金融(銀行・保険・証券), 金権・腐敗政治 (中小企業融資, 政府系金融機関, 天下り)
2007年04月18日 第166回 通常国会 内閣委員会 【391】 - 質問
政策金融公庫の中小企業融資と天下り問題について追求
2007年4月18日、佐々木憲昭議員は、内閣委員会で、政策金融公庫法案についてただしました。
質問のポイントは、法案が「民業補完」に限定しているため、ほんとうに中小企業のために役に立つのかどうかという点です。
現行の3つの公庫(国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫)の目的には、「一般の金融機関からその融通を受けることを困難とする」国民、中小零細企業、農林漁業者が「必要とするものを供給」すると規定しています。
ところが、提案されている新公庫の目的には、「一般金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ」国民、中小企業、農林漁業者の「資金調達を支援する」と書かれています。
これは、中小企業にとって「必要とするものを供給」するという目的から、大手銀行を「補完する」ものに限定する、ということに根本的に変質させるのです。
渡辺行革担当大臣は、中小企業を支援することには変わりがないと答弁しました。
佐々木議員が。「それなら、なぜ目的を変えるのか」と質問しましたが、まともに答えられませんでした。
政府の施策に基づく政策金融機関と、金融市場の競争の下にある銀行というのは、次元が違います。
これを一緒にして政策金融機関を民業補完として位置づけることは、政策金融機関を民業補完の枠内に押し込むものです。
しかも、資金貸し付けの業務その他の公庫の業務の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは…業務の廃止その他の所要の措置を講ずるものとする」と規定しています。
「拡大する」という姿勢はいっさいなく、「廃止・縮小する」ということが基本方向です。これでは、国民、中小零細企業、農林漁業者にとって、プラスにならないことは明らかです。
次に、政府系金融機関への天下り問題を追及しました。
佐々木議員は、資料を配付して、政策金融公庫に統合される4つの政府系金融機関の現在の役員42人中22人が天下りであることを示しました。
その内訳は、国民生活金融公庫10人中7人、農林漁業金融公庫8人中4人、中小企業金融公庫12人中6人、国際協力銀行12人中5人にのぼっています。
そのうえで佐々木議員は、統廃合でつくられる新公庫では「天下りがなくなるのか」と質問。
渡辺喜美行政改革担当大臣は、新公庫の法案に「特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分配慮する」としているから、「今までみたいに、次官だから自動的にこのポストなんて、安倍内閣では考えられない」と答弁しました。
しかし、法案では、社長だけが規制対象で、その他の役員は対象となっていません。佐々木議員は、「当然、全役員を対象とすべきだ」と求めました。
これに対し、渡辺大臣は「政府の確立したルールに基づいて内閣としてチェックする」「官民のいかんを問わず、適材適所で選任していく」と答弁するにとどまりました。
結局は、政府の認可のもとで、天下りが公然と繰り返される可能性のあることが明らかとなりました。
佐々木議員は、「天下りを規制するかのように言うが、抜け穴だらけ。網の目が大きすぎて全部落ちてしまう内容だ」と厳しく批判しました。
4月11日の内閣委員会で、大藤・内閣官房内閣審議官の答弁に、明らかな間違いがあったため、この日の委員会で、謝罪と訂正の答弁をおこないました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
4月11日の内閣委員会で、私、質問をさせていただきました。その際、政府答弁の中に、中小企業向け貸出残高の数字に誤りがありました。基礎的な数字なのに100兆円程度も違うという大変な数字の違う答弁をされましたが、どうなっておりますか。責任を明確にしていただきたい。
○大藤政府参考人(内閣官房内閣審議官) 先生ただいま御指摘いただきましたとおり、去る4月11日に先生の御質問に対しまして私がお答え申し上げた答弁の中に、一部誤りがございました。ここでおわびして訂正させていただきたいと存じます。
具体的には、先生からの、民間銀行の中小企業向け貸出残高についての御質問に対しまして、私から、1996年12月末が360.8兆円、2006年12月末が256.9兆円、それから2006年末の数字は1996年比で71.2%という割合でありますということで答弁させていただいたところでございます。
