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金融(銀行・保険・証券), 金権・腐敗政治 (機密費)

2001年06月26日 第151回 通常国会 財務金融委員会 【136】 - 質問

銀行業法改正法案について質問、塩川財務大臣の「忘却」発言について追及

 2001年6月26日財務金融委員会で、銀行業法改正案の委員会質議が始まり、佐々木憲昭議員は、15日の本会議に引き続き、質疑に立ちました。
 また、塩川財務大臣の「忘却」発言について、6日に引き続き、質問しました。



国際的にも甘い不適格事業者の参入規制、金融機関の公共性がなおざりに
 銀行業法改正法案では、銀行業への新規参入の際に監督の対象となるのは、原則として株式の20%以上を保有する「主要株主」に限定されています。保有株式が5%超20%未満の株主には、参入の際に届出の義務を課しているにすぎません。
 佐々木議員は、金融審議会「第一部会報告」でも、5%を超える株式を保有すれば、銀行経営に「相応の影響力を及ぼし得る」と指摘していることをとりあげ、「これでは不適格な事業者が銀行経営に容易に参入できる」と規制の不十分さを追及しました。

 また、「参入後の監督権限も弱い」として、5%超20%未満の株主に対する金融監督庁の立入検査権が「届出書類に不備があるとき」などに限定されていることをあげ、「親会社が子会社に不適切な取引を行っても、親会社を直接監督できない」と強調しました。
 これに対し、金融庁の乾総務企画局長は「不当な参入規制とならないようバランスのとれたものでなければならない」と弁解に終始しました。

 そこで佐々木議員は、イギリス、ドイツ、スイスなどでは、株式の10%以上を保有する株主も審査の対象となることを紹介し、「ヨーロッパ並の基準から、意識的にハードルを下げたのではないか」と、参入をやり易くすることが先にあって、銀行経営の健全性、公共性の確保がなおざりにされていることを批判しました。

「ニュースステーション」の反論にも、まともに答えない塩川財務相
 6日放映の「ニュースステーション」の塩川財務大臣に対する反論を受けて、佐々木議員は、3たび塩川大臣の発言をただしました。

 佐々木議員は、「大臣に就任する以前の発言では、外務省から機密費の上納があったということを認め、内閣機密費を野党対策に使ったという証言をしたにもかかわらず、大臣に就任すると、この発言を『忘れた』と言って逃げ回る。大臣になったらほんとのことを『言わんことにしとんねん』とインタビューに答える。委員会でこれを取り上げたら、今度は『インタビューは受けていない』と答える。しかし、きちんと取材依頼を受けて、オーケーを出して、1日取材を受けた。インタビューも2回に分けて30分受けた、これが、事実じゃないか」と塩川大臣に事実関係をただしましたが、塩川大臣は、言を左右にして曖昧な答弁を繰り返すばかりでした。
 佐々木議員は、「大臣が機密費について真実を話すまで引き続き追及する」と表明しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 初めに、銀行法等改正案の内容についてお聞きをしたいと思います。
 この法案は、一般事業会社から銀行業への参入の条件を整え、これを促進しようとするものであります。しかしそれは、事業会社が資金調達の手段として自分の子会社である銀行を悪用する機関銀行化の危険を持っております。法案にはこのような弊害を防止する十分な規制があるのかどうか、この点で私は幾つか疑問を持たざるを得ないのであります。
 まず、法案では参入規制の対象が大変狭い範囲に限定されておりまして、認可が求められ監督の対象となるのは、原則として株式の20%以上を保有する主要株主に限定されております。5%から20%までの株式を保有する者に対しては単に届け出義務を課しているにすぎません。
 そこで、柳澤大臣にお伺いをいたします。
 昨年12月の金融審議会第一部会報告では、5%を超える株式を保有すれば「銀行経営に相応の影響力を及ぼし得る」と指摘をしていました。5%を超える株式を保有すれば銀行経営に相応の影響を及ぼすことができるのに、なぜそれを届け出だけで済ますことにしたのか、その理由についてお伺いしたいと思います。
