憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【06.04.13】『無罪』村岡元長官の裁判で暴かれた自民党の腐敗体質名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年4月13日
先日、東京地裁は村岡元官房長官にたいして無罪判決を言い渡しました。
村岡元官房長官は、日本歯科医師連盟から自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件で、滝川元会計責任者と共謀しヤミ献金処理をしたとして政治資金規正法違反の罪に問われていました。
判決は、滝川氏の証言を「疑問な点が少なくなく、到底信用できない」と述べました。
その理由として、「平成研への打撃を最小限に食い止めるとともに」「自民党全体あるいは国政協に事件が波及し、その不透明な献金処理方法が白日のもとに曝されるのを阻止するため」とのべたのです。
この裁判で、1億円を受け取った橋本元首相、同席した青木自民党参議院会長、野中同党元幹事長などが証人出廷したが、これらの政治家が巨額の裏金を受け取った理由、その見返り、使途など、何ら語ろうとしませんでした。
そのため、真相はこれまでの裁判では明らかになりませんでした。
また、これまで与党が、橋本氏らの証人喚問をうやむやにし国会の場での真相究明を妨害してきた責任も、あらためて問われます。
今回の裁判で明らかになったのは、国民政治協会などを経由した迂回献金、裏金処理、収支報告書の虚偽記載など、自民党の腐敗体質です。
献金した側の日歯連の幹部が、迂回献金の存在を具体的に証言したことは、たいへん重要です。自民党は、このことを不問に付すことは許されません。今後、国会でも徹底追及が必要です。
財界と官僚の癒着という点では、キヤノンの財界活動のため、経産省が課長を派遣したというニュースにも驚きました。
来月には、キヤノン会長・御手洗冨士夫氏が、日本経団連会長に就任する予定となっています。5月24日の経団連定時総会で、奥田碩会長(トヨタ自動車会長)が引退するかわりに、御手洗氏が会長になります。
ところが驚いたことに、その財界活動を支えるスタッフとして、なんと経済産業省が課長を派遣するというのです。経産省の課長は、今月17日付でキヤノンの経営調査部に配属される予定です。
それも、公務員の身分のままで、人件費はキヤノンが負担するというのです。同社の業務のほか、御手洗氏の財界活動も支えることになるそうです。
いったい、そんなことが可能なのでしょうか。……じつは、公務員制度「改革」の一環として2000年3月に施行された官民人事交流法によって、それが可能になっているのです。
これは、いよいよ政府・官僚組織が、財界・大企業との癒着をいっそう深め、国民から遠ざかっている証拠です。
いまこそ、政官業の癒着を断ち切るだけでなく、財界による行政と与党の支配を追及しなければなりません。