国会での活動
【09.11.10】議院運営委員会で人事官候補者の所信聴聞会
民主党政権が初めて提示した人事院人事官任命の同意を求める件で、2009年11月10日、議院運営委員会は、人事官候補者の江利川毅氏(埼玉医科大学特任教授)からの所信聴取と質疑をおこないました。
鳩山内閣が人事官候補として提示した江利川毅前厚生労働事務次官は、公務員の労働基本権の回復問題で、明言を避けました。
質問に立った佐々木憲昭議員は、「国家公務員制度改革で一番大事な点は労働基本権の回復」だとのべ、国際労働機関ILOが日本政府にたいし、消防・監獄職員の団結権や一般公務員の争議権、労働協約締結権の保障など、国際労働基準に従った改革を進めるよう求める勧告を繰り返し行なっていることを指摘し見解を質しました。
これに対して江利川氏は、公務員にも憲法の保障する労働基本権は基本的に及んでいるとのべました。
しかし、労働基本権を制限しその代償機能として人事院を位置づける現行制度は「合理的」だとする最高裁判決に言及し、「国民生活に影響が及ばないよう多角的に考える必要がある」と答弁、肝心のILO勧告への見解は示しませんでした。
つづいて佐々木議員は、小泉内閣が2002年に「総人件費抑制政策」をうちだし、それ以降、人事院がマイナス勧告を繰り返してきたことを指摘し、中立公正の機関が政府の意向に屈したのでは労働基本権制約の代償機能は果たせないとのべ、小泉内閣当時の内閣府事務次官もつとめた江利川氏の見解をもとめました。
江利川氏は、「民間が下がれば、下がることもあり得る。政府の干渉は存じ上げない」と、自公政権下でその言いなりとなってきた人事院の役割について具体的な答弁をさけました。
天下りの全面禁止については、「そうできれば大変ありがたい。ただ検討すべきことも多々ある」などと明言をさけました。
全体として、質問にまともに答えない姿勢が目立ちました。
この国会同意人事は、17日の本会議で採決がおこなわれ、それに先立つ議院運営委員会で佐々木議員は、同意人事について発言しました。