○乾政府参考人(金融庁総務企画局長) お答えをいたします。
 異業種からの参入に当たりまして、主要株主を規制する場合に、金融審議会で議論をいたしました主なポイントはその主要株主の持っている株式の割合でございますけれども、この株式の割合とそれに対する規制とがバランスのとれたものでなければならないということでございまして、ごくわずかあるいは一定程度持っているからといってそれとバランスのとれた規制を導入することは、異業種の参入によって金融界を活性化し、また顧客に優良なサービスを提供するという趣旨に反するということで、どのようにそこのところのバランスをとるかが議論されたわけでございます。
 そうしたことから、今回の提案しております法案の中では、この金融審の考え方に基づきまして、銀行に影響を及ぼし得るというのは、これは、現在企業会計で採用されております実質影響力基準という考え方がございます。これは既に銀行法の幾つかの条項の中にも取り入れられている規定でございますけれども、この実質影響力基準、すなわち、法人のみならず個人を含む単体またはグループで20%以上の株式を保有する者、また人的な関係等が一定の場合ある場合には15%以上でも実質的な影響力があるということでもって、企業会計の場合に一定の開示とかそういうものは義務づけられているわけでございますけれども、そうした実質的な影響力基準に該当する場合には銀行の経営に影響があるということで、これを認可制とすることとしたところでございます。
 そこで、それでは、実質的な影響力を判断するのが、ある日突然監督当局が判断をするというわけにはまいりませんで、実質的な影響力でございますから、グループでございますから、仮に一人の株主が、一社の株主が8%であったといたしましても、その会社の子会社等全部合わせたら20%ないし15%を超えている場合もあるわけでございます。そうしたことから、単体で5%を超えた場合には、超えた段階から、監督当局として一定のウオッチといいますかモニタリングをしていこうという考え方に立ちまして、いわば証券の大量保有報告書等とのバランスを考えまして、単体で5%を超えた場合には届け出をしていただくということにしたものでございます。
 確かに金融審の答申には、5%を超えた場合には「相応の影響力を及ぼし得る」と書かれているわけでございますけれども、そのことはまさに、5%の段階からモニタリングを始めましょう、そして実質的な影響力を及ぼしそうになった段階では認可といたしましょう、そういう考え方に基づくものでございます。
○佐々木(憲)委員 モニタリングで済むのかどうかという問題があるわけです。実質的な影響力を及ぼすわけでありますから、それに対して実質的な規制がなければならないわけであります。銀行経営の健全性をいかに確保するかというときに、一般的な企業会計原則を持ち出すだけでは私は不十分だと思うんです。だから、金融審も、「日本の銀行の株主構造を前提とすると」5%の保有であっても「相当な影響力がある場合が考えられる」これはワーキンググループの報告でそう言っておるわけですね。
 ですから、銀行の株主構成、金融という性格を考えれば、これはやはり独自の規制が求められるわけでありますが、それはモニタリングで済ませてしまって、きちっとした、内容のあるものがない。まさに私は、バランスと言いますが、バランスが欠けていると言わざるを得ないと思うんです。
 そこで、具体的な実態についてお聞きをしたい。
 まず第一は、我が国の銀行で株式の5%を超える株式を保有している株主のある銀行は何行あるか。二つ目は、全体として、5%超20%未満の株式を保有している株主の数は幾らか、その株主のいる銀行の数は幾らか。三つ目は、20%以上の株を保有している株主の数は幾らか、その株主のいる銀行の数は幾らか。お答えいただきたい。
○乾政府参考人 5%超所有の株主が存在する銀行数は41行でございます。また、5%超所有の株主の数は74株主でございます。
 それから次に、5%超20%未満所有の株主しか存在しない銀行数は29行でございまして、5%超20%未満所有の株主の数は62株主でございます。
 それから、20%以上でございますけれども、20%以上所有の株主が存在する銀行数は12行でございまして、同じく20%以上所有の株主数は12株主でございます。
