憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【08.05.04】間違った制度は廃止すべき民報
「愛知民報」『ともに歩む』
2008年5月4日
後期高齢者医療制度にたいし、自治体窓口に相談が殺到しています。総務省は、緊急の都道府県東京事務所長会議を開いて、改めて地方自治体へ協力要請を行ったそうです。しかし都道府県側から、自治体が窓口の対応に苦慮している実例が次々と報告されています。
問題は「説明不足」にあるのではありません。−−1300万人もの高齢者を別枠の制度に囲い込み、差別的に扱う制度そのものが根本から間違っているのです。もはや、中止・撤回しか解決の道はありません。
政府はさかんに、多くが保険料の負担は軽くなると言っています。しかし日本共産党の小池晃参議院議員が、厚労省の試算に基づいて全国の市区を対象に保険料を算出したところ、夫が年金月額16万7000円、妻が基礎年金6万6000円のみの世帯の場合、3000円以上の負担増となるのが川崎市など4市、2000円以上が16市区、1000円以上が58市区におよんでいます。
厚労省の「保険料が安くなる」という試算は、土地や家屋などをもつ人だけにかかる「資産割」を含んだ高い国保料を「全国平均モデル」にするという架空の前提でおこなっているからです。「資産割」のかかる世帯は、国保世帯の3割以下にすぎません。「資産割」のかからない夫婦世帯を厚労省のモデル試算にあてはめると、逆に国保料よりも負担増になるのです。
厚労省の水田邦雄保険局長は「小池氏の数字の通り」と認めました。政府は、デタラメな説明をやめ、この制度を廃止すべきです。