憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【08.03.27】改変された租税特措法修正案 「充実質疑」眼中になし 年度内成立に猛進する与党名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2008年3月27日
与野党は、3月25日、国会内でひらかれた国対委員長会談で、揮発油(ガソリン)税の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案の扱いをめぐり協議しました。
与党は、同改正案の年度内採決を重ねて求めましたが、野党はこれに応ぜず、平行線に終わり、ガソリン税の暫定税率が3月末で期限切れとなることが不可避となりました。
この間、道路特定財源の一般財源化をめぐって、政府・与党内のチグハグが目立ちました。
福田総理が、19日、自民・公明両党の政調会長に指示したのは、「税制の抜本改正時に全額の一般財源化も視野に検討する」という修正案をまとめ、野党と協議するようにというものでした。
実施の時期は別として、「全額一般財源化」を打ち出したことは初めてであり、小泉・安倍内閣にはなかったことです。
ところが、その後の自民・公明による修正案によると、「道路特定財源は税制抜本改革時に一般財源化」という表現に変わっていました。
これは、福田首相の指示とまたく違う内容です。「全額の」がすっぽりと消えているからです。
なぜこうなったのでしょうか。報道によると、自民党の古賀誠選対委員長が注文をつけ、手直しがおこなわれたというのです。
この「修正案」は21日になって、与党から伝えられたものですが、「道路特定財源について」という表題がついています。
全体は6項目からなっていますが、一番最初に「平成20年度歳入法案については、年度内に成立させる」としています。これが問題です。
政府が提案している“ガソリン税の暫定税率10年延長”などを盛り込んだ法案を3月末までに「成立させる」ことを前提にしているものだからです。
衆参両院議長が「あっせん」で示した「充実した質疑」、法案「修正」をどうするのか、まったく眼中にありません。
2項目から4項目に盛り込まれた内容は、政府案を通した後で対処するという位置づけにすぎません。はっきりしているのは「歳入法案の年度内成立」ということだけです。
これでは、野党が納得できるはずがありません。
与党は、自民党内の「道路族」の声にではなく、国民の声にこそ耳を傾けるべきではないでしょうか。