○佐々木(憲)委員 20%以上の株主が存在する銀行というのは、現時点でわずか12行であります。全国の銀行数は137行でありますから、全体の8・8%の銀行にすぎないわけですね。しかし、5%から20%の株主がいる銀行というのは、20%以上の株主のいる銀行の2・4倍、全体の株主数で言いますと5・2倍もあるわけです。ですから、5%から20%の部分というのは圧倒的多数なんですね。
 法案によりますと、20%以上の株式を保有する場合には内閣総理大臣の許可が必要で、適格性の審査を受けなければならないとなっております。例えば、所有の目的、財務内容などに照らして、銀行業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないか、十分な社会的信用を有する者であるかどうか、これらの審査を経て初めて銀行の株主となることができる、これは20%以上の場合ですね。
 しかし、5%から20%の株主に対しては、この部分が圧倒的多数なわけですけれども、こういうチェックはなされないわけですね。5%を超える株式を保有すれば、銀行経営に相応の影響力を及ぼし得るわけです。そしてまた、その数は圧倒的多数なわけです。
 そうすると、不適格な事業者が銀行経営に乗り出そうとすると、単に届けるだけで安易に参入できる、銀行経営に影響力を持つことができる。法案ではこういう事態を防止できないのではありませんか。
○村田金融担当副大臣 先ほどの委員御指摘の、昨年12月の金融審議会の第一部会報告では、繰り返しますが、単に5%超保有の株主に対する報告徴求でございますが、実質的影響力の有無の確認等の目的に限定した書面によるチェックにとどめまして、立入検査は書面のみではどうしても実質的影響力の有無を認定することが困難な場合などに限って行い得ることとすることが望ましいというふうにされています。
 これを受けまして今回提案の改正法案では、5%超所有の株主に対しまして、重要な届け出事項に虚偽の記載があったり必要な記載が欠けている疑いがある場合に、報告徴求、検査を行うことができることとしているわけでございまして、こうしたことを通じましてチェックができる、こういうふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 それは認可後の話でありまして、参入する場合のチェックがきちっとなされないということに対しての答弁ではないと思うんですね。つまり、不適格な事業者が参入する場合、5%から20%の株式保有の場合には適切な規制措置をとることができない、このことは否定されなかったわけです。
 では、今の御答弁との関連で言いますと、参入した後の話ですね、5%から20%の株主に対しては、監督権限ですが、大変これは弱いと思います。
 金融庁は、20%以上の主要株主に対しては、特に必要と認められるとき、その必要の限度においてという限定つきだけれども、報告徴求権、立入検査権、これは20%以上の場合には持っているわけですね。しかし、圧倒的部分を占める5%から20%の株主に対しては、株式所有届出書などの書類、ここに虚偽の記載があるかどうか、重要な事実の記載が欠けている疑いがある、そういう場合に限定されているわけであります。つまり、書類に不備があるかどうか、それだけなんですね。
 したがって、20%未満の親会社の場合に、その影響力を行使しまして、つまり子会社である銀行に対して不適切な取引を行っても金融庁は親会社を直接監督することはできない、こういうことになるんじゃありませんか。
○乾政府参考人 最初にお答えいたしましたように、5%と20%の間におきまして、これが、今回のルール整備が不当な参入抑制にならないように、他方で銀行の健全性を確保する観点から、どのようなバランスのもとにルールを整備するかということが議論になりまして、そうした観点から、実質的な影響力がある場合には認可としようとしたものでございます。
 したがいまして、5%から20%の間、15%の場合もございますけれども、その場合には、主要株主が実質的な影響力を持ち得るかどうかということをチェックするためでございまして、そのための報告、検査はございますけれども、いわばその届け出の内容に、重要な届け出事項に虚偽の記載があったりした場合には、当然、報告徴求、検査を行うことができることとしているところでございます。
