東海での活動
東海での活動 − 政府への要請、教育、住民生活、公共事業、環境、静岡県
【05.04.28】静岡県の皆さんと国土交通省交渉
2005年4月28日、佐々木憲昭議員は、党静岡県委員会の皆さんとご一緒に、国土交通省交渉を行いました。この要請の後、文部科学省にも要請しました。
参加したのは、瀬古由起子前衆議院議員、平賀高成元衆議院議員、そして、天竜市、浜松市、三島市、伊豆の国市、細江町、伊豆の国市、函南町などの地方議員の皆さんです。
国土交通省への要請文
要請
以下のことを要請します。
(1)戦時中に建設された地下壕の徹底調査と安全対策について
天竜市の宅地造成と道路建設工事を進めていた都市計画区域内で、太平洋戦争の末期に、軍需工場の鈴木織機(現・スズキ)を疎開させようとして掘られた5本の地下壕が発見されたため、早急な事故防止・安全対策とともに、都市計画事業の大幅変更を余儀なくされています。
同市では、地中レーダー探査を実施して位置確認を試みるとともに、地下壕内部の測量調査も可能な範囲で実施していますが、落盤も進んでおり、住宅地に隣接した地下壕入り口の状況は、鹿児島市で中学生死亡事故が発生した地下壕とよく似ていて非常に危険です。そのため急遽、地主の許可を得て有刺鉄線を張った進入防止柵を設置しましたが、地下壕の全容は未だに解明されていません。
このような状況下で、危険性を解消して、住民福祉を増進させるための都市計画事業(都市計画道路建設、住宅地造成、都市公園整備事業)をすすめるには、さらに多額の経費が必要とされています。
今年度予算で、確認済みの地下壕の一部(都市計画道路・阿蔵山線の建設工事部分)については、国の「特殊地下壕」対策の補助事業(補助率1/2)の適用を受けることができましたが、住宅に隣接した入り口をはじめ多くの重要部分が除外されており、安心・安全なまちづくりを進めるうえで大きな困難をきたしています。
よって国に対し、地下壕の徹底調査と抜本的な安全対策のため、特殊地下壕対策事業の大幅な拡充など特段の対応を要望するしだいです。
- 地下壕の確認調査も補助対象事業に含めること。
- 一箇所の事業費が「200万円以上」との枠を撤廃すること。
- これら地下壕がいずれも国策たる戦時下において築造されたものであることから、対策費用は全額国の負担とすること。
(2)狩野川流域柿沢川の水害対策について
昨年秋の台風21号など近年、伊豆の国市旧韮山町内の平坦部では、民家の床上・床下浸水、田畑の冠水被害が増えています。
- この地域内には、四日町排水機場(狩野川)、長崎排水機場(柿沢川)毘沙門排水機場(柿沢川)がありますが、フル回転しても広域で冠水する状況です。四日市排水機場では排水機の増設が計画されていますが、早急に実現するとともに、他の排水機場の増設・増強を要望します。
- 現在計画づくりがすすめられている「狩野川河川整備計画」については、関係住民の意見を十分に取り入れつつ、30年とされる整備期間を短縮し可及的速やかな実施、完成を期するとともに、山間部の保水機能の回復、狩野川の浚渫(しゅんせつ)の位置づけを高めて効果的な事業となるようにしていただきたい。
(3)公営住宅退去時の原状回復に関する「ガイドライン」について
賃貸住宅における退去時の原状回復費用負担をめぐる問題は枚挙の暇がありません。
平成10年3月にまとめられ、その後昨年2月に改訂された国土交通省住宅局発行「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、「原状回復とは賃借人の居住使用により発生した建物価値の減少のうち賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とあります。
民間の住宅のみならず公営住宅においても退去時に、明らかな自然損耗に対してまで入居者負担が求められるという、ガイドラインから外れた事態が少なからず残されており、自治体間における対応の違いもみられます。
平成11年11月の衆院決算行政監視委員会では、政務次官が「地方公共団体でも、自然損耗部分とかは入居者の負担にしているところと事業者負担にしているところとまちまちでございますので、その上でトラブルが起きていると思うのですが、建設省としては、そのガイドラインに沿ってぜひひとつそういうトラブルをなくしましょうということで今やっております」と答弁し、地方公共団体などでの見直しをすすめるとのべておられます。
ガイドラインにもとづく見直しがこれまでどのように進捗しているか、その状況を明らかにするとともに、自治体の公営住宅に関する見直しを促進する取り組みを強めていただくよう求めます。
文部科学省への要請文
要請
以下のことを要請します。
(1)災害時の防災拠点にもなる文教施設の耐震補強・改修を早期にすすめるための補助や要件の改善について
天竜市では、早くから老朽化した小学校7校、中学校6校の施設改修をすすめ、本年4月1日現在の耐震化率は56%です。これを2008年度までに100%へ引き上げる計画としています。
東海地震対策では、被害想定区域が西へ拡大されましたが、最近の信越、福岡や関東地域で頻発する地震発生状況や、浜名湖周辺の地殻の歪みに変化が現れてきたとの報告などから、東海地震対策は急を要します。
まず何よりも、児童・生徒の命を守ることのできる施設にしなければなりません。また地域住民に開かれた生涯教育の中心施設として安全でなければなりません。また災害発生時の避難場所や防災拠点としての役割がますます重要になっています。当市のような中山間地域に文教施設が点在する自治体ではなおさらのことです。
よって、「公立学校施設整備費補助金」「耐震補強事業分」の補助率や要件を改善することを求めます。
昨年度に実施した下阿多古(しもあたご)小学校の補強工事では、国庫補助基本額が低く抑えられました。外壁のひび割れ補修・再塗装はその最小部分しか認められず、従来は認められていた色合わせ分はカットされました。その外壁工事のための足場工事費も、ひび割れ分の按分だけに縮小されました。足場はひび割れ部分だけに設置するのは困難であり、全体に設置されてこそ安全かつ効率的な施工が可能ですので、従来どおりの国庫補助基本額を求めます。
また廃校となったため耐震診断を見合わせるとしていた中学校校舎を、公民館として活動するために、耐震対策を実施する計画になりましたが、これへの同等の補助を求めます。