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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【06.03.30】自民党は外資からも政治献金を受け取るというのか名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年3月30日


 政治資金規正法では、外資系企業の献金が禁止されています。それれに穴をあける法案を国会に出すことを自民党が決めたそうです。これまで、そのような政治献金の緩和はほとんど例がなく、自民党もそこまで堕落したかと思わざるを得ません。
 政治資金規正法は、外国人と外国法人のほか「主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織」の献金を禁止しています。それは、政党や政治家が、外国勢力の献金で不当な影響を受けないようにするためです。
 これまでの総務省の見解では、規制対象となる企業は、構成員の過半数を外国人・外国法人が占める団体、外資の持ち株比率が50%を超える企業です。
 ところが最近は、アメリカを中心とする外国企業の株式保有が広がり、大企業のなかでも外資比率が5割を超える企業が増えてきました。東証一部上場企業でも、キヤノン、オリックス、日産自動車まで「外資」となっています。そのうえ、外資系企業による日本企業の買収が容易になる改正会社法が来年から施行されると、さらに「外資系」が増えることが予想されからだというのです。
 そうなると自民党の資金源が先細りしてしまうというので、「外資系」からも政治献金をもらえるようにしたいというのです。右手で、国民の税金を山分けする政党助成金を受け取っていながら、左手で外資系企業からの献金ももらうというのは、あまりにも虫が良すぎませんか。
 自民党案を見ると、そのやり方は、外資系企業のうち国内に本社がある上場企業を規制の対象から外し献金できるようにするものです。
 それには、もうひとつ理由があります。じつは、日本経団連が、奥田会長の後任に、キヤノンの御手洗冨士夫社長をあてることを内定したからです。そのキャノンが、「外資」の持株比率が50%以上となっているため献金できないからです。キャノンは、経団連会長として、大企業に献金せよと号令をかけられない。だから、経団連も御手洗氏も制度の変更を求めたというのです。そんなことで法律に穴を開けるというのは、とんでもないことです。
 もともと企業・団体献金は、財界の政治支配を強めるてことなり、数々の汚職・腐敗の温床となってきました。もともと投票権のない企業が政治献金をすることは、政治を歪めることにつながるのです。
 投票権のある国民が政治の主権者なのですから、政治資金が認められるとしても、それは国民の政治参加の手段として認められるばあいに限る。――これが、ほんらいの政治献金のあり方です。
 投票権もなく政治の主権者ではない企業が、献金をしてはならないのです。ましてや外国人や外資系企業に献金が認められないのは、当たり前ではありませんか。

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