○佐々木(憲)委員 実質的な影響力があるのは、5%から20%でも実質的影響力があり得るということを金融審は述べているわけでありまして、その部分について書面審査だけで済ませてしまう、不当な取引の直接監督というのは、親会社に対してはできないわけですね。要するに、監視をする程度、こういうことであります。
 こういう点は、諸外国と比べても極めて甘いものでありまして、例えばヨーロッパの場合、事業会社の銀行業への参入を認めておりますが、ECの第二次銀行指令で、10%以上の株主にはその適格性について当局の審査を受ける必要があると規定しております。このことについては、金融審報告でも、欧州主要国では10%以上の場合に許可等を要するという例が多い、こう書かれているわけですね。つまり、イギリス、ドイツ、スイスは10%以上なんです。フランスはこれに加えて5%以上で審査を受けることになっている。
 このような事例を当然知っていながら、法案ではヨーロッパ並みの基準を設けなかった。柳澤大臣、この点、これは意識的にハードルを下げた、ヨーロッパのことを当然御承知だと思うんですが、それと比べても低いところにハードルを下げて参入を可能な形にした、これが実際のところではないんでしょうか。
○村田金融担当副大臣 お答えをさせていただきます。
 繰り返しますけれども、今回の主要株主に対するルール整備でございますけれども、銀行の経営に影響を及ぼし得る者が不当に影響力を行使することがあるとすれば、それをどのように防止するか、こういうのが問題意識でございまして、累次指摘されておりますように、金融審議会第一部会報告におきまして、企業会計の実質影響力基準を踏まえて、銀行の経営に対する実質的な影響力に着目して、原則20%以上の株主を主要株主と位置づけまして認可制の対象として、5%以上の株主を届け出の対象にするということが適当であるとされたということでございます。
○佐々木(憲)委員 全然質問とかみ合わないですね。一番最初の私の質問の答弁と同じ答弁を今繰り返しても、全然答弁になってないですよ。
 だから、つまり、大臣、もう一回お聞きしますが、ヨーロッパと比べて日本の場合には低い水準になっているわけです。つまり、参入がしやすい形になっているわけですね。それは意識的にそうしたわけでしょう。通常の国際的水準よりも低く見たということだと思うんですね。そういうことなんじゃないんですか。
○柳澤金融担当大臣 実質影響力のレベルをどうやって捕まえるかということであるわけですが、それは、今回の我が法案では、企業会計基準に合わせて20%とした、こういうことでございます。
 しかし、他方で、5%以上持っている場合には実質的に影響力を持ち得ることがある、こういうことの指摘もありましたので、ここのところは届け出制にしまして、そしてそれを判定できる資料を徴求して判定できるようにした、こういうことでございます。そして、その5%以上の届け出を受けて、それが、いろいろ各方面の検討をして、これは実質的に影響力があるということになれば、それはそれで対応していく、こういうことになっているわけです。
 例えば、いろいろグループを組んで、それらで20%をオーバーするというようなことになれば、これはもうほとんどノー文句で私どもとしてはこれに対処していく、こういうことでございまして、要するに、実質的に影響力を持つということと、20%持っていたら欠格になるような人を、どうやって防ぐかということは、そういうことでもって私どもは可能だと判断した、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 私は、それでは可能にはならない、不可能だと思うんですね。というのは、実質的影響力を持ち得るというのは、5%以上でも持ち得るわけであります。これは金融審でも言っているわけですね。その場合に、届け出るだけで済むという形になりますから、届け出をすれば参入が可能になる。しかも、参入した後、この親会社に対する監督権限は、立入検査権もない、それから資料の徴求権もないわけです。
 したがって、そういう意味で、5%から20%までの部分というのは大変規制が甘い、つまりヨーロッパと比べても明らかに日本の場合には甘いわけですね。私は、どのような状況であろうと銀行経営の健全性と公共性を確保するということは、これはもう第一義的に追求しなければならない社会的な義務だと思うんですね。しかし、実際に政府がやろうとしていることは逆でありまして、事業会社の銀行業に参入する意欲を阻害しない、これがすべてに優先されております。したがって、事業会社の利益のために公共性、つまり金融機関としての健全性、これがなおざりにされていると言わざるを得ないと思います。
