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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【04.09.30】『憲法の枠内で』と言いながら 憲法違反を繰り返す小泉内閣名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2004年9月30日


 小泉内閣は、「憲法の枠内で」と言いながら憲法違反を繰り返す常習犯のようです。
 第1は、国連常任理事国入りとの関連です。
 小泉首相は、先日アメリカを訪問した際、ニューヨーク市内のホテルでの記者会見でこう述べたそうです。――「現在の憲法のままでも日本は国際社会の中で役割を果たすことができる。安保理に日本が参加できないということであれば愉快なことではなく、安保理の議席を求めるのが妥当だ」。
 しかし、もともと常任理事国に参加することと憲法9条は、まったく相いれないものです。
 いまの国連憲章のもとでは、安保理常任理事国は、国連憲章42条にもとづいて組織される国連軍に兵力を提供することが当然の前提となっています。また、憲章47条にもとづいて組織される軍事参謀委員会に代表をおくり、国連の軍事作戦を戦略的に指導する責任をおうことになります。ですから、常任理事国としてのこれらの義務と責任は、日本国憲法9条と明白に矛盾します。
 それを、いまの憲法の枠内で可能だという小泉首相の弁明は、誰が聞いても詭弁としか言いようがありません。
 第2は、多国籍軍への参加です。
 政府は、イラクに暫定政府が出来た6月30日以降も、自衛隊を多国籍軍に参加させて駐留を続けています。
 この多国籍軍は「統合された司令部の下で活動する」のです。しかも、その司令部の指揮権は米軍が持つのです。多国籍軍は、「治安維持」という「目的」のため武力行使をおこなうことがあります。
 平成12年(2000年)10月26日の中山外務大臣(当時)の答弁で、国連軍に対する関与のあり方について、こうのべています。――「『参加』とは、当該『国連軍』の司令官の指揮下に入り、その一員として行動することを意味」する。自衛隊が多国籍軍に「参加」するというなら、その「指揮下に入る」ということです。そして「その一員として行動する」ということになります。
 政府は、これではまずいので「指揮下に入らない」と言い逃れをしています。しかし「指揮下に入らないで参加する」というなら、それは詭弁です。これも、憲法違反の上塗り以外の何ものでもありません。
 このような動きを許さず、憲法をしっかり守らなければなりません。いまやるべきことは、まず何よりも、アメリカいいなりの現状から抜け出すことです。そして、国連憲章にもとづく平和的な国際秩序をつくるため、自主的な平和外交を推進し、世界の信頼をえることではないでしょうか。

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