憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【06.07.06】福井総裁の資産3億5千万円超 オリックスは集金マシン荒稼ぎ名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年7月6日
衆院財務金融委員会では、数度にわたり日銀の福井俊彦総裁を参考人として招致し質疑がおこなわれました。私も、「村上ファンド」への投資問題について質問しました。
福井氏の投資先が、政府の規正改革・民間開放推進会議の宮内義彦議長が会長を務めるオリックスが集金マシンとなり、村上世彰容疑者が運用してもうけ、それに便乗してオリックスも利益をあげる仕掛けとなっていました。
福井氏が「アクティビスト投資事業組合」に1000万円を出資する際の契約先が、オリックスだったと指摘しましたが、それを福井氏は認めたのです。
オリックスが集めたカネを、上部組織の「統合アクティビスト投資事業組合」に出資し、その資金を、さらに村上容疑者が関与する英国領ケイマン諸島にあるファンドに出資して、運用する仕掛けだったことが、内部資料でわかりました。――私は「オリックスという親亀の上に、村上容疑者という小亀が乗っていたというのが実態だ」と迫りました。福井氏は「村上氏が親亀だと理解していた」とのべました。
また、オリックスが「業務執行組合員」として、一連の出資・運用の仕組みのもとで特別な権限を握っていたことを「契約書」をもとに指摘しました。
出資者の「一般組合員」には、追加出資等が認められないのに対し、オリックスはいつでも任意に追加投資、中途解約ができ、手数料として運用資金の2%が自動的に転がり込むのです。オリックスが特別な権限を持ち、たいへんな利得をうる仕掛けになっていたのです。
私は、日銀が組合契約書を同委員会の理事会に提出したものの、公開を拒んでいることについて、「オリックスが儲かる仕組みをつくっていたことを知られるのが困るからではないか」と追求しました。実態解明のために、宮内氏の参考人招致は不可欠だと求め、福井氏には総裁辞任をあらためて求めました。
その後、福井日銀総裁から収入内訳や金融資産の保有状況に関する資料の提出がありましたが、驚きました。
2006年3月末の福井総裁の金融資産は、すでに明らかになっている村上ファンドへの拠出分や民間企業株式5銘柄を含めて総額2億8800万円、総裁の妻の金融資産、貯金や阪神電鉄の株式など6000万円余りを合わせると、金融資産の合計は3億5000万円を超えていることが分かりました。
総裁の妻名義の民間企業株式は2銘柄で、7000株を保有しています。その2銘柄とは、2000年8月に購入した阪神電鉄2000株、2000年に相続した高島屋が5000株です。庶民の生活とはほど遠い高額の資産保有ぶりが、あらためて分かりました。
問題は、資産の額だけではありません。――村上ファンドにたいして、事実上、利殖目的で投資をして利得を得、総裁になってからもそれを続けていたことです。
国民の7割が辞めるべきだと言われている総裁が居座ってつくった日銀の金融政策など信用されるものではないでしょう。きっぱりと辞職すべきではないでしょうか。