憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【09.06.19】衆議院の再議決3連発は、参議院の意思を否定するもの赤旗
「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページ
連載コラム『国民の願い胸に』
6月19日、衆議院で海賊対処法案など悪法3法案の再議決を強行しました。
これは、あまりにも乱暴なやり方です。
憲法59条1項は、法律は衆参両院で可決したときに成立することを原則としています。それは、衆参両院で慎重に議論することによって審議を深め、国民の意思を多元的に反映させるためです。
衆議院で可決したものについて参議院がそれと異なる議決をしたり、60日過ぎても審議が継続されている法案については、衆議院は参議院の意思をできるだけ尊重するのが当然です。
ところが、政府・与党は、参議院の意思を一顧だにせず、衆議院で直ちに再議決をして法案成立を図るという乱暴なやり方を繰り返し、そのうえ今回は、たった1日で3つの法案を再議決したのです。
海賊対処法案は、自衛隊の海外派兵を拡大するものです。租税特別措置法案は、緊急に求められている中小企業対策よりも大企業優遇を優先するものです。
国民年金法改定案は、基礎年金の国庫負担を引き上げるものですが、財源確保と称して3年後の消費税増税を狙うという重大な問題があります。これまで、自民・公明両党は、その財源に充てると言って、定率減税の廃止、老年者控除の廃止、公的年金等控除削減などの庶民増税を強行してきましたが、基礎年金にはその17%しか充てなかったのです。それで足りないから消費税大増税というのでは、「1枚の証文で2度取り立てる」ものです。
悪法再議決3連発!――こんな前代未聞の暴挙は、到底容認できるものではありません。
2009年6月19日記