憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 談話
【07.12.05】政治資金規正法改正に関する与野党実務者協議の「とりまとめ」についてのコメント
2007年12月5日
日本共産党 佐々木憲昭(担当実務者・国対副委員長)
1、「政治とカネ」をめぐり、国民の政治不信が高まるもとで、疑惑の解明とともに、政治資金の透明性・公開性を高めることが強く求められている。今回の与野党協議にあたって、わが党は、政治資金の公開性をはじめ「入」の問題(企業団体献金の全面禁止、政党助成制度の廃止)をふくめた改革を提案したが、残念ながら、協議の中心は、報告書の「適正化」と「領収書の問題」に限定された。
2、本日の実務者協議でとりまとめられた「合意事項」は、収支報告書のインターネット公開など部分的に評価できるものもあるが、前提として「政治資金適正化委員会」や「監査制度」の枠組みを導入することを中心としており、同意できない。
- 政治資金は、その収支を公開し国民の不断の監視におくことが基本である。公開の前提として「政治資金適正化委員会」を設置し「監査制度」を導入することは、政治資金規正法の目的に異質なものをもちこむこととなる。しかも、それらの運用によっては、政治活動への介入のおそれがある。
- 「すべての支出の公開」としながら、適正化委員会に、報告書の記載の仕方や監査マニュアルづくり、さらには、領収書の「非公開の基準」づくりまで委ねるとしているが、これ自体が矛盾している。国民が求めているのは、収支をありのままに公開することであって、監査人の“お墨付き”ではない。また、対象団体を国会議員・候補者の関係団体としているが、対象とならない団体もある。極めてあいまいで矛盾が多い仕組みとなっている。
- 政党交付金は、税金を原資とした政治資金そのものであり、受領政党の収入の大半を占めている。したがって、政党交付金の支出の全面公開は当然である。今回の協議の当初から、わが党だけでなく、自民・公明両党も主張し、協議の中でも異論はでなかった。ところが協議の意見集約にあたって、突然「今回は政治資金規正法に限る」として、政党交付金の支出の公開を法改正の対象から除外したことは、極めて遺憾であり、到底納得できない。
- なお、「収支報告書」を国民が監視しやすくするために、「報告書の閲覧時の複写」や「インターネット公開・印刷」を可能とすることは、わが党がつよく主張したものであり、当然の措置である。