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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【08.02.28】政府案にだまされず道路財源一般化を名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2008年2月28日


 政府は今国会に、ガソリン税などの暫定税率を10年間延長する法案とあわせ、その税収の使途を道路建設に限定する「道路整備財源特例法改定案」を提出しています。
 この法案では、税収が道路整備費を上回る場合には「一般財源」にまわすとしています。つまり、余ったら道路以外に使うというわけです。
 福田康夫総理は「私の内閣で初めて一般財源化した」と胸をはってきました。
 私は、先日の財務金融委員会で、“一般財源化する”という政府の主張が、国民を3重にごまかすものだと指摘しました。
 第一に、道路特定財源のうち一般財源にまわる割合があまりにも少ないことです。
 額賀財務大臣は「2008年度予算案で1900億円程度を計上」と答えましたが、それは特定財源全体(3兆3000億円)のわずか6%にすぎないのです。
 第二に、そのわずかな「一般財源」部分も、道路や自動車関連に使うよう使途が定められているのです。
 私は、「政府は『一般財源化』などといっていますが、福祉や暮らしには使えないではないか」と迫りました。これに額賀大臣は「納税者の理解を得るため、結果的に環境や信号機を作る予算に計上されている」とのべ、結局、道路関係費にしか使えないことを認めました。
 第三に、この法案が「一般財源化」した税収相当分を、翌年度の道路整備費に充てるとしていることです。私が「今までの道路特定財源を維持した上に、さらに道路財源を増やすものだ」とただしたのに対し、額賀大臣は「計算上は、そういうようになる」と認めました。「一般財源化」といっても中身はまったく違い、結局は、道路財源を増やすものになっていたのです。
 なぜ、道路だけは特別扱いするのでしょうか。1990年代につくられた「公共投資基本計画」というのがありました。これは、事実上アメリカから押しつけられたもので、95年から10年間で630兆円も公共投資に注ぎ込む計画でした。
 その計画に沿って、道路、港湾、空港など個別分野ごとに「公共事業長期計画」という「5カ年計画」がつくられたのです。その「5カ年計画」は、16種類ありました。道路、住宅、下水道、都市公園、特定交通安全施設、港湾、海岸、空港、治水、急傾斜地崩壊対策、廃棄物処理施設整備、治山、森林整備、漁港整備、沿岸漁場整備、土地改良です。
 現在は、これらの多くが整理・統合され、事業費総額を計画事項とはしていません。
 しかし、道路事業だけは別で、事業費総額を計画事項としているのです。それは、道路特定財源があるからです。
 道路財源を一般財源化すれば、このような異常な事態はなくなります。
 もともと、戦後49年にガソリン税を導入したときは一般財源でした。また、54年の法律で道路特定財源としたときも、ガソリン税は「目的税ではない」とされていたのです。この点については、財務省も「その通り」と答えました。
 それなら、道路財源特例法がなくなれば、現在あるガソリン税などは、そのまま一般財源となるはずです。このさい、特定財源をやめて一般財源化し、暫定税率を撤廃すべきです。

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