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国会での活動

国会での活動 − 国会質問医療・介護・年金・障害者税制(庶民増税・徴税)

【12.06.22】大増税だけが残った 公約投げ捨てた民主・自民・公明3党合意

   2012年6月22日、佐々木憲昭議員は、社会保障・税特別委員会で、民自公3党「合意」を取り上げ、税制では消費税大増税だけが残り、社会保障では大改悪まで狙うものだと追及しました。

 新たな質疑の対象となる「社会保障制度改革推進法案」と「認定子ども園法改正案」については、20日の夜21時に提出されたばかりであり、とりわけ「社会保障制度改革推進法案」まったく新しく提案されたものです。
 また「一体改革関連法案」の修正案に至っては、前日提出され、この日午前中に提案理由の説明がおこなわれたばかりで、修正案の内容を十分に検討する余地さえありません。
 佐々木議員は、「これらの法案は、検討時間を含め十分に時間をとって充実した審議を行うべき。短時間の質疑で来週早々にも採決するなど、絶対におこなうべきではない」と主張しました。

 佐々木議員は、3党合意文書で、公的年金や後期高齢者医療制度の改革について「あらかじめ3党間で協議する」とされていることを示し、「最低保障年金や後期高齢者医療制度廃止の民主党の公約は自民、公明が了承しない限り、実行できない」と指摘。
 法案提出者の野田毅議員(自民)は「その通り」と答え、長妻昭議員(民主)は「政権交代のたびに制度が変わると迷惑がかかる」と公約投げ捨てを言い訳しました。

   さらに、佐々木議員は3党が新たに提出した社会保障制度改革推進法案は「自助」「自立」を社会保障制度の基本にすえるものになっていると追及。
 鴨下一郎議員(自民)は「自民党の哲学が貫かれている」と述べました。
 佐々木議員は、憲法25条の生存権を否定するものだと強調。
 また、社会保障について「消費税収を主要な財源とする」と明記していることをあげ、増税も社会保障の削減も実行する重大な仕組みをつくろうとするものだと批判しました。

 さらに佐々木議員は、わずかばかりの高額所得者への所得税や相続税の強化も3党合意で削除されていることに言及。
 政府は所得税は累進的になるといっていたとして「前提も崩れている」と追及すると、安住淳財務大臣は「来年、再来年にやる」と答えるのが精いっぱい。
 10%増税時の低所得者対策についても先送りされ、中小企業が消費税を転嫁できない問題についても実効性がある対策が何一つないと迫ると、古本伸一郎議員(民主)は「これまで以上に厳格に監視、取り締まる」としか答えられませんでした。

 佐々木議員は「所得再分配機能も否定され、消費税増税だけが残った」と批判し、こんな重大な3党修正・新法をろくな審議もせず採決することは到底、認められないと強調しました。

論戦ハイライト

「3党合意」が改悪拍車
衆院特別委 佐々木議員の質問

しんぶん赤旗 2012年6月23日
 22日の衆院社会保障・税特別委員会で、民自公3党の「密室談合」にもとづいて提出された消費税増税と社会保障の大改悪法案を取り上げた日本共産党の佐々木憲昭議員。「修正案」を提出した民自公議員の答弁からは「血も涙もない」法案の害悪が浮かび上がりました。


3党合意で看板政策棚上げ
佐々木 「自公が了解しない限り実行できない」
野田 「その通り」

 佐々木氏は、自民党の石原伸晃幹事長が3党合意によって「閣議決定の効力はなくなった」「最低保障年金もなくなった」などと述べていることに対し、民主党の輿石東幹事長と前原誠司政調会長が「実務者合意及び合意文書とは異なり、事実に反する点があります」と撤回・訂正を求める申し入れ文書を提出したことを紹介。最低保障年金の創設と、後期高齢者医療制度の「廃止」という民主党の看板公約はどうなったのかとただしました。
 民自公3党合意にもとづく社会保障制度改革推進法案では、年金制度と後期高齢者医療制度については、新設される「社会保障制度改革国民会議」で検討するとされています。
 一方、民自公3党の「確認書」には、「今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度にかかる改革については、あらかじめその内容について、3党間で合意に向けて協議する」と書かれています。
佐々木 民主党の主張は自民、公明が了解しない限り実行できないということだ。
自民・野田毅税調会長 その通り。
佐々木 民主の「目玉政策」は廃止されたということだ。
 野田氏が「(公約が)なくなったと言い切るのは気の毒なのかな」と述べると、委員会室は失笑に包まれました。民主党の長妻昭政調副会長は「政権交代のたびに制度が変わると国民に迷惑がかかる」などとしどろもどろに。佐々木氏は「民主党の公約は自公によって棚上げ、否定されたということだ」と強調しました。

