憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 談話
【05.11.29】政府系金融機関の統廃合について
党財務金融部会長 佐々木憲昭 談話
2005年11日29日
経済財政諮問会議は本日、政策金融「改革」の基本方針を決定した。
重大なことは、中小企業向け政府系金融機関の強引な統廃合・民営化によって、中小企業の資金調達を困難にすることである。
基本方針では、「民間中小金融機関でも採算上供給困難な零細・中小企業への事業資金貸付は、政策金融として残す」としているが、新設される機関は、新たな財政負担がないもとで、直接貸出業務を縮小し、「部分保証、証券化、間接融資等の手法をできるだけ活用する」とされており、融資の方法や条件面で、これまでとは全く異質の機関となる危険性が高い。日本共産党は、日本経済を支える中小企業向け公的金融の縮小に反対する。
いま必要なのは、国民・中小零細企業の立場に立った政策金融の充実である。日本共産党は、天下りをなくし、無駄には思い切ってメスを入れ、中小零細企業・地域経済に必要な資金が供給される改革を求めるものである。
<解説>
政府系5金融を統合
経財会議方針 融資の半減明記
政府系金融機関の統廃合問題で、政府の経済財政諮問会議(議長=小泉純一郎首相)は二十九日、政府系金融機関の一本化を中心にした見直しの「基本方針」を決定しました。
「基本方針」は、八つある機関のうち五つを一つに統合、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は民営化、公営企業金融公庫はいったん廃止して地方へ移管する―というもので、二〇〇八年度から新体制に移行するとしています。
八機関で約九十兆円ある融資残高は、三年後に国内総生産(GDP)比で半減させることを明記。「間接融資等を通じた民間金融機関の補完」に集約する方向を打ち出し、これまで行ってきた直接貸し出しを縮小させる方針を示しました。
中小企業金融公庫が実施している「一般貸付」については、「国が行う必要はなくなった」(「基本方針」)として廃止を明記するなど、日本経済を支える中小企業に対する公的金融の役割を後退させる内容となっています。
国際協力銀行については、貿易投資金融からの撤退を表明。政策金融の機能として残す円借款業務のあり方に関しては、今後、有識者による検討を重ねて年内に結論を得たいとしています。
国民金融公庫の教育資金貸し付けは縮減して存続させるとしています。
▼政府系金融機関
政府が全額または大半を出資する金融機関。中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、公営企業金融公庫、日本政策投資銀行、国際協力銀行の八機関です。民間の金融機関では借りることが困難な国民や中小零細業者向けの融資のほか、農林漁業や大型開発、海外への政府開発援助などの分野を中心に長期・低利の融資を行っています。
(「しんぶん赤旗」2005年11月30日より)