 この法案にはいろいろな問題がありますが、20%以上の株主に対する規制も私は不十分だと思います。しかし、きょうは時間の関係で、その議論はこの次の委員会に譲りたいと思います。
 そこで次に、時間がありませんので、塩川財務大臣にせっかく来ていただいておりますからお聞きをしたいんですが、私は当委員会で大臣の機密費をめぐる発言を何回か取り上げました。しかし、これは単に興味本位で取り上げたわけではなくて、発言の内容が大変重大だからでございます。大臣に就任する以前の発言では、一つは、外務省から機密費の上納があったということを認めたこと。二つ目は、内閣機密費を野党対策に使ったという証言をされた。これは大変重大な発言で、私はこれは正直で大変勇気ある発言だと思うんですね。
 ところが、大臣に就任されますと、国会の答弁では忘れたと言われる。6月18日の参議院の決算委員会でこういうふうに答弁されているんですね。中身はちょっと触れることは勘弁していただきたい、30年たったらちゃんと申し上げますからと。30年というのは、大臣のお年からいいますと110歳になるわけですね。これは全くいいかげんな答弁だと思うんですが、要するに知っていても言わないということだと思うんです。そういうことなんですか。
○塩川財務大臣 30年というのは文書の秘密保持の年限でございまして、私はそのつもりで、これは秘密文書としての年限の間は言えないという意味で言ったことであります。
○佐々木(憲)委員 文書になってないものでしょう。野党対策に使った、あるいは上納があるというのは文書になっているんですか。その文書を30年後に公表する、こういう意味ですね。
○塩川財務大臣 文書というのは、要するに、文書になっておろうが秘に属することは言えないということだと思います。
○佐々木(憲)委員 要するに、知っているけれども今は言わない、こういう意味ですね。私は、こういう姿勢というのは非常に重大だと思うんですよ。
 あなたは、5月28日に放映されたインタビューで、大臣になったら本当のことを言わぬことにしとんねん、こういうふうにお答えになりました。私がこれを取り上げたら、今度は、インタビューを受けていないという答弁をされましたね。あなたはこう言っているんですよ。インタビューではございません。私の書斎でした。したがって、着物を着ておりました。そこへお客さんが立て込んでおりまして、お客さんが帰りました後、二人、女の方とカメラの方とどこどこと入ってまいりまして、撮らせてくれということで、それでございますから、インタビューとかなんとかではございません。こう答弁しているわけですね。
 その日のニュースステーションを見ますと、早速これを取り上げまして、反論しています。私が反論したんじゃないんです、ニュースステーションの久米宏さんがこうおっしゃっているんですね。後ろに流れている映像はインタビューを行った当日のものなんですが、非常にリラックスされている様子です。担当した女性ディレクターによりますと、きちんと取材依頼を出してオーケーをもらって、1日取材をした、インタビューも二回に分けて30分ほど行ったということですと。これは答弁と違うんじゃありませんか。
 塩川財務大臣は、取材依頼を受けてオーケーを出し、1日取材を受けた、インタビューも二回に分けて30分受けた。これが事実じゃありませんか。いかがでしょうか。
○塩川財務大臣 私、一々それ記録をとっておりませんからね。ですから、それは何と言ったら……。来たことは来ました。それは私も知っていますからね。申し込みなんて、私、見たことありませんよ。
○佐々木(憲)委員 これは久米宏さんの証言ですが、担当した女性ディレクターによると、きちんと取材依頼を出したんです。つまり、大臣になってからですから、当然、大臣の日程を調整されている秘書官の方あるいはその担当の方がそれを受けて、大臣と相談されて、ああ、結構ですよということで1日取材を受けたはずです。その記録を、私は、昨日質問通告で、このことについてお聞きをしますので記録を調べていただきたいというふうに申し上げました。それ、調べてお答えいただけますか。
