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国会での活動

国会での活動 − 国会質問その他

【11.12.06】原子力協定が衆院通過 「危険な原発輸出 許されない」

 2011年12月6日、ヨルダン、ロシア、韓国、ベトナムへの原発輸出を進めるための原子力4協定承認案が、衆院本会議で、民主・自民などの賛成で可決し、参院に送付されました。
 日本共産党は、「危険な原発を輸出することは到底許されない」と反対。議院運営委員会で4協定の本会議上程を無期限延期する動議を提出しました。公明、みんな、社民も協定に反対しました。

 本会議に先立つ議院運営委員会で、佐々木憲昭議員は、「原発は核分裂を制御する技術が未確立であり、核エネルギーの暴走を止めることができないことは福島原発事故で示された」「重大事故が発生し、大量の放射性物質が外部に放出されればそれを抑える手段は存在せず、被害は地域、国境を越え、子々孫々にまで被ばくに苦しむ人々をつくることになる」と指摘しました。

 その上で、福島原発事故の原因を究明する事故調査委員会の設置を決め、まさにこれから調査を行おうとしているときに、「なぜ危険な原発を輸出する協定を本会議の議題としなければならないのか。許されるものではない」と表明しました。

 4協定は、同日の参院外交防衛委員会で、玄葉光一郎外相による趣旨説明が行われました。民主、自民両党は今国会での協定承認をねらっています。

「しんぶん赤旗」の解説

新「安全神話」で海外狙う■財界要求丸のみ
2011年12月6日付
 「経済外交」の名による危険な原発の海外輸出が目的のヨルダン、ロシア、韓国、ベトナムとの4原子力協定の承認案が、民主、自民両党の賛成で衆院を通過しました。わずかな審議でも重大な懸念が示され、何より福島第1原発事故の原因究明どころか事故収束もできないなかで、日本共産党などの強い反対と採決延期の動議にもかかわらず採決が強行されたのです。
 乾燥した内陸部での原発立地を計画しているヨルダンとの同協定は、冷却水の確保や緊張する中東情勢のもとでの安全性が懸念され、国会では審議や承認が2度も見送られた経緯があります。他の3協定は、これまで審議も行われてきませんでした。
 ところが民主党は外務委員会で4協定一括の審議入り(11月30日)とわずか3時間の審議での可決(2日)を強行。採決で反対した公明党も審議日程には賛成しました。なぜ、それほど原発輸出に固執するのか…。
 財界は「新興国を中心に原子力発電の増加が見込まれるなか、日本の技術への国際的な期待は現在でも大きい」「世界の原発の安全利用に貢献していく必要がある」(日本経団連の「エネルギー政策に関する第2次提言」=11月15日発表)などと原発輸出推進を要求しています。
 同事故の影響で、国内では新規立地どころか、着工ずみの原発の建設継続も反対に直面しているのが現実です。“国内がダメなら輸出しかない”というのが原発業界の本音です。
 ヨルダンとの原子力協定が議論された同委員会(8月24日)に参考人として出席した、原発メーカーなど“原発利益共同体”でつくる「日本原子力産業協会」の服部拓也理事長は、原発輸出で国内産業が発展すると主張。「事故を起こしたが、その経験を踏まえて、しっかりと安全性を向上する炉をつくっていく」などと、新たな「安全神話」までふりまきました。
 原発輸出は、民主党政権が推進してきた政策です。政権交代前に原発推進政策へと転換していた同党の鳩山政権は2009年11月、「日米クリーンエネルギー技術協力合意」を達成。原発の「世界的な普及」のために「日米両国が重要な役割を担う」と宣言したのです。実際に日米の原発メーカーが連合体を組み、各国から原発建設を受注しようと世界を駆け回っています。
 福島第1原発では溶け落ちた核燃料の状態も正確につかめず、事故収束の見通しも立っておらず、国会の事故調査委員会は発足したばかりで初会合さえ開かれていません。事故への真剣な反省なきの野田政権の原発輸出推進は、原発の危険を無責任にも世界規模で拡散する重大な暴挙です。
(林信誠)


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