憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【06.11.23】消費者金融 情報開示と過払い返還を名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年11月23日
いま、日本ではサラ金の高金利規制が弱いため、200万人の多重債務者が生まれ、20万人の自己破産が毎年あります。これ自体、きわめて深刻です。
衆議院の財務金融委員会で、サラ金規制法案の審議に関連して、参考人質疑がおこなわれました。出席したのは、全国貸金業協会連合会(全金連)会長の石井恒男会長(富士信社長)、プロミスの神内博喜社長、アイフルの福田吉孝社長、全国銀行協会の畔柳信雄会長(三菱東京UFJ銀行頭取)、信託協会の森田豊会長(住友信託銀行社長)、生命保険協会の斉藤勝利会長(第一生命保険社長)です。
私は、これら多重債務者が「自分の債務がどのようになっているか、資料も手元にないひとが多い。最近は、過払い返還請求が各地で起こっているが、これまでの債務履歴を開示することがもとめられている。誠実に対応すべきだ」と聞きました。
これにたいして、全金連の石井会長は「金融庁のガイドラインに沿って、開示する」と答えました。
次に、プロミスとアイフルの社長に、「弁護士が代理人とならない場合でも、債務者本人が直接、過払い返還請求をした場合、誠実に対応するか」とただしました。
プロミスの神内社長は、「弁護士等第三者を含めて、任意性があったかどうか判定をいただく」と答えましたが、アイフルの福田社長は、「弁護士の介在なしに、債務履歴や過払い請求があったときにも誠実に対応させていただく」と答えました。
全金連の石井会長は、今度の法案にある金利規制も総量規制も「副作用が強い」ので賛成できない旨の意見陳述がありました。
私は、これまで全金連は、金利引き上げを求めて政治家などにさまざまな働きかけをおこなってきたのではないか、と問いただしました。
たとえば、2003年のヤミ金規制法制定の際、出資法の上限金利を29.2%から34.675%に引き上げる方針を決め、その実践組織として「金利・業法部会」をつくって、福田吉孝氏(現アイフル社長)が責任者となって活動してきました。
そのさい、全金連は「議員の業界に対する理解が不足」しているという考えのもとに、マスコミ、行政、政治に働きかけてきたのです。
関係者の話によると、全金連の理事会で福田氏は「ヤミ金がひろがったのは、我々にとっては金利引き上げへの追い風だ。ミサイルが手に入ったようなものだ」と、重大な発言をしていたそうです。
この事実を確かめると、福田社長は「記憶にない。前後関係があったのではないか」とのべ、発言を否定しませんでした。
ところが、全金連の石井会長は「ヤミ金対策活動を、利上げのためにやったというのは見当違い」と開き直りました。
私は、「それなら証拠として、議事録を提出せよ」と求め、財金委の理事会で検討することになりました。