憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【05.04.14】国会ドタキャン 竹中大臣の言いわけと開き直り名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2005年4月14日
竹中大臣が、4月5日の総務委員会をドタキャンしたことが、大きな問題となり、国会の審議に影響が出ました。
5日の衆議院総務委員会は、午前中、竹中平蔵郵政民営化担当大臣も出席し、委員会を開くことが与野党で合意がされていました。
ところが竹中大臣は、その日の朝になって、自民党とのあいだで郵政民営化関連法案の調整で「一刻の猶予もない」などといって、出席しなかったのです。これは、大臣としての資質が問われるきわめて重大な事態です。
総理大臣をはじめ各閣僚は、国会で「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」(憲法63条)と定められ、国会に出席する義務があるからです。
ドタキャンは、憲政史上極めてまれな事件と言わなければなりません。
しかも、その後が悪い。……その日の午後、開かれた衆議院本会議で野党議員に追及されて、総務委員会出席については与野党の「合意がなされていたとは承知しておりません」と、言い訳したからです。
これは、まったく事実に反します。竹中大臣の出席については与野党の間で合意され、質疑のタイムテーブルもつくられていたからです。そのことを知っていたからこそ、「出席できない」と言ってきたのでしょう。
私は、7日の本会議質問でとりあげました。「与野党が合意していた日程を突然欠席するとは、議会軽視もはなはだしい」「その上、事実と違う答弁をし、『情報収集が不足していた』と、開き直るに至っては、国会を二重、三重に愚弄するもので、絶対に許されるものではない」と。
そして、前回の本会議での答弁の撤回と謝罪を求めるとともに、「どう責任を取るのか明らかにすべきだ」とただしました。
これにたいして、竹中大臣は「遺憾であった」と答えたのです。「遺憾」とは、いったい何でしょうか。遺憾というのは、辞書によると「残念な、そのさま。思っているようにならなくて心残りである」という意味なのだそうです。
だから「遺憾であった」と言っても、まったく謝罪になっていないのです。
いずれにしても、こんな事態になった背景には、国民がのぞんでもいない郵政民営化をあくまでも強行しようとする小泉内閣の姿勢に問題があることは明らかです。
この際、混乱をまねいている“百害あって一利なし”の郵政民営化そのものを根本的に見直すべきではないでしょうか。