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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【06.02.02】米国産牛肉 検査をアメリカ任せにした政府姿勢こそ問題名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年2月2日


 牛海綿状脳症(BSE)危険部位が取りのぞかれていない米国産牛肉が、日本の輸入検疫で発見された問題が国民にショックを広げ大きな問題となりました。
 国会では、昨年12月の米国産牛肉の輸入再開前に実施するとしていた政府の現地調査が、きちんと行われていなかったことが明らかになりました。その背景には「アメリカがやってくれるだろう」という政府の“あなたまかせ”ともいうべきいい加減な姿勢がありました。
 そのアメリカは、1月24日に、米国産牛肉の再禁輸措置をめぐる日米両政府の局長級会合が外務省で開かれたさいの記者会見で、BSEの危険性を「車でスーパーに買い物に行って事故に遭う確率の方がよほど高い。その事実を日本の消費者に伝えたい」(ペン農務次官)と指摘したというのです。日本の国民をなめきった態度だと言わなければなりません。
 だからこそ再開前の調査が大事なのです。それは、閣議決定した政府答弁書で約束していたものです。その閣議決定通りやっていなかった事実を認めた中川昭一農水大臣の答弁をめぐって予算委員会の補正予算審議は、一時中断する事態となりました。
 農林水産省と厚生労働省がそれぞれおこなっている輸入時の抜き取り検査基準もきわめてゆるく、背骨などが発見されずに輸入されていた恐れがあるということです。
 農水省動物衛生課によると、農水省の抜き取り検査基準は輸入量の0・5%を目安に開箱し、目視でチェックするだけなのです。
 厚労省の検査基準も、段ボール数に応じて抜き取り数が定められており、50箱以下では開箱数はわずか12箱です。省の開箱検査では3つの箱から脊柱の混入がわかりました。
 農水省によると、昨年12月の輸入再開から禁輸した1月20日までに届け出があった米国産牛肉・内臓肉は約1.5トンで、ほとんどが市場に出回っています。いったい政府は、どう対応するつもりでしょうか。
 安倍晋三官房長官は、国内にすでに入っている米国産牛肉について、日本の輸入業者に自主調査と報告を求めることにしたといいます。しかし、これでは混入検査を業者まかせにするということではありませんか。国民の不安が広がるのも当然です。
 実効性のない検査体制のまま、米国産牛肉の輸入再開を強行した政府の無責任な姿勢が、あらためて問われています。

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