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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【06.12.07】欧米の逆をいく企業献金容認 政治資金規正法改悪は国民の権利侵害名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年12月7日


 自民・公明・民主・国民新の賛成多数で採決された外資系企業からの献金を容認する「政治資金規正法」改悪案は、重大な問題を含んでいます。日本共産党と社民党は、この法改悪に反対しました。
 政治資金規正法は、政治資金は「国民の浄財」であると規定し、「政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発展に寄与する」という目的をかかげています。このことからも、国民自らが支持する政党に政治献金をおこなうことは、国民の政治参加の手段、参政権の一つと位置づけられているのです。この原則は、制定以来、一貫して変わらないものです。このもとで、量的規制や罰則など政治資金規正の強化をはかってきたのです。
 今回の法案は、この流れに逆行し、政治資金規正法の二大柱である、政治資金の質的規制と公開の両面から、後退させるものです。「外国人等からの献金禁止」規定は、質的規制の根幹をなすものです。それに穴をあけるのは、これまで「外国の勢力によって影響を受けることを未然に防止する」としてきた国家主権にかかわる原則を180度転換するものです。
 日本経団連会長が外資企業キヤノンの御手洗氏に交代したことをうけ、その献金を期待し、根本原則を変えることは、断じて許されません。
 提案者は、財務諸表などを公開し上場基準を満たした企業であるから、外国からの影響を受けることにはならないと説明しています。しかし、献金の是非という国民の参政権にかかわる問題を上場基準にゆだねること自体、重大です。もともと上場基準は、免許を受けた民間企業である証券取引所が市場運営の観点から定めたものにすぎず、外国からの影響力排除に何の担保にもなりません。
 提案者が基準を修正して、上場期間を5年以上にしたからといって、影響力排除の観点からは意味を持ちません。
 また、外資献金規制の撤廃は、欧米諸国の趨勢であるかのように言います。しかし、アメリカは企業献金そのものを禁止しており、ドイツ、イギリスもEU圏内に限定しているのであり、このような理屈はまったく成り立ちません。企業献金禁止こそが、世界の流れなのです。
 また法案では、情報公開法の開示期間の限定を法定化しています。これは、公開によって不当な資金の授受を未然に防止するという法の目的、政治資金の公開を狭めるものです。
 企業が政党や政治家にカネをだし政治に影響をあたえるということは、主権者である国民の基本的権利を侵すということです。いま必要なのは、企業・団体献金の禁止ではないでしょうか。

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