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金融(銀行・保険・証券) (中小企業融資, 政府系金融機関)

2007年04月11日 第166回 通常国会 内閣委員会 【388】 - 質問

政府系金融機関の統廃合 中小企業の営業が成り立つ安定した融資を

 2007年4月11日、内閣委員会で、佐々木憲昭議員は、国民生活金融公庫や中小企業金融公庫など政府系金融機関を統廃合し株式会社化する問題について、「公的役割が後退するのではないか」と提起し、中小企業の営業が成り立つ安定した融資を行うよう求めました。
 経済産業省の調べでは、中小企業は廃業・倒産などで2004年から06年までの2年間で約27万社減少。従業員数は同時期に約170万人も減っています。
 佐々木議員は、従業員規模別に企業の雇用創出率を見た場合、中小企業の方が雇用創出率は高くなっていることを指摘しました。
 また、雇用問題の点からも「中小企業の廃業や倒産をどう防ぎ、新会社の起業を支援していくかが大きな課題だ」と述べました。
 また、民間銀行の中小企業向け融資が1996年から2006年までの10年寛で100円近く減少証しているのに対し、政府系金融機関は融資残高を維持しています。
 佐々木議員は、政府系金融機関が果たしている、民業を補完し民間銀行の融資を促す役割を強調。05年に日本商工会議所が、中小企業者の「民間金融機関には、資金を必要とする時は敬遠された」などといった意見をまとめた資料を紹介し、「収益最優先の原理が特に小泉内閣以降はたらき、中小企業に大きな被害を与えた」と批判しました。
 渡辺喜美行革担当大臣は、「セーフティーネットは残す。必要最小限の政策金融は今後とも行う」と答えました。

 この日の大藤・内閣官房内閣審議官の答弁には、明らかな間違いがあったため、4月18日の内閣委員会で、謝罪と訂正の答弁をおこないました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 提案されている政策金融公庫法案は、大きく分けて二つの内容を含んでおりまして、これを一本化したことがいいのかどうかという議論も先ほどもありました。第一は、国民一般、中小企業者、農林水産業者の資金調達を支援するための金融機能、第二は、海外における資源開発を促す金融の機能、この二つの内容を含んでおりますが、二点目については後日に回すとして、きょうは、第一点目の中小企業向け融資の問題をただしたいと思います。
 前提として、まず、日本の中小企業の実態を確認しておきたいと思います。経産省にお聞きしますが、中小企業で働いている人の数、それから中小企業が日本の生産に占める比率、まずこれを示していただきたいと思います。
○近藤政府参考人(中小企業庁事業環境部長) お答えを申し上げます。
 まず、雇用の数字でございますけれども、中小企業で働く人の数が2809万人でございます。企業に働く人の中の71%というのを占めているところでございます。
 また、製造業に例をとりまして付加価値の数字をちょっと申し上げますと、製造業全体の付加価値が102兆円ございます。その中で中小企業は58兆円を占めておりまして、シェアで申しますと57%を占めているところでございます。
○佐々木(憲)委員 従業員の71%、それから、製造業の中で中小企業が占める比率は付加価値の57%ということでありました。これは基礎的なことですけれども、中小企業が日本経済に占める役割、大変大きなものがあるというふうに思います。
 さてそこで、この中小企業がふえているのか減っているのかという問題です。もう一度経産省に確認したいんですが、2004年の中小企業の企業数、それから2年後、2006年の中小企業の企業数、どうなっていますか。
○近藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず、中小企業の数でございますが、2004年の調査がございまして、これでとりますと433万社でございます。この調査は、事業所・企業統計調査という調査でございまして、全数の調査でございます。
 今、最新の数字はないのかという御指示でございますが、実はこの最新の数字は、したがいまして2007年まで待たないと出てこないわけでございます。
 ただ、ある程度動向を見るという点で申し上げますと、中小企業実態基本調査という調査がございまして、これは毎年やっております。ただ、これは10万社のサンプルからの推計になりますので、433万社との数字の差を申し上げると、やや誤解があろうかと思います。
