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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【03.08.07】公約破りがマニフェストを唱える無意味名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2003年8月7日


 マニフェストについての議論が、さかんにおこなわれている。
 なぜいま、これほど盛り上がっているのか。その背景には、これまでの政治に対する不信感があるのではないか。
 「2〜3年ガマンせよ」と言われたが、いっこうに経済と暮らしは上向かない。政治とカネをめぐる不祥事は相変わらずあとをたたない。なぜ、日本がイラクに自衛隊を派兵するのか。……などなど、いまの政治にたいする不信感がひろがっている。
 政治家・政党は、国民の切実な要望に応じて公約をつくるべきだ、そしてそれをしっかり実効してもらいたい。――こういう声が強まっているように思う。これが、マニフェスト論の背後にあるように思う。
 もちろん公約は、抽象的なものではだめで、具体的でなければならない。
 私たちは、そのために努力をしてきたつもりだ。たとえば福祉の分野でも、農業の分野でも、可能な限り具体的な数値目標をしめし財源も明らかにしてきた。
 また、「財政再建10カ年計画」や「日本経済への提言」「新日本経済への提言」を発表し、5年〜10年を展望した総合的で具体的な対策を示してきた。
 いちばん大事なことは、どこをどう変えるのかを明確にすることだ。これまでの自民党政治の延長線上で、スピードを競うようなものではダメだと思う。自民党政治に替わる別の選択肢を鮮明に示さなければならない。
 たいへん問題だと思うのは、選挙での公約とまったく違うことを平気でやっている政治家・政党がしばしば見られることだ。これでは「マニフェスト」どころではない。約束を破るようでは「マニフェスト」をつくっても、また裏切られるだろう。
 たとえば、消費税の増税に反対だと言ってきたのに、当選したら賛成にまわる。医療費は上げないといってきたのに、引き上げに賛成するというのがそれだ。今度のいっせい地方選挙では、生命保険の予定利率引き下げを隠しておいて、選挙が終わったら突然出してくるというひどいこともあった。
 政策で国民に約束したことを、力関係で実現できないことはしばしばある。しかし、約束したことと、まったく違うことをやるのは問題外だ。
 こんなことをやった政党が、「マニフェスト」などと言っても、信じられるものではない。
 いまやるべき緊急課題は、イラクに自衛隊派兵をやめて国連中心の人道支援をおこなうこと、医療費負担を2割に戻すなど4兆円をこえる負担増を中止すること、大型公共事業のムダにメスを入れること、あるいは企業団体献金を禁止すること。――このような政策ではないだろうか。
 私たちはいま、それを練り上げている。具体的な公約を国民の前に提示し、暮らしと平和のために全力をあげる決意である。

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