憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【05.11.24】大企業には減税、庶民には大増税 こんな不公平はただちに改めよ!!名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2005年11月24日
国民のなかに、税の不公平感が大きく広がっています。
先日、みのもんたさんが司会の番組「「クイズ$ミリオネア政治家大会」でもそうでした。他党の議員が当たり前のように「消費税増税」を口にしていました。しかし、私は「庶民ばかりに負担を押し付けて、大企業の法人税や大金持ち優遇税制にはまったく手をつけないはおかしい!儲けているところから税金をとるのがスジだ!」と発言しました。すると、観客席から「そうだ」と拍手が沸き起こったのです。
いま、研究開発減税の上乗せとIT(情報技術)投資促進減税の存廃問題が焦点になっています。いずれも小泉内閣のもとで、「景気対策」として2003年度税制「改正」でスタートし、2006年3月末までの3年間の時限措置でした。
ところが、日本経団連(会長・奥田碩会長)は、9月20日「引き続き整備・拡充することが不可欠である」(06年度税制「改正」に関する提言)と継続・拡充を求めています。
これにたいして、政府税調は「(両減税措置は)期限切れになるんだから、これは一回やめましょうということ」(石会長、11月15日の記者会見)と期限どおりの廃止を答申に盛り込む方針を明らかにしました。財務省も、財源確保の観点から廃止を主張しています。これは、当然のことです。
ところが日本経団連は、11月8日、2006年に企業献金をするさいの政党評価の基準となる「優先政策事項」を発表し、「経済活力、国際競争力強化に向けた税・財政改革」の項目をかかげ、「研究開発・設備投資の促進など企業活力の向上」と、大企業減税の継続・拡充や法人課税の引き下げを求めているのです。
これはまさに、カネの力で税制をゆがめようとするものではないでしょうか。
その一方で、サラリーマン大増税という危険な方向がいよいよ明白になってきました。政府税制調査会の総会では、所得税と住民税の一定割合を減額してきた定率減税を、2007年1月(住民税は同年6月)に全廃する方向で一致したそうです。この方針は、11月25日にとりまとめる2006年度の税制「改正」答申に盛り込まれます。
すでに、定率減税の半減は、所得税については来年1月から、住民税は6月から実施されることが決まっています。先の総選挙で自民党は、マニフェストでサラリーマン増税という政府税調の考え方はとらないと言っていました。この政府税調の答申通りに実行したら、公約違反になるのではありませんか??
大企業には減税、庶民には大増税――こんな不公平は、ただちに改めなければなりません。