 では、証拠を出しましょう。ちょっと資料を配ってください。
 このインタビュー、5月28日、一週間ほど前ですけれども、テレビ朝日のニュースステーションで、あなたはインタビューに答えてこういうことを言っているわけです。ナレーターが「官房機密費での国会発言が波紋をよんでいます。塩川大臣は今年の1月、官房機密費の使い道について――」塩川さん、実際の姿が出ていまして、「野党対策に使っていることは事実です。」ナレーターが「でも今の国会答弁では――」塩川さん「そういった中身のことについては忘れてしまったということでございまして……」と非常に対比的にこれが出ていまして、それでナレーターが「どちらの発言が真実だと思いますか。テレビでの発言(「野党対策に使った」)が真実だと思う国民は、72%にものぼりました。」これは世論調査を実際にやったんです。「塩川さん(「忘れてしまいました」発言)を信じているありがた〜い人も13%いました。でも、ほとんどの国民は塩川さんの国会答弁を信用していないようです。」そこでまた塩川さんが出てきまして、「表側はね、そりゃ、国民の感覚で、ぼくは、あれは政府の一員になったんでもういっさい言えません。役職についたらそういうものに対する責任感が、別の責任がある、発言にはね。そういうことと交じっていっさい言わんことにしとんねん。」
 この発言は、私は非常に重大だと思うんです。大臣になる前には真実は述べるけれども、大臣になったら本当のことを言わなくていいということじゃありませんか。わざわざ言わないことにしている、「いっさい言わんことにしとんねん。」というのはそういうことじゃないですか。それがあなたの姿勢じゃありませんか。
○塩川財務大臣 真ん中辺にございますナレーター、どちらの発言が真実かと思いますか、これは私は聞いておりません。私は全然これは関係ございません。それから、政府の一員になった、一切言えませんが、ここのところも私は覚えがございません。ナレーターの、こうしたこともあって、小泉さんの機密費の云々、これも私は聞いておりません。
○佐々木(憲)委員 それはナレーションですからね。それはインタビューの後につけ足しているものです。塩川さん自身がお答えになっているのは、塩川さんの顔が映って塩川さんがお話しになっている部分、この「塩川」と書いているところがそれですよ。「政府の一員になったんでもういっさい言えません。役職についたらそういうものに対する責任感が、別の責任がある、発言にはね。そういうことと交じっていっさい言わんことにしとんねん。」これは、塩川さん自身がはっきりとテレビでおっしゃっていることなんです。
 これは一週間前に放映されたのですけれども、三カ月前も忘れたけれども、一週間前も忘れたのですか。
○塩川財務大臣 このビデオというのはいつのビデオなのでしょうか。(佐々木(憲)委員「28日」と呼ぶ)私は、インタビューを受けておりませんで……(佐々木(憲)委員「それはおかしい」と呼ぶ)本当ですよ。28日、日程を見たらわかりますよ。(佐々木(憲)委員「放映されたのが28日、その直前にあったでしょう」と呼ぶ)ああ、放映がですか、わかりました。では、いつのビデオを言っているのでしょうかね。
○佐々木(憲)委員 大臣になってからの発言です。ですから、5月でしょうね。ですから、当然、「政府の一員になったんで」自分はもう一員になった後ですよ、これは。「いっさい言えません。」「言わんことにしとんねん。」これは記憶ないですか。
○塩川財務大臣 私は記憶ありませんね。いつのビデオですか、これは。いつ撮ったのでしょうか。放映は28日ですね。(佐々木(憲)委員「それは大臣になってからです」と呼ぶ)それは私は覚えていないですね。
○佐々木(憲)委員 大体それはおかしいですよ。覚えていないことはないでしょう。大臣になった後のことは、こういうインタビューを受けたことを覚えていないのですか。これは、大臣としてこんなことさえ記憶しないなんというのは、こんな大事なことをしゃべっているのですよ。大臣として務まるのですか、それで。
○塩川財務大臣 私は、1月でしたか、テレビ朝日のインタビューを受けました。これは、突然であったので、私は忘れたと言っていましたけれども、ビデオを見せてもらって、これは確かにこういうことはあったということは思い出しました。
 その中で私が言いましたのは、あの発言は、私自身がいろいろなことをがたがた言っておりましたけれども、それは、私自身がいろいろな週刊誌を読んだりあるいは人の話を聞いたりいたしまして、さも自分がやっておるようにちょっと錯覚を起こしてしまってしゃべっておったことだということで、これは予算委員会においても私は反省をしておることの旨を申し上げまして、一応そのことにつきましては私も実は反省いたしておりました。
 しかし、このようなことについては、私はちょっと覚えがないということなのです。
