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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【06.02.17】官製談合温床 高級官僚の天下りは全面的に禁止を名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年2月17日


 私は、先日の衆院予算委員会で、防衛施設庁の官製談合事件をとりあげ、質問しました。
 防衛施設庁というのは、防衛庁長官の指揮のもと、自衛隊と在日米軍が使用する施設の建設や管理をおこなっています。年間予算は約5000億円で、その半分が「思いやり」の名で、条約上の義務もないのに米軍基地のために投入されています。
 今回、逮捕された技術審議官は、長官、次長に次ぐナンバー3の幹部です。その手口は、防衛施設庁が受注予定業者を決めた配分表をつくり、OBの天下りの受け入れが多いか少ないかという実績に従って、各社に工事を割り振っていたのです。
 発端は、自衛隊中央病院などの空調設備工事だが、それ以外にも大手ゼネコンがかかわった談合疑惑として、米軍岩国基地、佐世保基地にも捜査が及んでいます。
 さらに驚いたのは、落札率の高さです。落札率というのは、発注者側の予定価格に対する実際に落札した価格の比率のことです。自衛隊基地における2004年度の1億円以上の工事契約の落札率の分布をみると、落札率95%以上が約7割に達しています。また、落札率90%以上は、約9割にも及んでいます。
 公正取引委員会によれば、1996年から2003年3月の間の入札談合で、排除勧告や課徴金の納付命令が出されたケースでは、落札価格が平均で18・6%下がっています。これは、談合で約2割も価格がつり上げられていたことをしめすものです。落札率で95%を超えるのは、それだけでも談合の疑いがあります。
 日弁連の「入札制度改革に関する調査報告書」でも、入札制度の改革で、長野県では96.4%から75.5%へ、宮城県では95%から79.5%になったと書かれています。日弁連のこの「報告書」では、「落札率は、談合しているかどうかを判断するための主たる基準になる」と指摘しているのです。
 逮捕された前技術審議官は「全国の建設・土木工事で官製談合が行われていたと供述しています。私が「米軍も自衛隊も、洗いざらい調査し、すべての結果を報告せよ」と求めたのにたいして、額賀防衛庁長官は「再発防止のためにどういう対応していくか。そういう目的に沿って公表し、議論したい」とのべ、調査と報告を約束しました。
 防衛庁長官は、「施設庁の解体」でメスを入れるといいますが、官製談合の温床となった天下りを放置したままでは、より大きな規模で談合が繰り返されるだけです。
 ヨーロッパでは、高級官僚は定年まで勤め、その後、年金生活に入ります。日本のように50歳代なかばで退職して天下りするなどという制度は、いっさいありません。高級官僚の天下りは全面的に禁止するのが当然です。

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