しかし、この数値は、民間銀行、統計上は国内銀行ということでございますが、国内銀行の数値ではございませんで、国内銀行に信用金庫、信用組合、政府系金融機関を加えました国内金融機関の数値ということでございました。
先生お尋ねの正しい国内銀行の数値は、中小企業白書によりますと、1996年12月末が254.6兆円、2006年12月末が180.3兆円でございまして、2006年末の数字は1996年比で70.8%という割合でございます。
ここに謹んでおわびして訂正させていただきたいと存じます。
○佐々木(憲)委員 基礎的な数字なので、今後、ぜひ注意をしていただきたい。
次に、提案されている法案が中小零細企業に必要な資金を本当に供給することに役に立つのかどうかという点を、法案に即してお尋ねしたいと思います。
これまでも少し議論がありましたが、現行の三公庫の目的というのは、一般の金融機関からその融資を受けることを困難とする国民、中小零細企業、農林漁業者が必要とするものを供給する、こういうふうに規定されております。ところが、この新公庫の目的は、一般金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民、中小企業、農林漁業者の資金調達を支援すると規定しているわけですね。
つまり、中小企業にとって必要とするものを供給するという目的から、大手銀行を補完するものに限定する。ということは、本質的な性格を変質させるということになるのではないでしょうか。大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
○渡辺行政改革担当大臣 農林漁業金融公庫法の第1条で、農林中金その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする、こういう規定がございます。つまり、農業関係の金融機関というのは農協が一般的ですね。農協のお金を束ねて運用しているのが農林中金であります。
したがって、政策金融というのは、そういう農業関係の金融機関とは違って、かつては郵便局に集まったお金が自動的に財政投融資という制度を通じて流れ込み、そして出口の農林漁業金融公庫に来ている財政資金、こういう位置づけだと思います。
ですから、今回の改正によって、まさしく一般の金融機関がなかなかやりにくいことを補完する、こういう規定でございまして、新公庫の業務というのは、民間金融機関のみでは適切な対応が困難な分野に対して資金を供給する、また、債務の一部の保証とか、貸付債権の譲り受けなどの業務を行っていく、こういうことでございまして、決して矛盾はないと考えます。
○佐々木(憲)委員 今、農協の話をしましたけれども、中小企業の場合は、一般金融機関というのは民間の銀行ですね。それが貸し渋り、貸しはがしで大変な事態になったときに、例えば国民生活金融公庫が支援をするという役割を果たしていたわけです。一般金融機関から融資を受けることが困難である、そういう中小企業に貸し出していた。ところが、今度は補完的なものである。これは矛盾はないとおっしゃいましたけれども、では、ないのなら、なぜ目的のこの表現を変えたんですか。
○渡辺行政改革担当大臣 政策金融というのは、政策目的を達成するために民間金融のみでは適切な対応が困難な分野に資金供給を行うものでございます。この点、この基本的な役割については変更はございません。
ただし、官とビジネスというのが、これは民業補完に徹するということを明確にした上で新しい公庫をスタートさせようということから、この見直しを行ったところであります。
○佐々木(憲)委員 民業補完に徹するということに変えたことによって、これまで受けていた中小企業が資金の融資が受けられなくなるということが発生しないのかということを聞いているわけであります。
具体的に、もうちょっと聞きましょう。
政府の施策に基づく政府系金融機関と、金融市場の競争のもとにある銀行というのは、当然次元が違うわけです。これを一緒にして、政府系金融機関を民業と競争させるというか、あるいは民業の補完的なものとして位置づけるということになりますと、政策金融機関を非常に狭い枠内に押し込むことになるのではないか、これでは政策金融機関としての機能を十分発揮できないのではないかというふうに考えるわけです。政府によって、業務の縮小、廃止、あるいは業務の民営化ということに拍車がかけられるということになる。
