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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【06.05.25】犯罪に合意しただけで罪に問える『共謀罪』廃案に全力名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年5月25日


 犯罪を実行しなくても、合意しただけで罪に問えるのが「共謀罪」です。
 政府が出した法案によると、対象となる団体の定義はあいまいで、対象犯罪も広範囲にわたっています。そのため、捜査当局による乱用、自白偏重の捜査の横行、思想・信条・内心の自由の侵害などのおそれがあり、法曹界や市民から強い批判と懸念を呼んでいます。
 日本ジャーナリスト会議(井上ひさし会長)は15日、「共謀罪の廃案」を求める緊急声明を発表しました。
 そのなかで、「そもそも今回の共謀罪法案は、国連総会で採択された『国連越境組織犯罪防止条約』に基づいて国内法を整備する必要から制定されるというものであるが、条約の趣旨からいって、人間の内心の自由や市民的活動に法網をかぶせるなど、あってはならないことである。にもかかわらず、法案は600にもおよぶ法律にかかわり、この時代、この社会に暮らすすべての人間を捕捉し、その自由を束縛し、個々人の内心に土足で踏み込むような内容となっている」と批判しました。そのうえで、「修正しようとも、基本が変わっていない以上、市民の自立的な表現や活動が阻害されるのは目に見えてい」ると述べています。
 自民・公明の与党と民主党のあいだで修正協議も行われていますが、適用を「組織的な犯罪集団」に限定するとか、「共謀」の定義を狭くしたといっても、基本的な性格は変わりません。私たちは、「あれこれの修正ではなく廃案を」との立場をとっています。
 与党側は先週、「共謀罪」の対象となる団体を「共同の目的が長期5年以上の懲役・禁固の刑が定められている罪を実行することにある団体」とする「再修正案」を単独で提出しました。しかし、これまでと大きな違いはありません。
 先週の金曜日、与党は「協議が不調に終わった」という理由で、強行採決に踏み切ろうとしました。しかしそのとき、河野洋平衆議院議長がのり出しました。議長は、与党と民主党の国会対策委員長を呼んで「今日すぐに強行採決をするというのは好ましくない。与党は思いとどまってほしい」と言いました。
 これにたいして、与党側は「議長がおっしゃるならやむをえない」と受け入れたのです。ここまで追い込んだのは世論と運動の力です。今のところは、国民の怒りの前に強行採決は断念せざるをえなくなりました。
 しかし、与党は、共謀罪の詳細が広く知れ渡ることを恐れるかのように、依然としてまともな議論もせず、今週中にも強行採決に持ち込もうとしています。――私たちは引き続き、廃案に追い込むため全力をあげています。

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