○塩川財務大臣 何かそういう、前はそうおっしゃっていましたね、ちゃんとした手続をしてというのは。それは私、その書面も、手続、どんな書面か知りませんが、手続なんて、そんなこと知りませんよ。ただ、秘書に何でこれ来たんだと私は聞いたら、いや、朝早く来られて、何か書いたものをちょっと見せて、名刺出されて、取材させてくれと言った。いや、取材は困るぞ、お客さんこんなに待っているじゃないかと。たくさんお客さんが待っていたんですよ。それで……(佐々木(憲)委員「それは違うよ」と呼ぶ)いや、あなたが知らぬと言うたかて、わしが当事者ですがな。
 それで、そういうインタビューの手続なんて、そんなことしていませんよ。だけれども、私、一たんお客さんが来て、私は、二階なんですよ、書斎は、おりていったらだかだかだかと上がってきて、それで、済みません、それじゃちょっと写させてください、部屋の中を写させてくださいと言うて、それこそ座り込んで、お客さん待っとるんだから、ちょっと早いところかかってくれ、こう言ったんですよ。そんなインタビューですよ。
○佐々木(憲)委員 ニュースステーションの映像はしっかりと映っております。それは、塩川財務大臣がいすにゆったり座って、明るい窓辺でゆったりとした様子でインタビューにお答えになっているんです。ですから、自宅ではないんです、これは事務所なんです。事務所です。(塩川国務大臣「書斎ですから、私の」と呼ぶ)いや、ですから、取材を受けて、インタビューを受けていることは事実なんで、そのことは確認をすればすぐわかるわけです。
 私は、きのう、このことについて、この事実を確認しますということで、調べておいてくださいというふうに質問で通告をしました。それをはぐらかして、覚えていないとかそんなこともないとか。事実を調べればすぐわかるわけですから、日程表を調べていただけますか。
○塩川財務大臣 だから、来たことは来たと言うんです、私は。それがどかどかと上がってきたということでございまして、私は、こういう人たち、インタビューをいたしますからどうぞ応じてくれますかというそんな話はなかったということなんですよ。
 秘書と、朝早く来ていたらしいんですよ。私は事務所に大抵行っていますが、日曜日でしたから、家に、大阪へ帰りましたらお客さんいっぱい来ていますからね。大体8時ごろ来ていますよ。ですから、8時ごろって、その時分にはもう秘書も来ておりましたから、その時分に来たんじゃないでしょうか。私は、2、3のお客さんに会って、お客さんが帰った後、何かだかだかだかと二人上がってきて、こんな棒を持って上がってきたんですよね。それで、すぐにカメラ見ていましたよ。私は、あれ、何だというふうに聞いたら、いや、こうこうですと言うて、女の子が何か名刺を出しましたよね。だから、それは、おい、そんな困るぞとわし言っていたんですけれどもね。それで、いろいろ、2、3問答していましたよ。
 ですから、リラックスしていたと言えばリラックスしていたと思いますけれども、お客さんとお客さんの切れ間のときですからね。私はそんな中身の細かいことまでは覚えておりませんね。
○佐々木(憲)委員 都合の悪いことはすっかり忘れて、関係のないことだけはよく覚えておられるようでありまして、実際にこういうふうに塩川さんはおっしゃっているんですよ。「国民の感覚で、ぼくは、あれは政府の一員になったんでもういっさい言えません。役職についたらそういうものに対する責任感が、別の責任がある、発言にはね。そういうことと交じっていっさい言わんことにしとんねん。」
 ですから、こういうことをはっきりおっしゃっているわけです。つまり、自分が知っているその事実を、大臣になる前は本当のことは言うけれども、大臣になった後は一切言わない。しかも、事実関係についてもいいかげんな答弁で、これは逃げ回る。久米さんがきちっと提起をしているにもかかわらず、調べようともしない。そういう姿勢は、私はもう絶対に許せないと思います。
 塩川さんは、みずから体験をされみずから実行された、このことについてお話をされているわけですから、この事実関係についてははっきりと真実を語っていただきたい、このことを最後に申し上げまして、時間が参りましたので終わります。

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