附則第47条は、政府は、公庫が一般の金融機関が行う金融を補完するものであることを旨とする観点から、資金貸し付けの業務その他の公庫の業務のあり方について検討を加え、必要があると認めるときは、業務の廃止その他の所要の措置を講ずるものとすると規定をしているわけですね。拡大するという方向は一切ないわけであります。縮小、廃止という方向が基本方向だ、こういうことなんですか。
○渡辺行政改革担当大臣 我々の基本的な発想は、やはり官と民との関係は民が主役であると。官が主役になって民をコントロールしていくんだ、そういう立場にはないわけでございます。
したがって、この点は共産党さんと基本的な哲学の違いはあるんだろうと思いますが、公庫法の今御指摘になられた附則47条1項の規定であります。これは、御指摘のように、新公庫が一般の金融機関が行う金融を補完するものであるという観点から、新公庫の業務に関して不断にチェックを行っていきますよという規定であります。その上で、必要があると認めるときは、業務の廃止その他の所要の措置を講ずる、こう規定しているわけであります。
したがって、見直しの結果、業務を縮小していくものも当然あり得るわけでありますが、あらかじめ特定の業務の縮小を前提としているわけではございません。
○佐々木(憲)委員 見直しの結果、拡大するということはあるんですか。
○渡辺行政改革担当大臣 具体的な見直しに際しましては、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、行政減量・効率化会議のワーキングチームで御検討をいただきたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 結局、中小企業あるいは農林漁業に貸し出すものがふえていくんじゃなくて縮小の方向だ、これは非常に問題があるというふうに私は思います。
私は、別に政府系金融機関が主役になれとかといっている話じゃないんです。借りる側が安心して借りられるような条件をどこが主役であろうがきちっとつくるべきである、そういう角度から言っているわけです。政府系金融機関というのは、民間が貸せない、そういうところにちゃんと貸してくれるという役割を果たしてきたわけであって、それを縮小しちゃうと、借りる側からいうと、借りる先がなくなってくる、貸してくれるところがなくなってくる、こういう心配をしているから言っているわけであります。
例えば、中小企業者に対する貸付業務は、中小企業に関する重要な国の施策に従って行われる特別貸付に限定して、事業に必要な設備資金あるいは長期運転資金などの中小企業公庫の一般貸付等を廃止する、こうなりますと、中小零細企業は借りることができなくなるのではないか、あるいは、条件が不利な非常に高い金利の民間銀行から借りざるを得ない、そういうふうになるのではないかと思いますが、いかがですか。
○渡辺行政改革担当大臣 中小公庫の一般貸付という制度は、言ってみれば、高度成長時代の、民間の資金が不足をしていた時代の民間補完の制度であったと考えます。つまり、一般貸付はいわゆる量的補完であったということでございますから、今のような、資金がじゃぶじゃぶあって日本の企業部門まで資金余剰になっちゃった、こういう時代に果たして意義のあるものなのかということを考えましたときに、いや、これはもう役割を終えた制度じゃないんですか、こういうことで、今回は廃止をしているわけでございます。
ちなみに、一般貸付というのは、御案内のように、4億8000万円まで、運転資金の場合は2億4000万円まで、基準金利が5年以内で2.4%、設備資金の場合は10年以内、運転資金の場合は5年以内、こういう商品設計でございますが、これらのことは特別貸付で十分カバーできる代物なんですね。あるいは、民間でもこういう資金ニーズに全く対応できないかといったら、そんなことはないでしょうということから、今回は廃止をいたしております。
○佐々木(憲)委員 じゃぶじゃぶあるからじゃぶじゃぶ貸しているか。現実に、過去の不況下を振り返ってみても、不況のときになって資金が余って、貸出先について、当然大いに貸すべき時期に中小企業に対して貸し渋り、貸しはがしが起こってきたじゃないですか。じゃぶじゃぶあっても銀行の姿勢が貸し出すという姿勢になっていないというところに問題があって、まさにそういうときに補完的な役割、政府系金融機関の役割というものが発揮されてきたわけであります。したがって、じゃぶじゃぶあるからどんどん貸し出せるんだという発想自体が現実をよく見ていないということを申し上げておきたい。
