憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【08.01.17】防衛政策根本的見直しと平和外交の努力こそ必要名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2008年1月17日
1月11日の衆議院本会議で、新テロ対策特別措置法案を、自民、公明両党の3分の2以上の多数で再議決が強行されました。賛成340、反対133でした。衆議院での再議決は、57年ぶりのきわめて異例な事態です。
国民のなかでは、賛・否が2つに分かれているのに、このような強行可決をおこなうことは民意を無視するものです。
それに先立つ参院本会議で、民主、共産、社民各党の反対多数で否決されました。政府・与党は、国民の声と参議院の意思を重く受け止めるべきです。
本会議終了後、衆議院議員面会所でただちに抗議集会を開きました。私は、CBCテレビのインタビューを受けました。
そもそも新テロ特措法案は、6年間におよぶアメリカの「対テロ戦争」を支援してきたことへの総括も反省もなしに、またこの間のアフガニスタンや国際情勢の変化をかえりみず、国民世論を無視して「再派兵、先にありき」でごり押しされたものです。
11月1日に、自衛隊はインド洋から撤退したにもかかわらず、福田首相はブッシュ米大統領への約束を果たすため、再派兵のための新法を国会に提出し、しかも2度にわたって会期を延長してまで、あくまでも強行してきました。そのうえで、参議院が否決するや、ただちに衆議院の3分の2の多数でくつがえし、成立をはかったのです。
海上自衛隊をインド洋に派遣し、アメリカの報復戦争支援を再開するものです。世論や参議院の意思を一顧だにせず、数の力を頼んで何が何でも押し通すという姿勢は、あまりにも横暴です。
戦争でテロはなくせないことは、もはや明らかです。いま、日本がなすべきことは、和平のための外交努力です。
アフガニスタンでは、カルザイ大統領自身が空爆に反対し、タリバンを含む武装勢力との交渉による「平和と和解のプロセス」に踏み出しているのです。
国会がやるべきことは、米軍にただで石油を供給することではなく、徹底的に日米軍事利権の徹底解明することです。さらに、兵器調達、米軍再編、ミサイル防衛など、守屋防衛事務次官のもとで進められてきた防衛政策の根本的な見直しです。