 ただ、いずれにしても、最近の数字は、年間約10万件ぐらい企業数は減っている、こういう状況でございます。
○佐々木(憲)委員 その2006年の推計の数字を示してください。
○近藤政府参考人 今の中小企業実態基本調査の2004年からの3年間の数字を申し上げたいと思います。
 2004年で399万社、2005年が384万社、2006年が372万社でございます。
○佐々木(憲)委員 2004年の中小企業の数が399万で、2年後、372万ですから、27万の減少ということですね。
 同じ時期に、2004年の従業員と2006年の従業員、これは数はどうなっていますか。
○近藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 今の同じ中小企業実態基本調査でございますが、2004年で3161万人、2005年で3058万人、2006年で2992万人というデータになっております。
○佐々木(憲)委員 今示していただいたのは、私がお配りした1枚目、2枚目の、皆さんのお手元の資料の一番上の数字がそれに当たると思うんですが、この2年間だけをとりましても、中小企業の企業数が27万社も減り、170万人の雇用機会が失われた、これは極めて重大な事態だと思うんです。仮に5年間で見ると倍以上に数字が膨らむ、こういうことになるわけですね。渡辺大臣、これは景気が悪いから減少しているということではないんです、景気がよくなっても減少しているんですから。
 どうしてこういうふうに中小企業が減少するのか、その原因をどのように考えておられますか。
○近藤政府参考人 事実関係だけ少し事前にお話をさせていただきたいと思います。
 1999年から2001年までの数字、それから2001年から2004年までの数字を少し申し上げますが、99年から2001年までの平均で廃業率が4.5%、開業率が3.1%でございます。2001年から2004年のデータを見ますと、開業率が3.5%、廃業率が6.1%ということで、最新の数字では廃業が2.6%多いという実態がございます。
 この事実関係だけ申し上げますと、恐らく、自営業者の年収の水準の低下でございますとか経営者の高齢化といったことで、なかなか廃業率が高い水準のまま動いている、こういう状況だろうと理解をしているところでございます。
○佐々木(憲)委員 つまり、開業するよりも廃業率の方が高いわけですね。なぜそういうことになっているのか、その認識をお聞きしたいと思います。大臣。
○渡辺行政改革担当大臣 今の答弁にあるように、中小企業は個人経営的なものが多いというわけでありますから、経営者、オーナーが高齢化をして、後継者がいないというのが一つあるかと思います。また、後継者がいない背景には、先ほどの答弁のように、年収が低いということもあるんだろうと思うんですね。年収が低いというのは、残念ながら余りもうからない、こういうことだろうと思います。なぜもうからないのかというと、恐らく、需要と供給のミスマッチが生じてしまっているのではないかと思います。
 つまり、供給サイドがかつての需要の水準にあるけれども、今の需要はちょっと別の方面の需要が出てきてしまって、中小企業の供給サイドがその新たな需要についていけていないという問題も背景にはあるのではないでしょうか。
○佐々木(憲)委員 そういう要因もあるかもしれませんが、私は、製造業の場合は、今大変な国際競争の中で下請単価が非常にたたかれておりまして、ぎりぎりの採算点でやっている、それがなかなか対応できなくて廃業する。あるいは、商業、流通の分野でいいますと、消費がずっと伸びない状況になっておりますが、それなのに大型店がどんと郊外に次々とできるわけですよ。そうなると、従来の駅前商店街が寂れていく。これは日常的に我々が目にする実態でございますが、やはりそういう状況があるのではないかと思います。
 それで、肝心の中小企業が成り立たない状況、前提が整わない、採算がとれない、したがって将来の展望もないから後継者も育たない、息子が後を継がない、こういう悪循環に陥っているのではないかというふうに思うんです。
 したがって、こういう中小企業に対して、これをどういうふうに成り立つような前提を整えていくかというのが本来の政府が果たすべき役割だろうというふうに思いますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○渡辺行政改革担当大臣 先ほど申し上げたように、中小企業が、かつての需要とのミスマッチが生じているとすれば、やはり、今の需要あるいは埋もれた需要の掘り起こし、そういうことがうまくできるようになる必要があるんだろうと思います。
