憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【04.08.19】”原発事故の衝撃”安全を軽視する体質に根本問題名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2004年8月19日
4人が死亡した関西電力・美浜原発3号機事故は、全国に大きな衝撃を与えました。
安全を軽視してきたこれまでの関西電力の経営体質に、根本的な問題があるのではないでしょうか。
重大なのは、破損した配管部分の点検が対象リストから漏れ、約14年間も見落とされていたうえ、昨年11月に、下請けの検査会社から点検の必要性を指摘されたにもかかわらず、関電側が点検を先送りしていたことです。
このため、配管内の肉厚が水流の流れで削られる「減肉摩耗」が生じて配管が変形、破損する「延性破壊」が起きたのです。
中川経済産業相は、記者会見で「まさに人災だ」と述べたそうです。それは、関電の管理体制の甘さが招いた事故だったと言いたかったのでしょう。しかし、所管していた経済産業省の責任をどう感じているのでしょうか。
2000年に、関電が美浜原発3号機の二次系配管の安全対策などを盛り込んだ報告書を出しました。これにたいして、当時の通産省が「妥当」と評価していたことも明らかになりました。ずさんな報告を見逃し放置した国の監督体制も厳しく問わるべきです。
地元、日本共産党福井県委員会は、中川昭一経済産業大臣と原子力安全・保安院にたいして、徹底究明と再発防止などを緊急に申し入れました。
これには、事故現場を調査した吉井英勝衆院議員なども同行して、定期点検準備という名目で運転中の原発建屋に安全軽視で多数の労働者を入れないことなどを強く求めました。
吉井議員は「建屋には小さな出入り口しかない。200人がすぐ避難できない構造だ。死傷した11人以外にも高温の蒸気を吸うなどして気道にやけどを負っている可能性もある」と指摘して改善をもとめました。
愛知県にいちばん近い原発は、静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発があります。私も何度か現地調査に入ったことがあります。
日本共産党の静岡県議団(花井征二団長)は、昨日、中部電力に対して万全な調査と対応を求めました。このとき、「浜岡原発は、美浜原発と違う沸騰水型軽水炉であるだけに、万が一にも事故が起こったら、放射性廃棄物等が建屋に充満し、最後の防護壁を越えて大気中への大量の放射能漏れという大事故につながりかねない」と指摘しました。
電力会社や政府は、何よりも安全を最優先するという姿勢に、根本的に切りかえなければ、根本的な解決につながりません。