整備法の第51条は、新公庫の業務を民間企業の入札で業務を請け負わす、いわゆる市場化テスト法の対象にしております。これは、行革推進法5条1項6号で規定されているように、新公庫の業務の評価、監視、必要性の有無、民間化、貸付残高の継続的な縮小を行う、こういう規定に沿ったものであると思います。こういう形で結局、民業を圧迫するという理由で業務の縮小、廃止という方向が進む仕組みになっていると言わざるを得ないわけであります。
したがって、こういう方向をこの法案の中に書き込んでいるということは、全体としていいますと、中小企業にとっては極めて大きなマイナスである、本来やるべき公的な役割を後退させるものであるというふうに言わざるを得ないと思います。
次に、天下りの問題についてお聞きをしたい。
提案されている法案を見ますと、第61条にこう書かれているわけです。「特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分に配慮すること。」となっていますね。この意味を確認したいんですが、固定的に選任されることがないようにというのは、特定の公務の経歴を持っている、そういう人々は固定的に選任されることがないようにということなのか。つまりこういうことですね、ある省の事務次官が次々と特定のポストに天下るような状況、このことを言っているのか。それとも、特定の者、特定のAならAという人がいつまでも固定的に選任され続けるという状態をいうのか。どちらのことを言っているのでしょうか。
○渡辺行政改革担当大臣 特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないようにという規定の趣旨は、小泉前総理の時代から言っていますように、固定的に事務次官だからトップになる、そういう時代じゃもうないんですよと。官民のいかんを問わず、必要と認められる識見及び能力を有する人たちの中から適材適所で経営責任者を選任していく、そういう意味でございます。
○佐々木(憲)委員 そうすると、系統的に同じところに、例えばどこどこの事務次官が毎回、出ていったらまたそこに送り込むというようなことはしないという意味だと思うんですね。
そこで、お配りした資料を見ていただきたいんですが、先ほども少し議論がありましたが、私、整理をして、2002年から2007年まで5年間の4つの政府系金融機関の天下りの現状について調べてみました。これは天下りの部分は網かけになっております。これを見ますと、ともかく多いわけですね。例えば国民生活金融公庫、先ほどお見えになっていた方も含めまして、役員10人のうち総裁初め7人が天下りであります。農林漁業金融公庫は八人のうち総裁初め四人、中小企業金融公庫は12人のうち6人、国際協力銀行は12人のうち総裁初め5人、全体で42人の役員中22人が天下りであります。
私は、確かにこれは極めて異常な状態だというふうに思うんです。しかも、今言ったように、特定の公務の経歴を有する者が固定的に次々と天下っている。大臣、このような状況は新しい法律によってどのように変わるんですか。
○渡辺行政改革担当大臣 まさにこのような事態を改革するために今回の法案を御提案申し上げているわけでございます。
今回の法案では、まず、「特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分に配慮すること。」と法案の中に明確に書いて規定しているわけですよ。
また、それを担保するために、主務大臣の認可のみならず、閣議の口頭了解、これもあわせて必要としております。平の役員は主務大臣の認可プラス官房長官協議、代取については主務大臣認可プラス、常勤者については官房長官協議、会長、社長の選定についても、代取会長、社長については閣議口頭了解、こういうチェックをかけているわけでございますから、今までみたいに、次官だから、長官だから自動的にこのポストなんて、安倍内閣では考えられないことでございます。
○佐々木(憲)委員 61条を見ますと、代表取締役または代表取締役のうち経営責任を負うべき者の選任の手続及び要件に関する事項ということで、これは、総裁、一番トップの部分ですね、対象になっている。「特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分に配慮すること。」というのは、一般の役員じゃなくてトップだけじゃないんですか。
○渡辺行政改革担当大臣 役員全体についても天下りを禁止すべきではないかということでございますか。
先ほども申し上げましたように、役員の選任について認可をすることにしております。また、認可に当たっては、適切な人選であるということについて政府のルールに基づいて内閣としてきちんとチェックをするということにしてあるわけでございます。官房長官の同意、閣議の口頭了解、こういったチェックが同時にかかるわけでございますから、適材適所の人選が行われるということになるわけでございます。
