東海での活動
東海での活動 − ブロックでの行動、静岡県、地域経済振興・不況打開
【13.09.28】静岡・富士市「中小製紙業の振興を」社長らと懇談
2013年9月28日、佐々木憲昭議員は、井上哲士参院議員とともに、静岡県富士市で、日本家庭紙工業会の黒崎暁(さとし)会長をはじめ中小製紙会社社長らと、製紙産業振興について懇談しました。森大介・党静岡県常任委員、西村綾子・富士市議らが同席しました。
「紙のまち」富士市は、トイレットペーパーの生産が日本一で、全国の3割を占め、そのほとんどが古紙再生紙です。
紙パルプ関連事業者は市内に234か所あります。国内大手の日本製紙と王子製紙が2010年から工場閉鎖、設備縮小をすすめ、くらしや雇用を脅かす事態となっています。
黒崎氏は、かつてトイレットペーパーはすべて古紙再生紙だったが、大手企業が参入し木材パルプ100%を生産、市場で主流になりつつあり、古紙・パルプの比率は65対35だと指摘し、古紙再生紙の中小企業を脅かしている実態を説明しました。
古紙の方が安価で、品質もほぼ同じであり、使い流して再利用しないというトイレットペーパーの特性を述べ、「行政には環境循環型社会に向け、公共施設での古紙利用を促進するなど考えてほしい」と訴えました。
マスコー製紙の増田明彦社長は、「東日本大震災時には各地で物が不足する事態が起きた。東海地震によりトイレットペーパー生産地の富士で被害が出れば、生産がストップし全国でパニックになる。簡易トイレなどの備えだけでなく、ペーパーの備えも行政として対応してほしい」と語りました。
佐々木議員は、「中小製紙業界は地域経済再生の中心であるという位置づけでしっかり支援していきたい。要望も政府に訴えるなど検討していきたい」と答えました。
佐々木議員と井上議員は、このあと岳南第一製紙協同組合も視察し、渡邊明治理事長らと懇談しました。
この協同組合は、古紙再生で発生知る廃棄物ペーパースラッジ(PS)を共同処理する施設です。かつてPSを河川にたれ流し、「田子の浦ヘドロ」として問題になりましたが、その反省から
1973年に中小製紙会社が共同出資して設立しました。現在加盟企業は11社。
年間100万トンのPSが発生し、そのほぼ100%が再利用されている工程などを見学し、循環型社会の仕組みを学びました。
製紙会社で紙をつくったあとに出てくるペーパースラッジを100%処理して、鉄鋼向けの酸化防止剤を作ります。下にあるのは、製品岳南第一製紙協同組合の敷地内にある製品、鉄鋼産業向けの酸化防止剤。製紙産業の廃棄物を最終処理してできたものです。