 したがって、一つには、新たに起業、業を起こす人を支援する、あるいは、事業に失敗をしてしまったけれども再チャレンジしたいという人を支援する、それから中小企業の事業再生を支援する、こういう観点があろうかと思います。
 第一の、創業支援という観点からは、平成15年から、資本金が1円でも会社が設立できるようになっております。これは会社法の特例でございます。さらに、昨年5月から、これを一般原則とする会社法を施行したところであります。ただ、未来永劫、1円のままでやっていっていいということではないと思いますので、企業としての持続可能性を追求するのであれば、やはりいつかの時点で資本は強化をしていくという政策は当然必要になろうかと思います。
 第二の、再チャレンジ支援でございますが、今年度より国民公庫、中小公庫において再チャレンジ融資制度を設けております。事業に失敗した者が新たに挑戦する場合に、これを金融面で支援をしていくということでございます。
 第三の、事業再生支援でございますが、中小企業再生支援協議会、これをバージョンアップする取り組みを行っていくことを経済産業省の方が中心になって考えているわけでございます。
 こうした総合的な観点から、新たに企業を起こす人たち、再チャレンジをする人たち、事業再生をする人たちを支援してまいりたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 新しく企業を起こす場合の支援ということについては、もうちょっと後でまた、もう一度触れたいと思います。
 雇用の問題、先ほども数字が出ましたけれども、2年間で170万人も中小企業が減ることによって雇用機会を失ってしまう、ゆゆしき事態でありまして、この数年間をとりますと何百万という数になると思うんです。
 小さな企業ほど雇用の創出率、つまり、つくり上げていく、雇用を拡大する率というものは非常に高いというふうに思いますけれども、それは、そういう認識はございますか。
○大藤政府参考人(内閣官房内閣審議官) 先生御指摘のとおり、中小企業の雇用創出率は、小規模事業所で高い水準となっていると承知しております。
 具体的には、2002年版の中小企業白書によりますと、いわゆる従業員の数の分類におきます1人から5人の事業所における雇用創出率が最も高くなっておりまして、次いで6から20人、21人から50人の事業所と続いて、規模が小さくなるにつれまして雇用創出率が高くなっていると言えると分析されているものと承知しております。
○佐々木(憲)委員 私は別な資料ですけれども、次の3枚目を見ていただきたいんですが、これは国民生活金融公庫の資料ですが、左側に公庫利用先、1人から4人のところがプラスマイナスでプラス9.1、5人から19人がプラス0.3、それから20人以上のところになりますとマイナス3.3。つまり、小さな企業ほど雇用をつくり出す率が高い。これは右側の事業所統計の創出率を見ましても、同じような傾向があるわけです。したがいまして、特に零細企業、これをどう支援するかというのが非常に大きな課題になるだろうと思います。
 したがって、私は、先ほど大臣が幾つかの中小企業支援策を触れましたけれども、やはり大事なことは、零細な企業の廃業や倒産をどう防ぐのかということ、それから、新しく会社を起こす企業を支援する、この両側面が大変大事だと思うわけです。そういうふうにやって初めて、全体として中小企業者がふえていくというふうに思うんです。
 その際に大事なことは、金融の役割であります。
 そこで、前提として、民間の金融機関とそれから政府系金融機関がどういう役割をそれぞれ果たすかということですけれども、実態をまず確認したい。
 民間銀行の中小企業向け貸出残高、これを1996年12月末と2006年12月末、この10年のそれぞれの数字を示していただきたい。それから、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、政府系三機関の貸出残高、同じ期間の数字、それを示していただきたいと思います。
○大藤政府参考人 民間金融機関の国内銀行の中小企業向け貸付残高は、1996年12月末が360.8兆円、それに対しまして、2006年12月末が256.9兆円となっております。2006年末の数字は、1996年比で71.2%という割合でございます。
