憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【05.02.17】これが『あるべき税制』か 大企業に軽く 庶民に重い名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2005年2月17日
小泉内閣は、定率減税の縮小・廃止で庶民に大増税をおしつけながら、法人税と所得税最高税率の減税を続けていこうとしています。
谷垣財務大臣によると、法人税と所得税最高税率の減税については「あるべき税制」の先取りだ、などと開き直っています。
ということは、「あるべき税制」とは庶民にはずっしりと重く、大企業と大金持ちの税金はかるいもの、ということになります。こんな「税制」は、あまりにも逆立ちしているではありませんか。
いま、大企業の利益は空前の規模にのぼる一方で、家計はきわめて厳しい状況にあります。ますます担税力が向上している大企業にたいして応分の負担を求めず、疲弊している家計に大増税をもとめる。……こんなやり方は、絶対に認められません。
この「定率減税の縮小・廃止」の議論は、いったい、いつからでてきたのでしょうか。一昨年の秋、総選挙前。言いだしたのは、公明党だったのです。
2003年9月13日付の「公明新聞」によると、公明党の北側一雄・政務調査会長(現在の国土交通大臣)が、基礎年金の国庫負担割合引き上げの財源として、「所得税の定率減税の見直しを3段階でおこなう」という提案をしていました。
当時、私が日本共産党の政策委員長代理として出席した2003年11月23日の「NHK・討論番組」のことをいまでも鮮明に覚えています。
公明党の北側氏が、所得税の定率減税廃止を提案したのにたいして、自民党の額賀政調会長は「サラリーマン中堅層には増税になる。どう消費に結びつけるかが問われているときに、いかがなものかという議論も党内にはある」と述べていました。
ところが結局は、公明党の言い分を受け入れて定率減税を縮小・廃止に踏み切り庶民増税を強行しょうとしているのです。
自民・公明の与党税調の「17年度税制改正大綱」にはこう書いています。
――「定率減税を2分の1に縮減する。なお、今後の景気動向を注視し、必要があれば、政府・与党の決断により、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する」と。……ということは、「定率減税」縮減を実施しない場合もあるということでしょうか。
それなら、いまのように庶民の家計が疲弊しているときこそ、定率減税の縮減(=大増税)を中止すべきではないでしょうか。