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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【07.09.27】問答無用の名工大2部定員削減 夢奪う産学協同研究のしわ寄せ名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2007年9月27日


 愛知県名古屋市にある名古屋工業大学は、1905年に設立された歴史ある工学系の大学です。
 2年前の2005年に創立100周年を迎え、卒業生は5万人を超えています。
 この大学で、いま突然2部の定員140人を20人へと7分の1に大幅な縮小計画が出されて大問題となっています。昼間働きながら夜勉強する学生のために、つくられているのが2部です。
 9月3日に、2部学生自治会から、私たちのところに請願書が届けられました。
 学生自治会は、7月前期授業終了までの1ヶ月間、署名活動を行い600筆があつまりました。全学生は900人ですから、多くの学生が署名したことがわかります。
 国立大学の学費が異常に高いなかで、名工大2部は半額となっており、教育の機会均等を保障する上で、たいへん重要な役割を果たしてきました。
 ところが、今年の7月になって、2部の定員を7分の1に大幅に削減する計画が公表され、学生や父母、卒業生などから大きな怒りをかっています。
 縮小の理由は、「勤労学生の数が減少したから」というのですが、その「勤労学生」の数字は、正規雇用だけを対象にしたものです。学生の労働形態は、パートやアルバイトなど非正規雇用を含めさまざまです。
 それなのに、正規雇用だけの数字をとりあげて「勤労学生は減少した」と断定するのは、統計の取り方からいっても正確ではありませんし、現実に多様な働き方をしている学生の現状を無視するものです。
 大学当局は、当初、今年の1月に「廃止」案を文部科学省に提示していました。それ自体、とんでもないものです。
 しかし、そんな乱暴な案では文部科学省の理解を得られないと判断したのか、定員の大幅縮小計画に切り替えたのです。しかし、140人を20人に減らすのですから、単なる「縮小」ではなく事実上の廃止につながるものです。
 大学当局の対応も問題です。それまでは学生にまったく公表せず、計画を決めて6月21日の概算要求の際に提出したあとで、7月になって「定員縮小計画」を公表したのです。しかも学生には「もう決まったことだ」といって、抗議の学生や家族の声に耳を貸さないのです。これは、あまりにも一方的ではないでしょうか。
 夜、集まってくれた学生は、名工大2部が働きながら勉強する上で、どんなに良い大学か。「縮小すると後輩、や家族が困る」と、話してくれました。みんな、友人や家族思いのすばらしい学生たちでした。
 なぜ、このような乱暴な「縮小計画」が出されたのでしょうか。
 背後にあるのは、トヨタ自動車など大企業が、自分たちに都合の良い産学協同の研究を大学院ですすめるため、その定員を増やすためです。その大学院に、教員などを集中的に配置するため、2部がしわ寄せを受けるかたちになったのです。
 「働きながら学びたい」と願う若者の夢を奪うようなことは、絶対にやってはなりません。

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