また、新公庫においては、役員全体について公務員OBを2分の1以下にするという目標は当然適用されてまいります。
○佐々木(憲)委員 2分の1は認めるということですか。この61条は、代表取締役、つまり社長ですよ、それだけの対象でしょう。何か全部これが、さっき私が出した表のすべてを入れかえるような大げさなことを言いましたけれども、社長だけじゃないですか。
○渡辺行政改革担当大臣 今御指摘になった規定は代取、社長だけでございますが、役員について、先ほど来申し上げているように、認可プラス官房長官同意、こういう縛りをかけているわけでございますから、今までみたいに固定的に、役所の幹部だからそのポストに天下れるという時代は終わったということでございます。
○佐々木(憲)委員 では、この61条の最初に、代表取締役及び役員はと書き直してください。
○渡辺行政改革担当大臣 この規定はトップだけの規定でございますが、先ほどから申し上げているように、主務大臣の認可に当たっては、適切な人選であることについて役員全部について、政府の確立したルールに基づいて内閣としてきちんとチェックをする、こういう縛りをかけているわけであります。したがって、役員全員について官房長官の同意が必要になるわけであります。
○佐々木(憲)委員 認可とか同意とかルールとか言いますけれども、では、特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されないということを明言できますか。
○渡辺行政改革担当大臣 固定的に、役所の幹部だから天下りして、それぞれの機関の幹部になるということはございません。これはもう官民のいかんを問わず、必要と認められる識見、能力を有する人たちの中から適材適所で経営責任者を選任していくということでございます。
○佐々木(憲)委員 今の答弁は、もしそれが全部適用されるというんなら、法律上ちゃんと書いてください。法律上書いてあるのは社長しかないですからね。
問題なのは、こういう形でべたっと、いわば半分以上天下りが、しかも同じところに同じ部署からどんどんどんどん行くような、そういうシステム化されているところに問題があるわけです。そのことについては、認可すれば幾らでも同じことが繰り返されるじゃないですか。何の歯どめにもならないんですよ。
もう一つ、ちょっと角度を変えまして、では、今まで、この天下りと言われていたものがどう行われていたのか。各省庁ごとに組織的なあっせんを行っていたというのが実態だと思うんですけれども、実態というものは正確に把握されているのかどうか。例えば、各省庁に担当者、人事課などが担当者を決めて、関連企業に要望を聞いて、そして、こういう人がいますよということで紹介をして割り振る、そういう組織的あっせんというのが現に行われてきたんじゃありませんか。
○渡辺行政改革担当大臣 いずれにしても、国民の目から見て押しつけじゃないかと見られかねないようなものまで根絶をする必要があると安倍内閣では考えているわけでございます。
したがって、天下りの一番根源になる大もとは何だ、それは、各省が予算と権限を背景にして人事の延長線でやっているあっせん、これが一番の元凶でありますから、これを全面的に禁止するというのが今回の法案でございます。
○佐々木(憲)委員 押しつけを根絶すると言いますが、各省庁に聞いてみると、押しつけはほとんどありませんという回答じゃないんですか。押しつけというものは人によって解釈がばらばらなんですよ。組織的に、次から次と企業に対して送り込んでいく。いや、これは企業が要望しているんだから、民間の要望に基づいてやっているんだから押しつけじゃありません、そういう解釈を今までやってきたんです、私も質問したときは。
ですから、問題なのは、押しつけがどうかという話じゃなくて、組織的に、系統的に、特定の業界を対象に次々と送り込んでいくというこのシステムが問題なんです。システムそのものを変えないといけない、やめなければならない。それを、一本化して統合して同じようなシステムをつくったのでは同じなんです。各省庁の声がそこにまた反映されるということまで妥協してやっている。
そういうところに重大な問題点があるわけで、だから、今度の法案も、何か天下りを規制するかのような形をとっておりますが、抜け穴だらけ、網の目がでか過ぎて全部落ちてしまう、そういう内容になっております。その点を指摘して、時間が参りましたので、終わります。
関連ファイル
- 【配付資料】各公庫の役員の最終官職、経歴(pdf)