社会保障改悪法案―生みの親は自民
佐々木 「『自助・自立』をすえ『公助』の後退だ」
鴨下 「憲政史上で歴史的」

 佐々木氏は、まったく新しい法案として提出された「社会保障制度改革推進法案」について取り上げました。
 自民党の鴨下一郎氏は「まず自ら助け、助け合い、足らざるは公助としてバランスをとる」と強調し、「自民党の哲学が貫かれている」と表明。社会保障の削減と負担増を国民に押し付けてきた自民党路線の法制化であることを認めました。
佐々木 社会保障の基本的考え方に「自助」「自立」をすえ、「公助」を後退させるものだ。
鴨下 3党が合意したのは憲政史上でも歴史的なこと。
佐々木 歴史的な大後退だ。
 自立・自助を基本とする考え方にもとづいて、政府提出法案にあった「支え合う社会を回復する」との文言は削除されています。自民党の野田氏が「社会のあり方として、自分の人生は第一義的に自分が責任を持つのが当然」と「自己責任」論を公然と展開したのに対し、佐々木氏は「社会保障の増進を国に義務づけた憲法25条を否定するものだ。社会保障への公費の投入を減らそうという意図がみえみえだ」と批判しました。
 推進法案では社会保障の公費負担について「消費税収を主要な財源とする」と定めています。佐々木氏は「消費税の増税も、社会保障の削減も実行する仕組みだ」と述べ、こうただしました。
佐々木 社会保障を消費税でみれば、社会保障を削らなければいけなくなる。充実したければ消費税を引き上げることになる。
野田 保険料も限界、他の財源も限界、借金は増やせない。そう考えると、主要な財源は消費税だ。
佐々木 社会保障を消費税にリンクさせるのは間違いだ。消費税に頼らない別の道がある。ムダの削減、法人税減税や金持ち減税の中止。これらを検討もしないで消費税を上げるなどということは許されない。

 

消費税増税―低所得対策は先送り
安住 「来年・再来年に検討」
佐々木 「増税しないことが一番の対策だ」

 3党「修正」によって消費税大増税を柱とする税制関連法案はどうなったのか―。
 佐々木氏は、政府案にわずかにあった所得税最高税率引き上げ(40から45%)や相続税の課税強化など所得再分配機能の強化が、すべて削除されていることを指摘。安住淳財務相が“所得税は累進的。今回は最高税率を引き上げる”と述べていたことをあげて、ただしました。
佐々木 (消費税増税の)前提が崩れたのではないか。
安住財務相 来年度、再来年度の税制改正でやっていく。
佐々木 棚上げして先送りしたということだ。
 富裕層へのわずかばかりの増税をやめる一方で、低所得者に対する対策はどうなったのか。政府は給付付き税額控除、自民は複数税率の導入を掲げていましたが、3党合意で先送りされました。
 長妻昭氏も低所得者の年金加算はとりやめたと述べ、「3党の考え方が異なった」と言い訳しました。
 佐々木氏は「低所得者対策が削除される半面、高額所得者のわずかな負担も削除した。血も涙もない修正案だ」と批判しました。
 修正案は、中小企業が消費税を転嫁できず身銭を切って払っている問題では、独占禁止法など「必要な法制上の措置を講じる」としています。民主党の古本伸一郎氏は、法案に盛り込んだことが「大きな前進だ」と述べ、監視体制(Gメン=取締官)を強めると述べました。
 佐々木氏は、国会の公聴会で日本商工会議所の代表が、法的に争うことを覚悟しない限り相談も難しいと述べていたことにもふれて、「条文に書いて改善されるものではない」と一喝しました。
佐々木 いくらGメンを増やしても対応できるはずがない。下請け企業は何社あり、Gメンは何人つくるのか。
古本 (質問には答えず)これまで以上に厳格に監視する。
佐々木 下請け業者数もGメンの数も答えられないのでは話にならない。消費税を増税しないことが一番の対策だ。
 佐々木氏は「ささやかな所得再分配機能も否定され、消費税増税だけが残った」と批判。「消費税に頼らない別の道を探るべきだ」と主張しました。


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