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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【03.12.25】『所得の少ない人は少なく、多い人には応分負担』が原則名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2003年12月25日


 与党の自民党と公明党が合意した来年度からの「年金制度改革」と「税制改正」は、国民に痛みだけを押 しつけるものです。

◆負担を増やし給付は切り下げ
 年金は、負担増と給付水準の切り下げをいっそう鮮明にしました。
 年金保険料は、現在13.58%(労使折半)ですが、来年10月から毎年引き上げて、2017年度には18.35%にするというのです。じつに、3割も負担が増えるのです。
 国民年金の保険料(現在一律1万3300円)の引き上げは、まだ決めていません。しかし、厚生労働省は「 来年の法案提出までに決める」(年金局)といっています。
 厚生年金の給付水準は、いま現役世代の平均的収入の約60%ですが、これを50%程度に引き下げると いうのです。
 ただし、これはあくまでもモデル年金(夫のみ40年間就労、妻は専業主婦という一部のケース)です。共 働きや単身者などは、3割台、4割台に給付水準を引き下げることになります。
 さらに、国民年金の受給者など大多数の定額年金も、一律に大幅な給付水準の引き下げになります。

◆国の責任を放棄するもの
 重大なことは、来年度からの国庫負担2分の1への引き上げが法律で決まっているのに、全面的な実行は2009年度まで先送りしていることです。国の責任放棄です。絶対に許せません。
 また、「財源」の名目で2つの大増税をねらっています。
 ひとつは、所得税の定率減税の廃止です。――2005年度から2年間かけて協議する所得税の見直しの なかで三位一体改革の地方への財源移譲とあわせて検討するとしています。
 ふたつ目は、「2007年度を目途に消費税をふくめた抜本的税制改革を実現」と明記したことです。

◆自民も公明も消費税大増税に走り出した
 私も出た14日(日)のNHKの「日曜討論」で、自民党額賀政調会長は「消費税を含めた財源の手当を考 えていく必要がある」とのべました。
 公明党の北側政調会長も「社会保障全体の負担をどうするかという議論のなかで消費税の問題というのは避けて通れない」とのべています。民主党も将来の年金財源として増税を容認しています。
 いよいよ2007年に向け、消費税大増税の地ならしが始まりました。

◆抜本的な改革こそ求められている
 もはや、いまの制度の枠のなかでは解決しません。
 基礎年金(国民年金)の国庫負担を直ちに2分の1に引き上げるべきです。財源(2兆7千億円)は、ムダ な公共事業費の削減など歳出の見直しでまかなえます。
 また、145兆円にものぼる積立金をムダに使うのでなく有効に活用することです。さらに、年金の加入者 減につながるリストラ最優先の政策を改めることです。
 将来の歳入のあり方は、「所得の少ない人には少なく、多い人には応分の負担」を原則にすべきだと考えます。
 大企業や高額所得者に応分の負担を求めれば、将来も消費税に頼らずに安心できる年金制度は実現できるのです。

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