憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【04.07.22】自民党は、日歯連ヤミ献金の全容を明らかにすべきだ名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2004年7月22日
政治資金収支報告書に記載せずに、こっそりと受け取った政治献金は、ぞくに「ウラ金」と言われます。それが、いま次々と発覚しているのです。
たとえば日本歯科医師連盟(日歯連)の政治資金のうち、自民党橋本派に1億円が渡っていたことが明らかになり政界に衝撃が走りました。重大なのは、橋本元首相が小切手を受け取ったさい、同派の野中広務自民党元幹事長と青木幹雄同党参院幹事長が同席していたことです。
1億円もの献金を受けながら、政治資金としての届けをまったくせず、それがバレたら政治資金収支報告書を訂正する。――これですむのなら、こんな「気楽な家業」はありません。
政治家が、献金の事実を隠して、フトコロに入れて黙っていた方が得ということになってしまいます。それなら、政治資金規正法など、何の役にもたたないことになるでしょう。これでは、黒いカネまみれの政治が大手を振って横行し、国民の政治不信はつのる一方です。
この他にも、綿貫民輔前衆院議長の政治資金収支報告書に記載されていなかった日歯連からの献金500万円について、綿貫前議長の事務所が献金を受けた事実を認め、報告書を訂正していたそうです。また、自民党の元農相の藤本孝雄元衆院議員も、700万円の献金などを記載していなかった事実を認めました。この他、数人が訂正を申し出たそうです。それだけウラ金があった、ということではないでしょうか。
私も、予算委員会で約1億4000万円にのぼる記載金額のくい違いを指摘しました。今年2月の衆議院予算委員会で明らかにしたのは、政治資金収支報告書の記載もれでし、巨額の金が行方不明になっていることでした。日歯連から都道府県連盟に交付金が出されているのですが、都道府県連盟側が受け取ったと記載されている交付・寄付金とのあいだで、約1億4000万円にのぼるくい違いがあったのです。いったい、このお金はどこに消えたのでしょうか。
私は、「これは、少なくとも政治資金収支報告書の虚偽記載にあたるのではないか」と指摘し、調査して厳正に対処するようもとめました。そのとき、法務省の樋渡利秋刑事局長は、「刑事事件としてとりあげるべき事実があれば、適切に対処する」と答えていました。
さらに重大なのは、全国の都道府県の日歯と日歯連、日歯自民党支部を調べると、会長も会計責任者も住所もほとんどが同じになっていることです。自民党が民間団体を下請け化し、お金の上でも組織的にも一体で、ぐるみ選挙をしている実態があります。これこそ、正さなければなりません。
自民党は、今回の日歯連献金事件について、その経緯について徹底的に調査し全容を国民の前に詳しく明らかにする責任があります。