○佐々木(憲)委員 錯覚していたと言うけれども、錯覚のもとになったものを示さないで錯覚した錯覚したというのは、これは成り立たないのですね。先ほどの私の質問でも、その点ははっきりしたと思うのですよ。どこに出ていたか示せないで、これと私は自分の体験を錯覚しましたというふうに証拠を示すならわかりますよ。そういうことも示さないで、そういうことで逃げるというのはおかしいと思いますね。
 ナレーターは「こうしたこともあって、小泉さんの機密費への対応を不十分だと思う国民は、6割近くにものぼっています。塩川さん、すべてを国会で明らかにして小泉内閣で機密費の問題をしっかり解決したらどうでしょうか。」こう言われているのですね。ナレーターがこう言っているわけです。
 あなたはどういうふうにこの点について言ったかというと、「どうですかね。そういってるのはテレ朝だけやろ。そりゃもう国会紛糾して、どうにも動かなくなっちゃう。」と。
 大臣にお聞きしたいのです。国会が紛糾するというのはどういう問題ですか。これまでマスコミに対してしゃべってきた真実がはっきりしたら紛糾するという意味なんじゃないですか。
○塩川財務大臣 この最後のところの、どうですかね、そういうことを言っているのは、これはテレ朝に言っているのですか。どこに言っているのですか。(佐々木(憲)委員「テレ朝に対して」と呼ぶ)私は、このときの覚えは実際ございませんがね。ありませんよ。あれでしょう、いつだったか、久米宏氏とのあれでしょう。久米宏のところですね。もう私はちょっと記憶に、思い出しません。
○佐々木(憲)委員 それはおかしいですよ。大体、一週間前に放映されたもので、大臣になって以後インタビューを受けて、これはインタビューの形式は、座ってインタビューを受けたのかぶら下がりかというのはあるでしょう。しかし、こういう点について、はっきりと御本人が述べているのです。それは、塩川さんが映って、塩川さんがはっきりとお述べになっているわけですよ。それが、都合が悪くなったら、忘れた、忘れた。そんな答弁の仕方はないですよ。私は、これ以上できないですよ、そんな答弁をしていたら。だめだよ、そんなのは。
○山口委員長 今御質問中でありますが、このビデオにつきましては、いま一度大臣の方でビデオを手に入れていただいて見ていただく。
 同時に、このビデオ、今資料を拝見しましたけれども、かなり編集の跡が見られる、作為的な可能性もありますので、そこら辺も含めて、きちっとごらんいただいて、また再度御答弁をいただくというふうなことでお願いいたしたいと思います。
 佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 私は、つい最近、つまり一カ月以内にインタビューを受けても、それを都合が悪くなると忘れた忘れたという言い方はもう通用しませんよ。三カ月前にインタビューしたことについても忘れた、一週間前に放映されたテレビのこのインタビューについても、それも記憶がない、そんなでたらめなことは、私はもう許せないと思うのですね。
○塩川財務大臣 一週間前にインタビューを受けていないと言っているのです。
○佐々木(憲)委員 放映されたと言っているじゃないですか。だから、放映されたものについて、大臣になって以後ですから一カ月以内ですから、一カ月以内のことについて忘れたと言う。
 では、委員長もおっしゃっているから、実際にではまたこれは、ビデオを見てもらってもしようがないのだけれどもビデオを見てもらいましょう。その上で、あしたもこの委員会はあるというわけですから、続きをやりましょう、それではあす。
 テレビ朝日に、いつインタビューを受けたか、それは確認してください。放映されているわけですから、自分でしゃべっているものは、テレ朝に聞いたらすぐわかる。(発言する者あり)もちろん私も聞くけれども、大臣も聞くのは当たり前じゃないですか。ここでビデオを映して、その点について質疑しても結構ですよ。
 ですから、本当に私は不誠実だと思うのですよ。今まで、国会でそういう不誠実な答弁をされるというのは、私は本当に心外ですよ。(発言する者あり)法案審議に入るその前提を今いろいろやっているわけだから……(発言する者あり)
○山口委員長 静粛に、静粛にお願いします。
○佐々木(憲)委員 ですから、私は、もちろん法案審議をやりたいと思っているのですよ。このテレビの問題で、短時間で終わると思ったら、こんなに時間がかかってしまった。
 だから、法案質疑で答弁のために準備をいただいた松田預保理事長や塩崎さんにもきょう来ていただいているのですけれども、ちょっと時間がなくなりましたので、まことに申しわけないのですが、続きはあした以後やらせていただきます。あしたは塩川さんの記憶を確かめることもやりますから、あしたになるか、あるいは来週の水曜日になるか、それは追って時間をお伝えしてやらせていただきたいと思います。
 時間が参りましたので、以上で終わりたいと思います。

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