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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【07.08.30】10日召集 臨時国会 民主が自立支援法改正案 野党一丸障害者救う好機名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2007年8月30日


 安倍内閣は、8月上旬に来年度予算の大枠を定めた概算要求基準を決めました。
 それによると、社会保障費の高齢化にともなう自然増分7500億円を2200億円圧縮しています。その一方、大企業の要求に応える「成長力強化」などの重点要望枠を今年度の倍の6000億円に拡大し、米軍再編経費は「必要な措置を講ずる」と特別扱いしています。
 予算の前提となる「基本方針2007」(骨太方針)は、小泉内閣の社会保障費削減や庶民増税の財政方針をそのまま引き継いでいます。
 このシーリングの基本方向を決定付けたのは、8月6日の経済財政諮問会議に、御手洗冨士夫・日本経団連会長など4人の民間メンバーが提出した「平成20年度予算の全体像に向けて」という提言でした。
 そこには“景気回復が続くから最大限の予算削減をやっても大丈夫だ”とされ、「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させる」と明記していました。
 しかし、参院選挙の結果は、このような方向に“待った”をかけたのではないでしょうか。「はじめに福祉削減ありき」という姿勢を改めるべきです。
 他方、民主党は、昨年4月に施行された障害者自立支援法の改正案を次期臨時国会に提出する方針を固めたそうです。
 そこには、障害者が福祉サービスを利用した際にかかる原則1割の自己負担を凍結し、利用者の所得に応じて負担する、以前の制度に戻すことを盛り込んだと報道されています。
 障害者自立支援法による負担増の撤回は、民主党自身が「マニフェスト」で公約している課題で、その内容は、私たちも基本的に賛同できるものです。
 日本共産党や社民党など野党がこぞって賛成すれば、その改正案は参院を通過する公算が大きくなります。そうなれば逆に、衆院での与党の対応が焦点となります。
 昨年4月に施行された障害者自立支援法は、福祉サービスや自立支援医療(更生、育成、精神通院医療)に原則1割の「応益負担」が導入されました。
 障害者が人間としてあたりまえの生活をするために必要な支援を「益」とみなして負担を課すという「応益負担」は、憲法や福祉の理念に反するものです。
 しかも、障害が重い人ほど負担が重くなり、負担に耐えられない障害者はサービスを抑制しなければならず、障害者と家族が苦しめられています。
 報酬単価の引き下げや日払い化で施設・事業所の経営は苦しくなり、廃園に追い込まれた施設もあります。
 法律を見直せと立ち上がった障害者団体の努力などで、政府も、2008年度までの期限付きで、利用料を軽減するなど1200億円の「特別対策」を実施せざるをえなくなりました。
 いまこそ、障害者自立支援法の大幅見直しをおこない「応益負担」の撤回を求めるべきです。

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