 これに対しまして、まず、商工中金は、1996年12月末が11.5兆円に対しまして、2006年12月末が9.4兆円となっておりまして、1996年比で81.7%の割合になっております。それから、中小公庫は、1996年末が7.4兆円、2006年末が6.7兆円でございまして、1996年比が90.5%という数字になっております。国民公庫につきましては、1996年末が9.1兆円、2006年末が7.5兆円でございまして、1996年比が82.4%になっております。
 ちなみに、商工中金、中小公庫、国民公庫を合わせました合計でいいますと、1996年末が28.0兆円、2006年末が23.5兆円ということでございまして、1996年比では84.2%という数字になっております。
○佐々木(憲)委員 この間の民間銀行の貸出残高の減少というのは、10年で約100兆円近いわけであります。これはもう大変な激減なんですね。
 資料の4を見ていただきたいんですが、上の方が民間銀行の中小企業向け貸出残高の減り方であります。それから、下の方に政府系金融機関の貸出残高、今の三機関の数字をグラフで示しております。政府系金融機関の方は必死になってこれを下支えしている、こういう関係がこの数字を見るだけでも明らかであります。
 貸し渋りや貸しはがしというものが民間銀行で横行したときに、政府系金融機関が中小業者に非常に重要な資金を供給してきたわけです。次のグラフ、5ページをあけていただきたいんですが、例えば、この中小企業金融公庫の融資の伸びというのは、民間金融機関と逆相関の関係にあります。景気が悪くなると、民間金融機関の方は金融引き締めだということで資金を貸さなくなる、貸しはがしあるいは引き揚げていく。ところが、政府系金融機関はそういうときに出ていっているわけです。中小企業の資金を必死になって支えている。そういう逆相関の関係になっていることは、このグラフを見ても非常に明確になっているわけです。この役割こそ大事なわけであります。倒産の危機に瀕したときに手を差し伸べるという役割が求められていると思うんですね。
 渡辺大臣にお聞きしますけれども、先ほどもちょっと議論がありましたが、民業を圧迫しているという議論が銀行の側からよく言われるんですけれども、実際は、これを見てもわかるように、民業ができないこと、あるいは民業がやらないことを政府系金融機関が補完してきた、支えてきた、そういうことが言えるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○渡辺行政改革担当大臣 平成9年から10年にかけての金融危機の際に貸し渋り、貸しはがしが起こったというのは、これは当時の金融機関の資本が相当傷んでしまっていたという背景がございます。残念ながら、当時、銀行は、破綻前処理、破綻処理のセーフティーネットがなかったという問題もございました。
 そこで、大型破綻を受けて、預金保険法などの抜本的な改正を行いました。その結果、金融危機対応として、預金保険法102条で、1号措置から3号措置まで、破綻前処理、破綻処理の枠組みが整ったわけでございます。地域金融機関においてもそういったセーフティーネット整備が行われてきているわけでございまして、あのときのような貸し渋り、貸しはがしというのが再来するという状況にはないものと考えております。
 したがって、そういった非常時モードから平時モードへ大転換をしていく中で、民間金融機関にはもっとリスクをとる金融を行ってほしいと念願してやみません。例えば、無担保無保証融資の世界であれば、スコアリングモデル融資というのが最近では非常に盛んになりつつございます。これは御案内のように中小企業向けで、大体5000万ぐらいまででしょうか、3日ぐらいの審査で、保証人も要らない、担保も要らない、簡単審査でお金が借りられるという金融商品も誕生してきているわけでございまして、そういった民間がリスクをとっていくということが大事なことではなかろうかと思っております。
○佐々木(憲)委員 民間がリスクをとるのは当然なんですね。これはもう、今までリスクをとらないことによっていかに被害が中小企業に及んだかということを見れば明らかであります。問題は、政府系金融機関がどうなるのかということでございます。
 ああいう危機は再来する状況にないと言いますけれども、一体これから何が起こるかまだわかりません。そういうときに、政府系金融機関を市場金融、金融市場任せで果たしていいのかどうかということが問われるわけですが、どうも今度の法案は、その公的な役割が後退するんじゃないかと非常に私は懸念をしているわけです。
