憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【07.05.24】政治献金しながら巨額の保険金不払い、あきれた生損保業界名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2007年5月24日
先日、財務金融委員会で、保険金不払い問題について参考人を招致して質疑をおこない、私も質問しました。
参考人として招致されたのは、生命保険協会会長の斎藤利勝氏(第一生命社長)、損害保険協会会長の石原邦夫氏(東京海上日動火災社長)です。
意見陳述の後、質疑をおこないました。私は、「契約通り保険金が払われないなら契約違反になる。業界も各社も根本的な信用が問われている」と指摘しました。
そのうえで、個人の立場から見ると、契約から支払いまで長い期間がかかる場合があるため、うっかり忘れていたり記憶にないという場合がありうる。それで請求漏れが発生したら、それは個人の責任になるのか、それともフォローすべき会社側に責任があるのかと聞きました。
これにたいして、生命保険協会会長の斎藤利勝氏は、契約通り払うべきで「基本的には会社の側に責任がある」と答えました。
さらに私は、専門的知識を持っている職員を大切にすることの重要性を指摘し、安易な人減らしをおこなわず人員を確保することをもとめました。
また、日本損害保険協会の石原邦夫会長(東京海上日動火災保険社長)は、損保の自動車保険特約などの保険金不払いが4月末時点で、26社で47万件、349億円になることを明らかにしました。医療分野など第三分野での不払いは、21社で5760件、16億円にのぼることも認めました。驚くべき金額です。これは当然、ただちに契約者に支払うべきです。
石原氏は、不払い問題の原因として、保険自由化・規制緩和による商品の複雑化、損保業界の医療分野への参入に、システムや人的な対応が不十分だったと述べました。生命保険協会の斎藤勝利会長(第一生命保険社長)は、不払いの原因について、保険契約者に保険金を請求してもらう意識の徹底が欠けていたとのべました。
そのうえで、生保業界の対応として、9月ごろまでに追加で支払うべき契約を特定し、「遅くとも11月ごろまでに支払いを完了する」という考えを示しました。
また、国民政治協会(=自民党)への企業献金について、2005年まで続けているが、2006年、2007年はどうなっているか、その額はいくらかとただしました。2006年に、第一生命は933万円、東京海上日動火災も1764万円の献金をおこなっていることを認めました。2007年については、まだ実施していないと答えました。
私は、「まず、支払うべき相手は契約者ではないか。政治献金はやめるべきだ」と指摘しました。