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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【05.03.03】自治体にまで手数料を要求する銀行名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2005年3月3日


 私は、先日の財務金融委員会で、銀行の手数料引き上げ問題をとりあげました。
 銀行は、両替手数料、ATM(現金自動預払機)利用手数料など、さまざまな利用者負担を押しつけています。その銀行が、「経営環境がますます厳しさを増している」などと大げさにいいながら、今度は自治体にたいして公金の収納支払い等に関する業務について、手数料を一斉に引き上げるよう迫っています。
 この背景には、金融庁の「銀行の収益力向上」姿勢があります。
 私は財務金融委員会で、全国地方銀行協会(地銀協)が、昨年7月に全国知事会、市長会、町村会など自治体関係5団体に提出した要望書を示しました。
 その地銀協の要望書には「地方銀行全体で年間1000億円を大きく上まわる負担となっています」と書かれています。そのうえで、全国で約1700自治体の指定金融機関(地方銀行)が、その分を自治体に負担してもらいたいとと言っています。
 これは、単純に計算しますと、1自治体当たり1億円弱の負担増になります。これは、自治体にとって大変な負担増になります。
 現在はほとんどの場合無料となっている自治体の収納・支払い事務等をおこなったさいの指定金融機関への手数料を、「平成17年度から予算措置につき配慮願いたい」と求めています。
 私は、金融担当大臣に「こうした負担を自治体に求めるのが当然と考えているのか」とききました。これにたいして伊藤達也金融担当大臣は、「当事者である銀行と自治体が協議して合意すべきもの」と答えました。
 さらに重大なのは、この要望書に「現在、地方交付税の算定基礎である基準財政需要額の単位費用には、金融機関への手数料等の項目が亡く行政コストとして扱われていない」「個別地方公共団体ならびに地方公共団体関係団体から主務官庁(総務省)に対し、基準財政需要額の単位費用についての計上方法の見直しを働きかける等の対応についても検討願いたい」と書いていることです。
 要するに、銀行が自治体に手数料の負担を押しつけやすくするために、自治体にたいして国に働きかけてお金をとってきなさいと言っているのです。どうしてこんなことまで、銀行が自治体に言わなければならないのか。ほんとうにあきれてしまいます。
 伊藤金融担当大臣は、「当事者間の問題」と言っています。しかし考えてみますと、銀行に対して金融庁が「収益力の向上」をあおっている。このことが背景にあるからではないでしょうか。じっさい、「要望書」にも「収益力向上に向けたいっそうの取り組みが強く求められ」ていると書いあるのです。
 金融担当大臣は、人ごとのように言っていますが、このような事態を招いた責任を感じてもらわなければなりません。「収益力向上」で銀行の尻をたたくような政府のやり方を改めるべきではないでしょうか。

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