東海での活動
東海での活動 − ブロックでの行動、医療・介護・障害者・年金、三重県、岐阜県、愛知県、静岡県
【13.09.24】日本年金機構中部ブロック本部要請に同席
2013年9月24日、佐々木憲昭議員は、東海・北陸の業者のみなさんがおこなった日本年金機構中部ブロック本部要請に同席しました。
日本年金機構は、厚生労働省の委託を受け社会保険料の徴収業務を行っています。
そのさい、保険料の滞納にたいしては「国税徴収の例」によるとされています。憲法と国税徴収法などに基づいて対応することが基本です。
国税通則法では、徴収に当たって用いる強制力は、「慎重の上にも慎重を期することが、当然の前提」とされています。
いま、深刻なデフレ不況のもとで、中小企業・業者の経営と生活は、困難に直面しています。従って、徴収に当たっては、事業主等に個別の事情をよく聞いて、人権を尊重し親切に対応するのは当然のことです。
ところが、日本年金機構中部ブロック本部の管轄下にある各地の年金事務所では、それを逸脱した徴収業務が見られます。
たとえば次のような例です。
◆滞納金額190万円に対して、従業員の給与を含む売掛金290万円の全額を差し押さえ、「会社がつぶれてもかまわない」など何度も暴言を吐く。
◆猶予申請のお願いをしたら「猶予申請というのはない」と事実を偽り、後日「猶予申請はあるが段取りを踏んでやるように」と言われた。
◆いままで合意の上「分納」していたのに、突然「ダメだ」と言い「いままでのやり方は甘すぎた。これが正常です」と言われた。
◆「納税の猶予は、担保を提供してもらわなければ受けつけない」と言い、「事情は聞きません。こちらが示す金額でしか応じられない」と言われた。
◆分からないので「もっと分かるように丁寧な説明をしてほしい」と毅然と求めたところ、課長が顔色を変えて「あー大きな声を出した!」「悪いのは滞納しているあなただ!」「私は債権者だ!」と大きな声で威圧しされた。
◆1年半にわたり分割納付(滞納分を含め月100万円余)をしてきたAさんが、「再度1年の分割納付を認めてほしい」とお願いしたら、担当者が「ダメです。ダメです。ダメです。ダメです。」と繰り返し、まったく相談にのってくれなかった。この後、Aさんは行方不明になった。
これらが「ひどい実情」の一端です。
日本年金機構中部ブロック本部では、はじめ「個別の案件に答えない」などと言ってました。しかし、個別案件なしに一般案件はありません。実情を話し年金機構の方針を質しました。
「“会社がつぶれてもいい”などと言って良いという指導はしていない」。「行き過ぎた発言があったとすれば指導する」と答えました。
佐々木議員は、交渉で「会社をつぶしたら元も子もない」「育てる姿勢が大事ではないか」と質すと「その通りです」と認めました。
また、「猶予申請」の制度があることを納付者に知らせないことも問題です。交渉では「申請を受け付けないことはない。用紙は求められたらすぐ出す」と答えましたが、用紙は事務所の見えるところに置くのが当然の措置です。
「滞納金額以上に差し押さえしたら、我々が処罰される」と答えましたが、現に「懲罰的な差し押さえ」という事務所員の発言もあり、現場はどうなっているのか改めて実態を調べる必要があります。
いずれにしても、保険料徴収は、憲法と法律に基づき、事業主等の人権や財産権を尊重した礼儀正しい丁寧な対応を行うよう職員に徹底することが必要です。
「まず差し押さえありき」ではなく、払いたくても払えない事業主等の個別的・具体的な実情をよく把握し、分納計画は支払い可能な金額とすることが大切です。
少なくとも、保険料納付が困難な場合には、納税緩和措置を積極的に活用し、「納付猶予申請書」を事務所の目にとまるところに置くべきです。