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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【04.11.25】10兆円もの国民負担増で経済を陥没させるのか!名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2004年11月25日


 景気がまた落ち込んできたと言われているとき、所得税の増税の話が出ています。「所得税・住民税の定率減税の縮小・廃止」です。これを実施すると、中堅サラリーマン層に大きな打撃を与えます。
 この減税(3兆5000億円=当時)は、1999年に実施されました。同時におこなわれたのが、おもに大企業企業が負担する法人税率の引き下げ(5000億円)と、所得税の最高税率の引き下げです。減税された当時、かかげられた目的は「経済回復のため」ということでした。
 その後の経済実態はどうだったでしょうか。大企業の経常利益が1998年から2003年までのあいだに約9兆円増えています。しかし、その一方で、家計収入は大幅に減少しています。
 私は、先日の財務金融委員会で、政府が法人税率の引き下げの検討すらせず、サラリーマン層に打撃を与える定率減税の縮小・廃止だけを計画していると批判しました。サラリーマン層にだけ「なぜ増税をするのか。やり方が逆ではないか」と言ったのです。
 これにたいして、谷垣財務大臣は「リストラが一服するなかで(企業の利益増が)家計に及んでくる環境がととのってきた」と強弁しました。
 じっさいには、リストラによって大企業の利益は増えていますが、その結果、労働者の所得は抑えられてきたのです。
 日銀が9月に実施した「生活意識に関するアンケート調査」では「1年前と比べて支出を減らしている」人が42.3%にたいして、「支出を増やした」人はわずか6%にすぎないのです。
 私は「定率減税の廃止によって国民に3.3兆円も負担を増やすのは、景気対策に逆行している。いまやるべきは、担税能力の上がってきた大企業にたいする法人税率の引き上げだ」と指摘しました。
 小泉内閣になって税・社会保障の負担は、昨年度と今年度であわせて7兆円になっています。
 そのうえ、定率減税の縮小・廃止をおこなえば、あわせて10兆円以上もの負担増を強いることになります。私は、定率減税の廃止が消費にとってマイナスになると主張しました。
 谷垣財務大臣は「景気動向に十分注意をして、議論を進めていかなければならない」と答弁せざるをえませんでした。
 GDPの5割以上を占めている個人消費が落ち込んだら、GDP全体が陥没してしまいます。そんな危険な引き金を、決して引いてはなりません。

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