憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【06.01.19】ライブドアショックを考える名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年1月19日
ライブドア・グループによる企業買収に関連して、東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は、東京・六本木のライブドア本社と堀江社長の自宅などを証券取引法違反容疑で一斉捜索したことは、全国に衝撃を与えました。
次の日、1月17日午後の取り引きでは、ライブドア・グループの株が、証券取引法違反事件の影響を嫌気した大量の売り注文を浴びて、軒並み値幅制限の下限となるストップ安となりました。
これまで、有利な資金調達やM&A(企業の合併・買収)を繰り返し、グループを膨張させてきた“錬金術”のような「時価総額経営」は、根本的な見直しが必至となっています。
一斉捜索の容疑内容は、堀江社長らが株価をつり上げる目的で「虚偽事実を公表」したなどの疑いです。ライブドア関連会社は、2004年に出版社の買収を発表しましたが、既に出版社は事実上、ライブドアグループの傘下にあったそうです。そのため買収発表は、関連会社の株価をつり上げる目的だった疑いが持たれています。
日本経団連の責任も問われるのではないでしょうか。経団連は、ライブドアの入会を昨年12月13日に認めたばかり。入会して1カ月余りで強制捜査を受けたのですから、ことは重大です。
しかも、奥田経団連会長は、ライブドアの入会について「ああいう会社に企業倫理などを勉強してもらうことは、あの人たちにとっても経団連にとってもいいこと。企業倫理規定に違反しない限り入ってもらったらいい」(05年12月5日の定例会見)と歓迎していたのです。
奥田会長は、堀江社長についても「個人的に付き合えばまじめな人。あれだけのお金を運用して利益をあげている。若いが情熱をもった人として付き合っている」(05年10月19日の会見)と、天まで持ち上げていました。
自民党の責任もまぬがれません。昨年8月に郵政民営化関連法案が参院で否決され、小泉首相が衆院解散に踏み切ると、自民党の武部幹事長ら党幹部が堀江氏に出馬を打診したからです。
堀江氏は党公認で出馬はしなかったけれども、亀井静香・元自民党政調会長の「刺客」として、広島6区から立候補しました。その出馬会見は自民党本部で行われ、武部氏が同席するなど、「刺客候補」の象徴的存在でした。
堀江氏は、昨年10月にも自民党本部を訪ねて、党の財政強化策などについて意見交換するなど、関係が続いていました。……小泉さんは、このことをどう説明するのでしょうか。