 例えば、新しく会社を起こすというのが大事だと言われましたが、それを支える場合、なかなか民間銀行は貸さないんです、最初は。どういうときに貸すかというと、例えば、政府系金融機関の一つである国民生活金融公庫が最初融資をする、それを見て、ああ安心だというので民間銀行が貸し始めるわけです。最初の貸し出しは政府系金融機関がやるということになっているわけですね、現実に。
 それは、お配りした資料の6枚目に出ているわけでございますが、左下のところにグラフがあります。民間銀行は、国民生活金融公庫が融資をしている企業だということで貸し始めますが、最初は、開業時は、民間銀行の資金は14.7%程度でありますが、その次になりますと21.8%、その次になりますと35.4、さらに40.1、42.6というように、民間銀行からの借り入れのある企業がふえていくわけですね。
 そういう意味で、民間銀行の貸し出しをいわば誘導する、呼び水としての役割を果たしているわけでございます。これは大変大事な機能だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○渡辺行政改革担当大臣 今、佐々木委員、国民金融公庫の例えを持ち出されましたけれども、民間金融機関に、そういった目ききのできる機能がかつてはちょっと弱かったというのは事実だろうと思います。かつて政府系金融機関がそういった目きき、ノウハウを持っておって、政府系金融機関から資金を借りて、今、公開企業になったなどというケースも幾つか私も存じ上げております。
 民間金融機関がきちんとリスクをとり、リスク管理を行い、こうした目きき機能を持つというのは当然のことなのであって、今までそういうことが弱かったなどと言われないように、今後は、こういった積極的にリスクをとりに行く、なおかつ地域密着型の中小企業金融をやる、そういうことを期待したいと思います。
 また、政府系金融機関においては、セーフティーネットとしての機能は残すわけでございますから、必要最小限の政策金融は引き続ききちんと行っていくべきでございます。
○佐々木(憲)委員 目ききの問題を今言われましたけれども、中小企業に対して民間銀行が貸し出す際に、不良債権になりそうなところに余り貸さないということで収益を最優先させるという原理が、この数年間、特に小泉内閣以後働きました。収益性第一主義ということで、どんどんどんどん自己の利益を求める反面、中小企業が非常に大きな被害を受けたというのが現状なので、そういうことをしりをたたいてきた政府の責任ということも、自覚をしてもらわなきゃならぬと私は思っております。
 それからもう一つは、政府系金融機関の役割は、中小企業の側からいっても非常に強いものがありまして、お配りした資料の7枚目、8枚目に、これは商工会議所に寄せられた中小業者の意見ですけれども、全部紹介する時間がございませんが、例えば最初の方に書いてありますが、「不況時、民間金融機関が厳しい貸し渋り、貸し剥がしを行なっている時、資金調達に応じてくれた。」「政府系金融機関が必要と実感したのは、民間の銀行が必要資金の半分しか融資してくれないとき、協調融資で対応してもらったときである。」あるいは、「民間金融機関は、強い立場にたって企業の力量を見透かしたように金利の上昇の要請が頻繁にある。政府系金融機関は、約定を確実に遂行し取引姿勢が安定している。」こういう評価をしているわけですね。
 それから、下の方に行きますと、民間金融機関では、資金を必要とするときは敬遠され、不要のときのみ資金の借り入れを勧められ非常に不快である。信用できないと。要するに、雨の降ったときに傘を取り上げる、晴れたときには傘を出すというような、よく言われることが実感としてここで書かれているわけです。
 それから、右の方には、「民間金融機関は、全体的に損得勘定が優先される為、目先の取引に忙殺されがちだ。政府系金融機関は、やる気のある・技術のある会社には育成する使命を持っているように見受けられる。」2枚目にも同様のことがるる書かれております。
 これは商工会議所が昨年まとめたものですけれども、やはり今、こういうことにしっかりこたえる体制が必要なんですね。今回の法案がそれに本当に対応するものになっているのかどうかというのが問題であります。
 きょうは入り口のところで30分間、この前提の議論をさせていただきましたが、次回、時間をいただければ、法案の内容から見て果たして政府系金融機関がこの中小企業の要望にこたえることになるのかどうか、この法案がですね、この点についてただしていきたいと思います。
 ということで、きょうはこれで終わらせていただきます。

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