憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【07.12.20】誰のための労基署か トヨタ過労死裁判勝訴 会社側の言いなり名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2007年12月20日
トヨタ自動車・堤工場に勤務していた内野健一さん(当時30歳)が、2002年2月9日午前4時20分頃、業務引継をしていた残業時間中、上司の横で致死性不整脈を発症して倒れ搬送先の病院で死亡しました。
この件について、豊田労働基準監督署長は「業務外」とした不当な決定をおこないました。遺族の内野博子さんは、この決定を取り消し、きちんと「労災認定」するよう裁判に訴えたたかってきました。
11月30日、名古屋地方裁判所は、労基署の決定を取り消し、内野健一さんの死亡は、業務上であると認める判決を言い渡しました。死亡が労災によるものだと判断し、豊田労基署・署長の決定の誤りを明確にしたのです。
私は先日、原告の内野さんをはじめ、弁護団、内野さんの労災認定を支援する会、NPO法人愛知健康センター、地元市議などの方々とともに、厚生労働省への要請をおこないました。
これ以上遺族を苦しめないよう、名古屋地方裁判所の判決を真摯に受け止め、控訴しないことを求めたのです。
その結果、ついに12月14日、厚生労働省は「控訴しない」という決定をおこない、判決に従う姿勢を示しました。
ふり返ると、3年前の12月17日、内野さんの妻、6歳と4歳の子どもたち、そして支援の方々といっしょに厚生労働省と交渉したのが最初でした。子どもたちも、小学生になりました。
過労死した内野健一さんは、月に144時間も残業をしていました。
上司から任命され、なおかつ査定にも響く実態があったにもかかわらず、QCサークルリーダーとしての仕事、組合の職場委員、職制会の広報係、交通安全リーダー、新人教育係などの仕事は、「労働時間外」だという会社側の言い分には驚きました。
しかも、労基署がその会社側の言い分を、そのまま認めていたのです。これは、あまりにも実態とかけ離れていました。
労基署は、労働者を守るための組織ではないのか。本来の姿勢に立ち返るように求めるとともに、過労死のない日本をつくるため力を尽くす決意を固めました。