憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【06.11.09】高齢者年金の課税額40倍 好調企業から取るべき名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年11月9日
先日、衆議院の財務金融委員会で高齢者の負担増について質問しました。――尾身財務大臣は、高齢者への年金課税強化によって2007年度の所得税・住民税の税額が2001年度と比べて約40倍に達するケースのあることを認めました。これは、たいへんな増税です。
たとえば、夫の年金収入が年225万円(妻の年収79万2000円)の高齢者夫婦世帯の場合、2001年度には所得税・住民税の合計額がゼロ円だったものが、07年度には2万7600円に増加します。
同様に、夫の年金収入が300万円(妻の年収79万2000円)の場合、2001年度に3600円だった所得税・住民税額が、2007年度には14万1600円に、約40倍に税額が増加します。この事実については、尾身財務大臣も認めました。
厚生労働省は、この増税に加え、介護保険料や国民健康保険料の引き上げ、介護の利用者負担増を考慮すれば、夫の年金収入が年225万円(同)の高齢者夫婦世帯の場合、2007年度の負担額が、年に約120万円にもなることを明らかにしました。
尾身大臣は、「世代間のバランス」だとか「制度の持続」などの理由をあげました。しかし、このような負担増の事実を否定することはできませんでした。
私は、「所得税・住民税だけでも30倍、40倍のたいへんな負担増だ。保険料や利用料を加えると、年収の半分近くが消える。高齢者を身ぐるみはぐような過酷な仕打ちではないか」と批判しました。
そのうえで、私は、空前の利益をあげている大企業が、まともに税金を支払っていないと指摘しました。特に6銀行グループが、3兆円以上の利益をあげながら法人税ゼロという異常な実態にあります。
3兆円以上の利益を上げていれば、常識的には1兆円くらい税金を払ってもおかしくないでしょう。ところが、不良債権処理で欠損金が出たからという理由で、利益が出ても法人税を払わないのです。常識では、まったく考えられません。
銀行は、税金の投入=公的資金を受けて破綻を免れました。その結果、今日では莫大な利益を上げるようになったのですが、法人税を1円も納めていないのです。それだけではなく、庶民の預金金利もまともに上げていません。逆に手数料だけはどんどんあげて、庶民の負担を増やしているのです。
許せないのは、三菱UFJフィナンシャル・グループが、日本経団連の要請を受け、9年ぶりに政治献金を再開する検討に入ったと報道されたことです。税金も納めず、国民に還元もしないのに、自民党にだけは献金を再開する。……いったい誰のための銀行なのでしょうか。