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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【06.08.31】“安倍首相”の危険な構想 対米従属の強権政治志向名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年8月31日


 安倍晋三官房長官が、自民党総裁選挙で打ち出す政権構想の骨格が、マスコミの報道などで次第に明らかになりつつあります。
 まず、憲法改悪のスピードアップです。――安倍氏は横浜市内で開かれた自民党北関東・南関東ブロック大会に出席し、「新しい憲法を制定すべく、政治スケジュールにのせるべくリーダーシップを発揮していくときがやってきた」とのべ、自民党総裁選に向け憲法改定を政権構想の柱の一つと位置付ける考えを示しました。
 官邸主導の強権的政治への志向も強めています。たとえば、米国家安全保障会議(NSC)と同様の組織を首相官邸に設置する考えを表明していますし、政務の官房副長官を増やすなど、首相官邸の機能を強化する意向も示しています。安倍氏の構想では、現在2人(衆参各1人)の政務の官房副長官を5人に増やし、それぞれに外交、教育、福祉などの政策分野を割り振るというのです。従来の官房副長官は官房長官の補佐的な役割だったが、新政権では首相直属の性格を強め、政策面での首相の指導力強化につなげたい考えと言われています。
 これは、財界の目指す「スピーディーな政策執行」の体制づくりなのでしょう。しかし、対米従属下で軍国主義復活をいっそう進めようとする強権的な志向を感じます。
 アメリカの言うことはよく聞くが、国民や国会の声には耳を傾けないというのでは、たいへん困ります。
 たとえば、国民の負担で米軍再編の費用負担を進めようとしていることにも、それがあらわれています。
 じっさい、米海兵隊のグアム移転費の負担について、海軍長官が「アメリカ政府は日本ほど気前よくない」と語っていることが、「赤旗」ワシントン特派員の通信で分かりました。日本が、いかにアメリカ言いなりか明らかです。
 グアム地元紙「パシフィック・デイリー」(25日付)が報じたところによると、在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する米側の費用負担について、実施に責任を負うウィンター海軍長官が、日本を「まねるのは困難」となりそうだとの見通しを示したそうです。
 これはグアムのカマチョ知事が24日、同長官との会談後に明らかにしたもの。同紙によると、海兵隊移転に伴う基盤整備について、地元当局は約9億ドルが必要と試算しました。同知事は、「日本では(米軍基地)受け入れ国政府(=日本政府)が建物の建設や職員の給与を支払っている」と指摘し、これにたいし「グアムの場合、基盤整備のニーズは連邦議会でその他の国費支出と優先順位を争うことになる」(同知事)と伝えています。
 これは、米政府は日本政府のように気前よく支払いは出来ないことを指摘したものです。
 じっさい今年の5月に、総額約103億ドルのうち、日本側が費用の59%、約61億ドルを負担することで合意しています。
 日本が、財政危機を理由に国民に耐え難い負担を押しつけるているのに、その一方で、なぜアメリカのため、こんなに血税を注ぎ込まなければならないのでしょうか。

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